スタッフが毎週ネット小説大賞応募作品から気になる作品をピックアップいたします。
原則選考とは無関係ですが、より多くの優れた作品を多くの方の目に触れていただくことは、ポイントに関係なく参加できる当コンテストの目的のひとつでもあります。
週1~2回程度の更新をおこなってまいりますので、ぜひご期待ください。
※コンテストではコンテスト参加作品のユーザーピックアップ作品も募集しております。
ピックアップしていただいた作品は可能な限りコンテストで取り上げる他、は外部広告で取り上げる場合もございます。
お勧めの作品がある方は推薦してみてください。
また、もしお勧めしたい作品がコンテストに参加されていない場合は、作者様の迷惑にならない範囲で当コンテストの紹介をしていただければ幸いです。
お菓子とおかしな訪問客
- タイトル
- お菓子とおかしな訪問客
- 作者
- 椎名実由
- あらすじ抜粋
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辻谷唯香は地元の老舗お菓子メーカー、矢島製菓に勤める、入社1年目の新入社員。
矢島製菓の中でもほかの事務員とは違い、工場の直売所での接客も担当する『直売係』として働く唯香の元に、
ある時一見不審なお客様が現れる。
- スタッフコメント抜粋
-
読み進めていくうちに甘い物が欲しくなり、読み終えるとほっこりとした気持ちになる、
優しい雰囲気を持つお話だったと思います。
そんな雰囲気を作り出していたのは、ほぼ全ての登場人物が優しいからかもしれません。
また、主人公が自分の仕事に真摯に向き合っていることに、好感が持てました。
そういう態度であるからこそ、良い恋にも出会うことが出来たのかもと思った次第です。
あと、恋愛ものとして考えると、いわゆるお邪魔虫的立ち位置となった、先輩女子社員の存在が
いいアクセントになっていたように感じました。
甘いお菓子に少し塩を加えることによって、より甘さを引き出すのと同様の効果があったと思います。
今後の創作活動を応援しております。
さようなら、あなたへ
- タイトル
- さようなら、あなたへ
- 作者
- 紫乃
- あらすじ抜粋
-
政略結婚で結ばれた、コール夫妻。
その関係に愛はなく、妻 クラウディア が求めるものは存在しない。
夫であるはずのジョセフには、すでに愛した人がいた。
そして起こった事件。残された手紙。妻は何を思っていたのか。
「ごめんなさい、愛せません」
- スタッフコメント抜粋
-
生と死の持つ儚さ、美しさを凝縮したような作品です。
中世欧州を思わせるような雰囲気の中からは貴族生活の華やかさと
現代でも通じる感情のすれ違いをテーマにしているため、読み手としても全体像が理解しやすかったです。
また本編を短くまとめた上で別視点からの物語を追加するという手法も
描きたいものがぶれずにまとめられており、上手いと感じました。
花など艶やかさが全体的な空気感を支配している一方で、
妻の死から始まるミステリアスな雰囲気が程よく配合されて読みやすい作品でした。
主人公の独白も具体的で説得力があります。今後の創作活動を応援しております。
もふもふ少女、三変化! ~狸少女との恋物語~
- タイトル
- もふもふ少女、三変化! ~狸少女との恋物語~
- 作者
- ナガカタサンゴウ
- あらすじ抜粋
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和樹が恋する一個下の後輩、野代かなみ。
彼女は狸と人間のクォーターだった。
「そんなの関係無い!」
真実を知った和樹はそれでも彼女に恋をする。しかしそんな和樹にはチャンスとピンチが入り乱れ……
狸耳に狸尻尾、可愛い後輩気質の狸ヒロイン、ここに誕生!
- スタッフコメント抜粋
-
カテゴリはファンタジーですが、恋愛とも学園物とも読める面白い作品ですね。
狸と聞くと狡猾なんてイメージがありますが、この少女はそれとは程遠く、可愛らしいものでした。
確かに普通に可愛らしい生き物ですからね。主人公との微妙なほのぼの、
かつもどかしい距離感がたまらなかったです。でも途中に出てきたあの彼は確かに狸でした。
お忙しいとは思いますが無理はせず、余裕が生まれたら執筆に取り組んでみて下さい。
それでは今後の創作活動を応援しております。
悪役令嬢なんてまっぴらです!
- タイトル
- 悪役令嬢なんてまっぴらです!
- 作者
- 七沢ゆきの
- あらすじ抜粋
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名門の血筋と美貌、それに財産を鼻にかけ、「心のない鬼姫」とまで言われたショウエル姫。しかし、それは彼女の本当の姿ではなかった。国を支配する残酷なカームラ王の妃となるための彼女の母の謀略だった。
もともと優しい少女だったショウエルはそれに耐え切れず、忠実な従僕エルリックと城を脱出する。しかし、母の追手の手は長く、その上、彼女には知らされていなかった真実と言うものが彼女を苦しめる。
そして、いくつかの出来事を経て、ついに彼女は決意した。
「わたしはお母様の影じゃない。わたしはわたしの人生を生きたいの」
注:銃と剣と魔法が同居するご都合主義世界です。各キャラの番外編あり。
- スタッフコメント抜粋
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冒頭、主人公が見事に高慢な態度で札束を踏みにじる場面から始まることで、まず興味をひきつけられました。
そして、フレンジーヌを筆頭とした美しくも残虐なキャラクターの言動に、
タイトルから期待していた悪役の美学を充分に楽しむことができました。
心優しいだけではなく、芯の強さを感じさせてくれるショウエルもまた、主人公として魅力的でした。
もう一人のショウエルの存在や、文様の存在など、予想外の展開が好奇心を刺激し、
更に先へと読み進ませる効果を生んでいたと思います。
これから先、どんな結末へ向かっていくのか楽しみです。
市役所妖怪返送担当『怪し課』
- タイトル
- 市役所妖怪返送担当『怪し課』
- 作者
- Win-CL
- あらすじ抜粋
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大学を無事卒業して、地方の役所で公務員として働いていた私。
順調に新社会人として仕事をしていたのに――
年明け早々に部署を変えられてしまう。
配属された先は、妖怪を元の住処へ送り返すという謎めいた部署。
そこにいたのは、方言濃い目の先輩。
先輩に告げられた初仕事の対象は――蜘蛛だった。
- スタッフコメント抜粋
-
「市役所妖怪返送担当『怪し課』」という、いかにも怪しい響きの部署名に、まず興味を惹かれました。
テンポ良く進んでいく文章がとても読みやすかったです。
クスリとさせられる描写が随所に散りばめられていて、中でも、妖怪を見る力の有無が、
まさかの健康診断で判明するという意外さには笑ってしまいました。
そして、挿絵の使い方も含めた鮮やかなラストには、はっとさせられました。
読み終わった後もしばらく余韻に浸ることのできる、気持ちの良い作品だと思います。
ロビン・グッドフェローと金貨の袋
- タイトル
- ロビン・グッドフェローと金貨の袋
- 作者
- キュノ・アウローラ
- あらすじ抜粋
-
ふしぎな魔法がはたらき、人間や妖精、さまざまな動物たちが共に暮らす世界。
ロスコーの森に住むロビン・グッドフェローは、雪が止んだある朝、奇妙な茶色の袋を見つけます。
その中には、金色や銀色に光るまるいものがたくさん入っていましたが、
かれには、それが何なのか分かりませんでした――
- スタッフコメント抜粋
-
ある冬の日の出来事がとてもシンプルに、純粋な気持ちで描かれていると感じました。
文体も読みやすく、台詞や擬音語も素直に表現されていて、雪や冬の森、動物達も生き生きしていますね。
お金でさえも使い方を知らないのならば、そもそもそれは必要の無いもの。
彼らの生活には何の支障もないのですね。
針葉樹の森で出会った男のように、欲望を剥き出しにしてお金にとらわれ、結果、
それの本当の価値を知らないからすに奪われてしまう……何とも滑稽な結末でした。
欲望が身を滅ぼすとはまさにこのことかと、純粋な少年達に教えられました。
執筆お疲れ様でした。今後の創作活動を応援しております。
洋墨(インク)
- タイトル
- 洋墨(インク)
- 作者
- 3103
- あらすじ抜粋
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中学生のアヤナは親友のヒナに【恐怖のおまじない】というサイトに載っていたおまじないを教えてもらい、
好きな男の子と両想いになる為におまじないを試みるが……。
- スタッフコメント抜粋
-
『おまじない』と聞くと、少々眉唾ものではありますが、思春期の少女にとっては人生を左右するほど重大なもの。
……そんな風に感じました。
アヤナの一人称で進められており、アヤナの視点から彼女の心情、身体や心の痛みまでが強く伝わってきます。
親友だと思っていた少女に裏切られた時のアヤナの動揺、怒りはどれほどのものだったのか。
その後のアヤナの境遇を読めば、いつまでも心の傷として残ってしまうのでしょうか。
たった一つのおまじないから始まったのは、人生を左右してしまいそうなほどの『恐怖』だったのですね。
この先アヤナはどうなってしまうのか。
続きを楽しみにしつつ、今後の創作活動を応援しております。
俺の料理~こうして我が家は魔窟になった~
- タイトル
- 俺の料理~こうして我が家は魔窟になった~
- 作者
- 水無月 上総
- あらすじ抜粋
-
「俺はただ料理がしたいだけなのに……」
想いと裏腹に繰り広げられる、謎の怪奇現象。
彼の願いが成就するのはいつの日か……。
- スタッフコメント抜粋
-
『サバは足が速いですからね』
「やかましいわ!」
このシーンでひとしきり笑いました。
ドラゴンの次にこれが来た時は「ドウイウコトナノ?」と思いましたし、上記ツッコミは実に妙です。
『鶏声暁を告げる』これはラストの在り方を示す非常に良い一文だと感じました。
神様と献上品と奇跡のくだりから最後のオチまで、非常に綺麗に纏まって、読了後もニヤリとしてしまいました。
日本独特の言い回しやことわざからの発想が素晴らしいです。
今後の活動応援しております。
もののけ通りのOne night honey
- タイトル
- もののけ通りのOne night honey
- 作者
- 筧 千里
- あらすじ抜粋
-
『One night honey』――それは、この世界と少しだけずれた世界に存在する歓楽街、
『もののけ通り』に存在するお店。
今日もお店には様々な妖怪たちがやって来ます――妖怪たちの利用するキャバクラで、
今日も新人キャストのマキは一生懸命働きます。
- スタッフコメント抜粋
-
お話のテンポがとても読みやすく、最後まで一気に読み進めてしまうほどでした。
主人公が人間で、妖怪たちがやってくるお店が舞台ということで、
まずその違いによるずれが面白さの一つになっていたと思います。
また一口に妖怪といっても様々な種族が存在する訳で、その種族による個性もお話の面白さを強めていたと感じました。
このお話は、一話ごとに一つのエピソードが完結している訳ですが、先のエピソードでの出来事が
後のエピソードにも活かされたりしていて、各エピソードの繋がりが感じられて良かったです。
あと、ちょうど十話で完結していて、各話のタイトルが数え歌のように見えるのも面白いなと感じました。
とても楽しいお話でした。
今後の創作活動を応援しております。
昭一と、大人になりたい“ホタル”のひと夏
- タイトル
- 昭一と、大人になりたい“ホタル”のひと夏
- 作者
- しらたま紅葉
- あらすじ抜粋
-
今や語る者さえいなくなったが、かつてこの田舎には、
夏の蛍とともに現れる“ホタル”という存在がいた。
姿形は人間の子供のそれで、妖怪や妖精の類とされている。
ひと夏だけの友人として、“ホタル”は人間たちに混じっていたという。
夏休み。坊主頭の小学生昭一は、河原で見知らぬ少年と出会う。
茶色い髪に深緑の目。どう見ても日本人離れした容姿の少年は自身を“ホタル”と称し、
小さな蛍たちと夜の闇を照らす。
自らも、淡い光を発しながら。
「ハルコがね、ぼくを大人にしてくれるんだって!」
“ホタル”と約束をしたという中学生の春子はしかし、風邪を引いたため現れない。
「しゃーねーなあ……。一緒にお見舞い、連れてってやるよ」
これが、昭一と“ホタル”の夏の始まりだった。
- スタッフコメント抜粋
-
古き良き時代を舞台にした素朴で心温まる物語でした。
人間と心を通わせて「大人」になる”ホタル”という存在が、とても儚げで美しく印象的です。
ホタルと初めて出会った時の昭一の困惑や、否定し難くなっていく感覚などの心理描写も素朴で素直ですね。
春子の急逝が与えた喪失感、それがホタルに与えた影響が切なく、強く伝わってきました。
春子から”ホタル”を託された昭一の想いは、長い年月を経て奇跡を起こす。
さらに長い時を経て、河原の「ホタル」と毎年のような言葉を交わす、最後のシーンはとても温かなものでした。
素敵な物語、執筆お疲れ様でした。今後の創作活動を応援しております。
はいかい!
- タイトル
- はいかい!
- 作者
- 不覚たん
- あらすじ抜粋
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「せっちゃん! はいかいしよっ!」
幼馴染の八十村きらりから執拗な勧誘を受けた各務刹那は、その押しの強さに負け、渋々はいかい部へ向かった。
ひっそりとした和室。そこには月をこよなく愛する少女――ガチレズの紺野が待ち受けていた。
はいかいとはなにか。そんなシンプルな謎も解けぬまま、やや遅れてやってきた眼鏡っ子の提案で、
唐突にはいかいが始まることに。
刹那は実際にはいかいを体験してみて、すぐさまその魅力に取り憑かれた。
はいかいは最高だ。女房を質に入れてでもやる価値がある。
かくしてはいかい部での活動が始まり、刹那は徐々にではあるがその腕を磨いていった。
転機は秋の文化祭。突如現れたライバルたちの宣戦布告を受け、部室を賭けたはいかいバトルに発展。
よく分からない理由でダウンした顧問を無視し、戦闘は継続された。
一進一退の攻防。
刹那たちはいかい部員は、部室を守るため、自らの信じるはいかいをひたすらに実践してゆく。
はいかいは闘争の具であるか、あるいは愛の体現か。
現代のはいかいに、高校生たちが挑む。
- スタッフコメント抜粋
-
平仮名で書かれると、俳諧のイメージも随分変わって聞こえますね。
突然勧誘された刹那も参加して、部のメンバーが次々と句を詠んでいく一連の流れに大変興味を惹かれました。
古い伝統を守るのも良し、新しいものを読むのも良し。全ては己の感性が大事。
そう指導してくれるたまこ先生のキャラも面白いですね。
カルタ部との勝負も、どうなるかドキドキしながら読み進めたのですが、次々と出て来る句や、その意味も面白く、
俳諧について非常に興味を持てる作品でした。
恋仲に発展するまでの刹那ときらりの二人の関係も、とても甘くて素敵だと感じました。
今後の創作活動を応援しております。
Q.隣にいる魔王から5m以上離れないで世界を救うにはどうすればよいか?
- タイトル
- Q.隣にいる魔王から5m以上離れないで世界を救うにはどうすればよいか?
- 作者
- ひいらぎふう
- あらすじ抜粋
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「あれ? おい、お前からこれ以上離れられないんだけど……」
「……え? 嘘うそ! なにこれ、最悪なんだけどっ!!」
人類と魔物の数世代にも渡る大戦は、「勇者」と「魔王」双方が共に封印されることで終止符が打たれた。
名前も忘れられ、伝説上の存在と化していた「勇者」と「魔王」にある日助けを求める声が届く。
1000年の時を経て復活を果たした世界に蔓延っていたのは「天使」なる存在。
和平を結んだ人類と魔族が滅びの道を辿っている事を知った二人は、世界を守るために立ち上がる。
……立ち上がったのは良いが、離れられない!?
ファンタジー世界で、異例のコンビが紡ぐ世界救済の旅――!
- スタッフコメント抜粋
-
好奇心をそそるタイトルに惹かれて読みはじめました。
死闘の末、封印という檻の中で1000年共に過ごした勇者と魔王の複雑な関係性が魅力的です。
一定の距離以上離れられないという設定が、より2人の関係を際立たせていると思います。
そして魔王のミラがとにかく魅力的でした。
寂しがりで、竜の尻尾と小さな八重歯が可愛らしい少女が、
戦闘となると強大な力を発揮するギャップに惹かれました。
これから勇者と、彼から離れることのできない魔王が、「カディンギルの塔」から溢れ出した
天使たちとどう対峙していくのか、今から続きが楽しみです。
今後の創作活動を応援しております。
G.A.T.~花園の乙女たちの憧れる青薔薇の君は、とんでもない人外でした~
- タイトル
- G.A.T.~花園の乙女たちの憧れる青薔薇の君は、とんでもない人外でした~
- 作者
- 天宮暁
- あらすじ抜粋
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地域随一のお嬢様学校セント・フローリア女学園(通称「花園」)に通う「青薔薇の君」深堂院志摩は、
通学の途中で交通事故に出くわし、下級生をとっさにかばったことでトラックに轢かれそうになってしまう。
その時、志摩の体内に休眠していた「何者か」が覚醒した!
どう見ても「触手」にしか見えない「それ」は迫り来るトラックをやすやすと弾き飛ばして志摩を救う。
突如覚醒した触手は「G.A.T.――ぐねぐねとしたアザミ色の触手(テンタクル)」であると名乗り、
自分は宇宙からやってきた知的生命体であると告げたのだった!
- スタッフコメント抜粋
-
お嬢様学校を舞台に繰り広げられたのは、想像を超える物語でした。
宇宙生物との激しいバトルシーンも迫力がありますね。
バトルシーンや触手・ゲルの描写等、全てをお嬢様の言葉のままで進めていくスタイルも個性的で、
志摩の心情描写も正直で面白いです。
『青薔薇の君』たる所以、それは本人だけが気付かないミステリアスな魅力にあるのでしょうね。
宇宙からきた知的生命体同士の確執と、学園での事件、四君の関係性や
志摩の隠れた趣味であるゲームでさえも、一つの物語として良くまとまっていて、
一気に読み進められる面白さでした。
執筆お疲れ様でした。今後の創作活動、応援しております。
牢獄の捕食者
- タイトル
- 牢獄の捕食者
- 作者
- いおり
- あらすじ抜粋
-
その牢獄では誰もが斉しく死を求めていた――
八代将軍吉宗の政によって小伝馬町牢屋敷の囚人の数はもはや千に達そうとしていた時代、
牢屋同心水瀬蒼介は慣例さえ覆し罪人に乞われるがままにその首を刎ねていた。
喜悦の声をあげながら処刑されていく罪人達が最期に呼ぶのは彼らが信じる神の名。
それは蒼介の死んだ父と姉のものだった。
そして死を究極の悦びとする信仰は都すら侵し始める。
享保の改革に挫かれた人々と彼らが生んだ神がもたらす破滅の物語。
- スタッフコメント抜粋
-
よくぞここまで調べ、丁寧に物語を紡いで完結して下さった事を、最初に賞賛させていただきたく思います。
牢屋敷という『箱庭』を舞台に、とても深く濃厚で濃密な物語が繰り広げられています。
紅葉、夕焼け、血、そして贖罪の炎。
非常に鮮やかな赤、朱、紅に彩られ、罪とは、法とは、人とは、神とは、心とは、愛とはと
存在の根源についてどこまでも深く深く掘り下げて描かれています。
養生所(3-6)以降の怒濤の展開は、何度読み返しても圧巻です。
全ての登場人物に役割があり、無駄が無く、そしてどこまでも蒼介と漂が愛おしい作品でした。
長編完結お疲れ様でした。今後の活動応援しております。
紅鼠王と愛しき仇国<
- タイトル
- 紅鼠王と愛しき仇国
- 作者
- 庵
- あらすじ抜粋
-
もしも彼女が武人として生きる、と決めなかったとしたら、違った道があったのだろうか──。
七年前より以前の記憶を持たない主人公、イリス。
ただ感じていたのは強くならねばならない、という強い焦燥感だけだった。
軍に入り戦いに触れるうち、次第に明らかになる郷里の滅亡や母の死、そして仇への憎悪。
それらを胸にイリスは仇国へと渡る。
そこに渦巻くのは狂気と後悔の念ばかり。
君主の支配に喘ぐ仇敵を救えるのは、仇国にその人生を蹂躙された彼女だけ、だった。
仇国で自分の知らない過去の真実に触れた時、彼女が選びとった道とは──。
- スタッフコメント抜粋
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緩急ある構成にグイグイと惹き付けられました。
記憶を無くしたイリスが、軍に入り戦場に身を置く中で徐々に人として、
女性として成長していく姿に好感が持てます。
イリスにとってセスタに『友』と言われた体験は恐らく非常に重要な位置づけになったのでしょうね。
だからこそ、彼女は最後まで『友』と『不義は為さぬ』という誓いを胸に戦い続けたのだと思いました。
『そして大陸大戦へ 8 すべてのはじまり』を読んで、プロローグの場面が色を放ち輝きました。
今、ここでこの場面が! と読み続けたご褒美を貰った気分でした。
長編完結お疲れ様でした。今後の活動応援しております。
俺が、お前たちに会計を教えてやるッ!
- タイトル
- 俺が、お前たちに会計を教えてやるッ!
- 作者
- 井上達也
- あらすじ抜粋
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世間では商業高校は「落ちこぼれが行くところ」や「古い学校」などネガティブな印象が強い。
その世間の認識を変えようとする一人の若者とその高校生たちの青春を描いた青春の記録である。
簿記って?会計って?そもそも商業高校って存在する意味あるの?という
高学歴な高校や大学を目指している中高生に読んでほしい作品です。
また、社会人の方も、会計に興味を持ってくださったり、商業高校を知ってもらえたら、幸いでございます。
これからの世の中は、専門性が強みになると俺は信じてる
- スタッフコメント抜粋
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商業高校を知る身としては、随所に見受けられるあるあるネタに、思わず懐かしい気持ちになりました。
特に、女子生徒が多いという所には、その通りだと大きく頷いたほどです。
お話の内容としては、商業高校での日常および簿記部での活動が中心なのですが、
現実に即してきちんと描かれていると思いました。
簿記検定の実施時期は現実と一致していますし、また簿記部は検定において、
一般の生徒たちよりも一足先に一段上の級を受けていましたので。
その上で、先生側や簿記部の部員視点の他に、一般生徒の視点もあると、商業高校や簿記会計について、
より伝わりやすくなるのではと感じた次第です。
とても楽しく読ませていただきました。
今後の創作活動を応援しております。
アカルイミライ ト ユメノセカイ
- タイトル
- アカルイミライ ト ユメノセカイ
- 作者
- 発酵物体A
- あらすじ抜粋
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主人公はある日、いつものように遅刻し、サボるために訪れた教室で倉敷蘭という人物と出会う。
そしてひょんなことから、そいつの手伝いをすることになった。
そして物語は、主人公の見る夢とともに進んでいく。
夢は絶望の過去。封印した記憶。
それは、失ってしまった家族の絆。 そして『友達』という存在。
その理由を思い出し、乗り越え、再び希望の未来に向かって歩いていく。
- スタッフコメント抜粋
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主人公の感情がストレートに描かれていて、最後まで見守りたい、そう思わせてくれる作品でした。
夢と記憶、現実の描写のバランスも良く、主人公の感情の変化がとても良く伝わってきます。
少しずつ少しずつ、失った記憶を取り戻して、絶望を乗り越えて行く姿が印象的です。
過去の事実を思い出した時の感情は痛い程伝わってきますし、
それを受け入れて乗り越えようとする場面には感動しました。
『家族』の絆、『友達』の存在。
主人公が大切に思っているものが、とても素直で温かく表現されていますね。
心から『おめでとう』と言いたいです。
素敵な作品をありがとうございました。今後の創作活動を応援しております。
エトワール
- タイトル
- エトワール
- 作者
- たびー
- あらすじ抜粋
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おまえは、エトワール(星)をまだ見ていないのだ。
父の言葉の真意を理解したとき、オルグは嫉妬の炎に焼かれた……。
嫉妬と後悔の物語。
- スタッフコメント抜粋
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一人の職人の嫉妬と後悔の物語、心打たれる物語でした。 幼い頃から賞賛を浴び、高値で取引されることが当然だったオルグにとって、ノームへの嫉妬や敗北を味わった事は、
後々の彼の職人としての在り方を見つめ直す良い機会だったと言うべきでしょうか。
父親がずっと言い聞かせていた『謙虚であれ』『誠実であれ』『技にひたむきであれ』。
とても重く、何より大切なものを教わったように感じました。その言葉があるからこそ、誠実に作ること、
研鑽を積んでいくことの大切さをオルグは時間をかけて学んだのでしょう。
オルグの手業は、きっと受け継がれていくのでしょうね。素敵な物語をありがとうございました。
今後の創作活動を応援しております。
書店・オブ・ザ・デッド
- タイトル
- 書店・オブ・ザ・デッド
- 作者
- 野々花子
- あらすじ抜粋
-
本屋がゾンビでさあ大変。
- スタッフコメント抜粋
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書店で発生するゾンビパニック、大変面白かったです。
要所要所に実在する出版社等をもじったネーミングを見つけてクスリとしつつも、同時にリスペクトも感じました。
各キャラクターの個性を最大限に活かし、最後まで疾走感を大事にしてあります。
パニックシーンを丁寧に描写することで、最後のシーンの横谷の感情に強く共感することも出来ました。
本人達には分からない情報を読者側に開示する事で、短編作品として
謎を投げっぱなしにしない工夫も素晴らしいと思います。
今後の活動応援しております。
うわっ…俺達(アンデッド)って弱点多すぎ…?
- タイトル
- うわっ…俺達(アンデッド)って弱点多すぎ…?
- 作者
- 夏川優希
- あらすじ抜粋
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ダンジョンで命を落とした俺は気が付くと幽霊になっていた。
俺の肉体はアンデッドに貪り食われて無惨な姿になっているし、ダンジョンから出ることも叶わない。
しかし俺を殺したはずのアンデッドたちは意外にも愉快な奴ばかりで、
なんとなくダンジョン暮らしにも馴染んでしまった。
今日も俺達は冒険者と殺し合いをする傍ら、食レポにチャレンジしたり健康診断を受けたり
料理を作ってみたりと楽しい日常を繰り広げる!
- スタッフコメント抜粋
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本来は敵であるはずのアンデッド側から見たダンジョンの様子や、
勇者に対する感情などに説得力がありくすりとさせられました。
言葉は話せないが仕草が可愛らしいスケルトンや、空腹時には意思疎通ができなくなるというゾンビちゃん、
その扱いに長けている吸血鬼も含めて、殺伐としたやりとりがありつつもどこか家族のようなあたたかみがあり
微笑ましく感じます。
グロテスクな展開もコミカルな調子で描かれているために悲壮感はなく、
苦労続きのアンデッド達を心から応援したくなりました。
「ダンコン」の冒険者を次々と仕留めていくさまはとても痛快です。
彼らが棲まうダンジョンの益々の繁栄と発展を祈らずにいられません。
今後の創作活動を応援しております。
いつか必ず変わらぬ言葉を
- タイトル
- いつか必ず変わらぬ言葉を
- 作者
- 巴瑞希
- あらすじ抜粋
-
新米【勇者】三人と共に魔王討伐に参加した酒場の店主リューグは、
道中で氷龍の足止めを引き受けそこで命を落とした
……はずだった。
彼が目を覚ますと、なんと見知らぬ世界で赤ん坊になっていた!
生まれ変わってなお約束を果たすため、彼は動き始める。
いつか必ず、果たされると信じて――。
- スタッフコメント抜粋
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「氷龍アルストンは苦悶の唸りを上げた」という書き出しにまず惹き込まれました。
剣と魔法の世界で酒場の店主だった主人公が、転生した世界のカレーやラーメンといった料理に驚き、
時間をかけて学んでいく様子が新鮮でした。
そして、元の世界で共に戦った仲間を探し出す方法にも主人公らしさが溢れていて、
ラストの台詞には心が揺さぶられました。
短編ということを忘れてしまうくらい物語として完成されていて、読み終えた後は、
まるで美味しい料理を食べた時のような余韻がある作品でした。
今後の創作活動を応援しております。
女伯ジャックと海の騎士 - Keukenhof Kroniek -
- タイトル
- 女伯ジャックと海の騎士 - Keukenhof Kroniek -
- 作者
- 辰波ゆう
- あらすじ抜粋
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主人公は辺境ゼーラントの騎士の息子、赤毛のフランク。
彼が出会ってしまった相手は主君の姫君。
男の名前を本名に持ち、幼児のときからフランス王子を婿にしている。
床入りの儀が行われる年、姫は自ら謝肉祭を主催する。夫不在の祝祭には騎馬試合も催され、若者たちは姫を争う。
けれど試合前夜の宴で、仮装の姫はささやいたのだ。フランクの耳元で、必ず勝て、と。
キューケンホフゆかりの姫君ヤコバ・ファン・ベイエレンと、
彼女に翻弄されつついつの間にか成りあがり、善良公の騎士となり提督となった男の話。
- スタッフコメント抜粋
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海の香りが漂ってきそうな、そんな瑞々しい表現に心躍る作品でした。
史実を元に、フランクとジャック、2人の時代に翻弄され、様々な人の思惑に振り回されながらも、
誇り高く愛を貫こうとしたお話でした。
登場人物の書き分けも非常に丁寧で、『写本絵師』『司教さま』など久しぶりの登場の時には
必ずその特徴を入れてある為、思い出しやすくなっているのが良かったです。
謝肉祭に騎馬試合、一騎打ちなど、当時の様子が見えるような描写も素晴らしいと思いました。
今後の活動応援しております。
神学院高等部の日常~神様、さがします~
- タイトル
- 神学院高等部の日常~神様、さがします~
- 作者
- 未亜
- あらすじ抜粋
-
八百万(やおよろず)の神々が住まう、倭国(わこく)。
その中で超名門の神学院高等部、憧れのその学園に、やっとのことで久遠時(くおんじ)明は入学した。
幼馴染の美少女・紫(ゆかり)はトップクラスの成績なのに、明は下から数えた方が早い劣等性。
配属されたクラスは、落ちこぼれが集まる一年「無」級!?担任教師は十九歳!?
お調子者の能力者や、無口な知性派、異人の紳士と、個性豊かなクラスメイトたちに囲まれ、
遠慮を知らない行動派の明は、どこに行っても騒ぎを引き起こし――?
これはそんな神学院高等部の、日常をつづったお話。
- スタッフコメント抜粋
-
現代日本のようで全く違う世界設定が魅力です。
じわりじわりと引き込まれるように楽しく読ませて頂きました。
久遠時明と紫の関係も面白いですが、登場するクラスメイトや教師の設定がとても個性的で面白いですね。
やはり明の良くも悪くも正直で率直、真っ直ぐな性格が成せる騒動は、読んでいて爽快な気分になります。
外見のイメージを裏切る言動やギャップなど、キャラの魅力を引き立てていると感じました。
弓道部見学での明の行動……烏丸副部長の心の澱を解き放つような、一連のやり取りが印象的です。
よろず部部員となった明達の今後の活躍が楽しみです。
これからも、創作活動を応援しております。
世界ヲ背ニ拳ヲ放テ ~UCA-異能犯罪対策隊~
- タイトル
- 世界ヲ背ニ拳ヲ放テ ~UCA-異能犯罪対策隊~
- 作者
- オンジ(仮)
- あらすじ抜粋
-
特殊な力(異能)を持つものが人口の40%ほどを占める現代。
異能を持つ者は、異能者と呼ばれた。
異能を日常生活に役立てるものや仕事に使うものなどもいたが犯罪に手を染めるものも多く存在していた。
政府は、異能に関する法律(異能法)と異能者犯罪に対処するための組織異能犯罪対策隊(通称UCA)を設立。
隊員の多くを異能者に対処するため異能者で構成。
数年後、ある一人の異能犯罪者がUCA隊員を大量に殺戮する事件が発生。
しかしながらなんとか事態を終息したUCAは安定期に突入していた。
そして十数年後。UCAは、突如出現した異能犯罪集団 REVOLuZ(レヴォルズ)に頭を悩ませていた。
「弱肉強食。これがこの世界の全て……」
- スタッフコメント抜粋
-
なかなかに骨太でハードボイルドな雰囲気を加味した現代風異能バトル作品。
『非常に強い誰か』をメインに物語を進めるのでは無く、組織として戦う姿をメインに持って来て、
その中で個々の魅力を引き出そうとしている作風に好感を持ちました。
名前も異能と結びつけて考えられているそのセンスが良いと思います。
戦闘力としては弱い羊仔ちゃんの“オタク”趣味な部分含めて可愛らしくて大好きです。
資料として設定部分も纏めてある為、今後更にこちらも充実して来るだろうと思うと楽しみです。
今後の活動応援しております。
焔光のセルキュエーユ
- タイトル
- 焔光のセルキュエーユ
- 作者
- 蓬城ルイ
- あらすじ抜粋
-
魔物は封印すると、“魔石”になる。それも、美しい宝石のように。
──ああ、なんて素晴らしいのだろう! あの輝きは、まさに命の灯火。主よ、感謝します!
聖導協会直属の封魔師クロイツ=ラグナヴェルクは、愛しの魔石蒐集物を眺めながら、感嘆の息を吐いた。
性別や年齢、種族、魔力量。その全てによって、魔石は色も形も違う。
ひとつとして同じものは存在しない。
──さあ、今度はどの魔物を封印しようか?
新たな魔石を蒐集すべく、彼は今日も街を駆けていく!
羽根付き悪魔に、夢魔に、淫魔!?
変態封魔師と美少女悪魔の戦闘アクションストーリーの火蓋が切って落とされた!
- スタッフコメント抜粋
-
戦って美しい宝石のような魔石を集めるというストーリーは魅力的で、
あらすじを読んだだけで惹きつけられました。
「魔石は、魔物によって異なり、同じ種類の魔物であっても、色も形も違う」という設定も、
コレクター心を刺激する素晴らしいものだと思います。
また、魔石に魅入られた主人公、クロイツのキャラクターが突き抜けていて、
詩的で変態的な言葉のひとつひとつに笑ってしまいました。
白い鳩とのかけあいもテンポが良く、楽しく読めます。
次はどんな魔物が封印され、どんな魔石が現れるのか、今から続きが楽しみです。
今後の創作活動を応援しております。
物語の裏側で
- タイトル
- 物語の裏側で
- 作者
- ティラナ
- あらすじ抜粋
-
前世の記憶を残したまま異世界に転生した主人公、レオナルドは街で本屋を営んでいた。
そんなある日、レオナルドは道で倒れていたいかにも訳ありな美少女、ミリーを助ける。
その少女は主人公の暮らす国───ウォンダランド王国の公爵家の長女だった。
しかし、無実の罪を着せられて王都から追い出されてしまったらしい。
転生主人公と悪役に仕立て上げられた元公爵令嬢が様々な障害を乗り越えつつ幸せを手に入れていくお話です。
- スタッフコメント抜粋
-
前世の記憶を持って異世界に転生したレオナルドと、無実の罪で
王都を追われた貴族の娘ミリーとの恋物語。
レオが営んでいる本屋を中心として進む物語は、ほのぼのとした雰囲気でほっとします。
町の住人達も人情味があり、レオとミリーを温かく祝福してくれる場面ではこちらも嬉しくなりました。
優しいレオの愛に包まれて次第に顔を出すミリーの可愛らしさに、思わず笑みが零れます。
これからの新章で二人のどんな物語が紡がれて行くのか、とても楽しみにしています。
今後の活動を応援しております。
ごめんね、お兄様!
- タイトル
- ごめんね、お兄様!
- 作者
- かんなぎ
- あらすじ抜粋
-
大好きだった小説に転生したからには、大好きなキャラクターを窮地から救うために東奔西走!
輝かしい人生を送ってもらう為には悪役だって切り伏せて、運命だって捻じ曲げてみせます!
だから幸せになってね、お兄様!
―――でもまあ、ラスボス、私なんですけどね。
- スタッフコメント抜粋
-
踏み込んだ心理描写が素晴らしく、最後まで物語にひきこまれました。
矛盾した感情を抱き、時に選択を間違う主人公に人間らしさを感じます。
また、主人公だけではなく、ケイカやアトラスといった異なる性格の登場人物の心理が
丁寧に描かれていることで、それぞれの視点からストーリーを多角的に楽しめました。
そして、最後まで読むことで、タイトルにある「ごめんね、お兄様」の意味が変わるところが見事です。
完成度の高い作品に仕上がっていると思いました。
今後の創作活動を応援しております。
巨人旅行記
- タイトル
- 巨人旅行記
- 作者
- 霧島樹
- あらすじ抜粋
-
ひょんなことから不思議な真紅の光に導かれ、異世界に転生した二十六歳の男。
身長の低さが原因で死んだ男は真紅の光に『体格に恵まれる』ことを望んだ。
そして前世の記憶を保持していることを幸いと、人生やり直しを図るのだが……
なにやら例の光がやり過ぎたらしく、異常な成長速度を持つに至った男は三歳にして身長三メートル、
肩幅二メートル、胸板から背中までの厚さ一メートルを超える大男になっていた。
この物語は絶大なる力を秘めた男が周囲からバケモノ扱いされたり、
多くの人間に憎悪されたり、勇者ルートを断固として拒否したり、
運命に翻弄されたりしながらも自己中心的に生きる道を模索していく旅の記録である。
- スタッフコメント抜粋
-
転生後の世界で、身長三メートルにまで成長してしまった主人公の
苦労の日々が丁寧に描かれていて、読んでいて応援したい気持ちになりました。
散りばめられたユーモアも楽しく、特に、物語の途中で神器により美少女へと変身した主人公が、
鏡の中の自分に胸を高鳴らせるシーンが楽しかったです。
そして、はた迷惑な少年レオや、彼に仕えるリュイといった登場人物の葛藤が描かれていることで、
その人物に魅力を感じることができました。
今後の創作活動を応援しております。
神学院高等部の日常~神様、さがします~
- タイトル
- 神学院高等部の日常~神様、さがします~
- 作者
- 未亜
- あらすじ抜粋
-
八百万(やおよろず)の神々が住まう、倭国(わこく)。
その中で超名門の神学院高等部、憧れのその学園に、やっとのことで久遠時(くおんじ)明は入学した。
幼馴染の美少女・紫(ゆかり)はトップクラスの成績なのに、明は下から数えた方が早い劣等性。
配属されたクラスは、落ちこぼれが集まる一年「無」級!?担任教師は十九歳!?
お調子者の能力者や、無口な知性派、異人の紳士と、個性豊かなクラスメイトたちに囲まれ、
遠慮を知らない行動派の明は、どこに行っても騒ぎを引き起こし――?
これはそんな神学院高等部の、日常をつづったお話。
- スタッフコメント抜粋
-
現代日本のようで全く違う世界設定が魅力です。じわりじわりと引き込まれるように楽しく読ませて頂きました。
久遠時明と紫の関係も面白いですが、登場するクラスメイトや教師の設定がとても個性的で面白いですね。
やはり明の良くも悪くも正直で率直、真っ直ぐな性格が成せる騒動は、読んでいて爽快な気分になります。
外見のイメージを裏切る言動やギャップなど、キャラの魅力を引き立てていると感じました。
弓道部見学での明の行動……烏丸副部長の心の澱を解き放つような、一連のやり取りが印象的です。
よろず部部員となった明達の今後の活躍が楽しみです。
これからも、創作活動を応援しております。
スクールウォーズ
- タイトル
- スクールウォーズ
- 作者
- 篠宮雷歌
- あらすじ抜粋
-
私立志貴ヶ丘学園――地域有数のエリート進学校として名を馳せるこの学園には、もう一つの顔があった。
ひょんなことからこの学園に通うこととなった在原望美を待っていたのは、
平穏な学園生活ではなく波乱万丈で壮大な学園行事で……!?
- スタッフコメント抜粋
-
物語の始まりとなった望美の両親の旅立ち(?)から、どんな物語なのか興味を持ちました。
望美の性格も主人公として魅力的で、鈍いのか鋭いのか分からない(真面目故の天然?)言動が引き起こす
ストーリーが回を追うごとに深まって行くのは、読後感も爽快で、ぐいぐいと引き込まれる物語でした。
描写がしっかりしていて、イメージしやすいのも魅力の一つだと思います。
居候先の叔父と湊、新たな友人。少しずつ登場人物が増えて行くという小出しな展開も、続きが楽しみになります。
徐々に明かされて行く『コンクエスト』は勿論、続きが楽しみな作品です。
今後の創作活動を応援しております。
暁が教えてくれたもの。
- タイトル
- 暁が教えてくれたもの。
- 作者
- mk-2
- あらすじ抜粋
-
他者との接触を極端に拒む少年、真人(まさと)。
転校した学校で彼は病弱な少年、宝(たから)と出逢い、変わっていく――――
心に傷を負った少年の心の風景『黄昏空』がやがて『暁空』へと変わっていくまでの物語。
中学生の少年少女の出逢いと交流のおはなし。その第一巻です。
- スタッフコメント抜粋
-
どちらかが一方的に変わるのではなく、互いに支え合い、本当に信頼できる関係になっていく。
その過程が『黄昏』から『暁』へと変わる色と共に描かれていて、とても繊細で美しい物語ですね。
短くも充実した中学生という時間の中で、心に傷を持った少年たちが徐々に前に進んでいく姿は、
優しく健気で、時に必死で、その姿は共感を覚えますし、応援したくなります。
それぞれが抱えている『生き辛さ』を、不器用が故の真っ直ぐな言葉で表現されているので、
読者の心に訴えかけるものがあるのだと感じました。
心温まる、希望を与える素敵な作品をありがとうございました。
今後の創作活動を応援しております。
オーランド・バルシュテインの改心
- タイトル
- オーランド・バルシュテインの改心
- 作者
- 真川紅美
- あらすじ抜粋
-
武家として名を連ねる伯爵嫡男の生まれながらも、その位から遠ざけられていたオーランド。
彼は戦争での手柄によって、国王陛下の覚えもめでたくなり、次々と昇格、
そして、将軍位である准将まで上り詰めていた。
しかし、そんなオーランドの特技は医術や読心。
特にそれを生かすこともなく、平和になった国の中で、ただ、必要最低限の書類仕事にいそしんでいた――。
突然の毒殺未遂から崩れる平穏な毎日。
心当たりのないなか、オーランドの周りの人間を巻き込み、魔の手が忍び寄る。
- スタッフコメント抜粋
-
最初、タイトルに惹かれて読み始めましたが物語のテンポが良く、
飽きることなく最後まで一気に読み進められました。
言葉の使い方も細部まで気が配られ読みやすく、物語の世界にすんなり入り込むことができました。
そして、タイトルにもなっている主人公オーランドと彼を取り巻く他のキャラクター達はみな個性豊かで、
特に会話シーンは彼らの性格や魅力が最大限に生かされ、心が踊りました。
後半シャナが主人公になるとそれまでと違い一転ほんのりとした恋愛模様で、思わず笑みが零れました。
作者様の今後の活動を応援しております。
レベル99の女勇者になったけどこれ何てバグ?
- タイトル
- レベル99の女勇者になったけどこれ何てバグ?
- 作者
- TAM-TAM
- あらすじ抜粋
-
ゲーム好き大学生の勇一は、ふとしたことから
人気ゲーム『Labyrinths and Dragons』(通称ラビドラ)の世界に入り込んでしまう。
それも実装されたばかりの女勇者の姿になっていて、しかも何故かレベル99の最強データだった!
女勇者“ユウ”としてレベル99のスペックとゲーム知識を活かして序盤を順調に進めていくが、
とある「負けイベント」の中ボスを倒してしまったことからシナリオが徐々に本来の流れから外れて行き……
- スタッフコメント抜粋
-
最高レベルのスペックを持ちながらも、とても謙虚な勇者が可愛らしいですね。
仲間達との会話やイベントの展開もテンポが良く、世界に引き込まれました。
仲間や他のキャラクター達も、職業やスキルが個性として確立し、とても魅力的で、
掛け合いやバトルシーンも勢いがあって爽快ですね。
様々な不具合の連鎖、それを解決しながら進んで行く過程、それを知っているからこその対応の仕方も、
一つ一つが『成る程』と思える展開。客観的に見るゲームと、体験する冒険憚が上手く合わさっていて、
最後までワクワクしながら読み進められました。
素敵な冒険物語の執筆お疲れ様でした。今後の創作活動を応援しております。
栗花落 和心の猫ヶ島交響詩
- タイトル
- 栗花落 和心の猫ヶ島交響詩
- 作者
- 栗花落
- あらすじ抜粋
-
オレにはめっちゃくちゃ可愛い彼女がいる。名前は栗花落和心〈つゆり わこ〉。
和心は他の人とはちょっと違って猫?の血を受け継ぐ半妖だ。
かく言うオレも完全に人間とは言い難い存在。
そんなオレと和心の周りには変なのばっかり集まって来る。
淫乱魔王や重度のシスコン、スタンダードな変態、記憶喪失軍人とさまざまだ。
そんな愉快な仲間と緩く、時に真面目なノット異世界ファンタジー。
これは破壊までの序章──そして紡がれる交響詩。
- スタッフコメント抜粋
-
燐が可愛いと連呼する彼女、和心の性格や行動が様々な角度から描かれていて、
燐の言う可愛さに納得することが出来ました。
綿あめみたいな純白の髪と蒼い瞳という外見はもちろん、謎めいた寝言を呟く様子や、
燐の服を掴んで猫のようにモミモミする様子がとても可愛らしかったです。
また、ベビードールの似合う淫乱な魔王、アモも愛らしく、
彼女の作る玉子焼きが美味しいというエピソードには、心地良いギャップを感じることができました。
彼女たちを始めとした愉快で魅力的なキャラクターたちが織りなす物語の続きが楽しみです。
今後の創作活動を応援しております。
アマレットの庭
- タイトル
- アマレットの庭
- 作者
- はしもと
- あらすじ抜粋
-
「切れたんじゃないよ。切ったの自分で」
いじめの標的にされていた女子高生の千恵は、自宅のリビングで腕を切っていた。
それを父親の俊郎が見つけ問いただすと、「ごめんね。もう死にたいんだ」と力なく笑った。
どこにでもあるようないじめを毎日受けていた。もうダメだと何度も思った。
それでも千恵は周りの人々に支えられて少しずつ自分の居場所を探していく。
自分がそこで笑っていてもいい居場所を守るために、いじめに立ち向かっていく。
- スタッフコメント抜粋
-
主人公の心の成長が、とても素直に表現されていて、心に響く作品でした。
思春期の娘と父親の関係も、辛い現実がきっかけではありますが、それを境に少しずつ良い方に変わっていく。
学校でも、ちゃんと自分のことを見ていてくれた存在があり、頼もしく思えました。彼の一言はとても印象的です。
すぐに解決する問題でもなく、時間がかかることを丁寧に描かれていますね。
辛さを打ち明けた時のやりきれない気持ちや、支えられていると感じた時の温かさ、
様々な感情が豊かに表現されていて、何かに立ち向かう勇気や優しさを貰いました。
素敵な作品をありがとうございました。今後の創作活動を応援しております。
きみのその手はやさしい手
- タイトル
- きみのその手はやさしい手
- 作者
- 芦屋めがね
- あらすじ抜粋
-
――私立天乃原学園に入学しなさい。
元同級生である当真瞳子に高校編入を命令された主人公、御村優之助(二十一歳)。
バイト先を辞めさせられ、大学も休学扱いになり退路を断たれた彼は命令を受け入れ、
二度目の高校生活を送る事になる――離れて暮らす双子の妹の同級生として。
この物語は『優しい手』と呼ばれる異能を操る御村優之助が高校生活を謳歌――する事なく、
様々な思惑に巻き込まれていく話である。
- スタッフコメント抜粋
-
同級生であり、身近な友人であり、敵。人間関係が織り成す予想もつかない展開に引き込まれます。
『高等部に潜入する』ことの目的が最初から明確ではなく、
徐々に明かされていくストーリー展開と伏線に目が離せませんね。
当真家や天乃宮家、その他物語の根幹部分の設定にも説得力があり、読み応えもあります。
物語の視点が変わることで、語り手となっているキャラクターの心境や置かれている状況が分かりやすく、
人物の相関図もイメージしやすいですね。
『優しい手』は、彼自身の目的を果たすことができるのか、
今後の展開を楽しみにすると共に、創作活動を応援しております。
君と一夜の逃避行
- タイトル
- 君と一夜の逃避行
- 作者
- 天川 七
- あらすじ抜粋
-
岡本由紀はクラスメイトに肝試しの誘いを受けて、断れずに了承してしまう。そんな時、気後れする由紀を見て、助けるようにメンバー入ってくれる男の子がいた。彼、小林慎太は、由紀にとって特別な人だった。閉じ込められた屋敷の中を二人は手を取り合って逃げていく。奴等に見つからないように……。
- スタッフコメント抜粋
-
ちょっと早い肝試しに誘われ、断り切れずに行く事になった由紀とクラスメイト達の話しですが、そこに参加せざるを得なくなった理由付けが丁寧だと感じました。
人物の動きが追いやすかったので、もう少し肉付けして、出来れば夜が明ける瞬間まで描いて欲しいかった、と欲が出るほどに引き込まれて読む事が出来ました。
慎太君がミステリアスで格好良かった分、ラストは大変切なかったです。数珠……もう少し初期からチラ見せして欲しいアイテムだったと感じました。
今後の活動応援しております。
魔刀の反逆者―最強と謳われた男の復讐譚―
- タイトル
- 魔刀の反逆者―最強と謳われた男の復讐譚―
- 作者
- 黒峰唯人
- あらすじ抜粋
-
帝国最強の男、ラクサーシャ・オル・リィンスレイ将軍。
彼が刀を振るえば天が裂け、魔法を放てば大地を揺るがす。
戦場で猛威を振るう彼は、他国から魔刀の悪魔と畏怖されていた。
ある時、将軍の娘が忠義を尽くしたはずの皇帝によって殺されてしまう。
それも、命を冒涜するような酷く残虐な方法で。
そこでラクサーシャは気付く。自分の知らぬ間に祖国が狂っていたことに。
最愛の娘を奪われた将軍の復讐劇が始まる。
- スタッフコメント抜粋
-
主人公最強系と言われる作品の中でも、異色を放っている逸品。
長編ですが、一気に読ませるだけの自力のある作品です。
国内外でも『魔刀の悪魔』と恐れられる程の実力者である主人公の苦悩と葛藤、
そして復讐を通して『信念』の在り方、強いては己の存在価値と罪と罰に焦点を当てて
その軸をぶらさずによく描いています。
脇を固めるキャラクターたちもそれぞれに好敵手となる相手がおり、徐々に人外メンバーが増える中、
『人として』悩み成長していく姿には好感が持てました。
今後の活動応援しております。
深煎りの魔女とカフェ・アルトの客人たち
- タイトル
- 深煎りの魔女とカフェ・アルトの客人たち
- 作者
- くろひつじ
- あらすじ抜粋
-
一見したところ学生を思わせる、チェックのスカートにダークブラウンのカーディガン。
そしてシャツを引き締める赤いネクタイ、朱染めのエプロンに紅茶色の髪と瞳が、彼女を見る者の目を捉える。
彼女の名はアルマ。
イギリスはロンドンのブルームズベリーに店を構える『カフェ・アルト』のオーナーにしてマスターである彼女を、
訪れる客たちは親しみを込めて『深煎りの魔女』と呼ぶ。
並々ならぬこだわりで淹れられる彼女の珈琲に入れ込む客は数知れず、上品で気の利いた焼き菓子は
紳士淑女を魅了してやまない。
これは『カフェ・アルト』を訪れる客人たちの、ほのかに苦くてほろ甘いオムニバスストーリー。
- スタッフコメント抜粋
-
行間から珈琲の深い香りが漂ってくるような作品でした。
それは細部に至るまで書き込まれた描写が、丁寧に重ねられることによって生まれた効果だと思います。
また、『無口な』アンディや、アメリカ帰りのジョージといった、年齢も性格も様々な登場人物が
いきいきと描かれていて、彼らの暮らすロンドンの街角の光景が目に浮かんでくるようでした。
カフェ・アルトを中心として描かれる物語はあたたかく、中でも、配達少年のトムに披露された優しい魔法と、
鍵の代替わりと合わせたように現れた赤毛の少女のお話が、読み終えた後も心に残りました。
今後の創作活動を応援しております。
7日目神は休んだ
- タイトル
- 7日目神は休んだ
- 作者
- 彼岸 明
- あらすじ抜粋
-
何を隠そう俺は天地創造の神である。
日夜人類文明の発達と世界平和の為に絶え間ぬ努力を行っているのだ。
なに?どんな世界を創造しているのかって?
そりゃぁ、俺の素晴らしい創造主センスにかかれば、ユートピア・桃源郷の様な
夢の楽園である事を保証しよう。
お前が望むなら、この世界に生み出してやってもいい。なぁに、感謝の印に存分に
崇め奉っていいぞ。遠慮する事はない。まぁ、まだ見習いなんだが、それは些細な事だ。
あぁ、それと。1話までは本編とも関係あるが、プロローグ的な内容だ。
俺の威厳ある姿を拝みたかったら、ぜひ2話までは我慢して読んで頂きたい。
なんでこんな事まで知ってるかって、勿論神だからさ。
- スタッフコメント抜粋
-
まず、あらすじの書き方に興味を惹かれました。
好きな順番に読むという方法にも後ろ髪を引かれつつ、結局は01~順番に読ませていただきましたが、
なるほど、これは全て読み終わった後にもう一回読み返したくなります。
主人公が神視点ならば、読者は母親視点もしくは悪友視点から主人公を見守っているような気持ちでした。
酷い煩悩炸裂っぷりを発揮しながらも、見事に計算外の大失敗に終わっていく姿にクスリとしつつ、
不思議と応援したくなる魅力に溢れていました。
今後の活動応援しております。
愛しの魔王さま
- タイトル
- 愛しの魔王さま
- 作者
- 雪人形
- あらすじ抜粋
-
今日の夜には勇者達が到着すると知らせが入った。ああ、なら、今晩は城の側の洞穴で休むのだろう。
私との決戦の為に。
- スタッフコメント抜粋
-
魔王側から見た人間という視点も面白かったのですが、後半部分の勇者側から魔王を見た視点を見て、
良い意味で見事に裏切られました。これは、想定外。
前半の丁寧な構成とほのぼのとした執事とメイドと魔王とのやりとりが優しい雰囲気で語られている分、
後半の不気味さと恐怖感が良く引き立てられていて、ジャンルをホラーに移しても十分映える作品だと思います。
作者様はクトゥルフ好きなのかしら? と思いつつ、勇者から見た魔王の姿の描写も素晴らしかったです。
今後の活動応援しております。
片翼の竜(連載版)
- タイトル
- 片翼の竜(連載版)
- 作者
- もやしいため
- あらすじ抜粋
-
ある辺境にある灼熱の火山に、永きに渡り棲まう飛ばない竜が居た。
悪しき竜が現れればその竜を退治し、力を求めれば強さを授ける。
人はその竜を神と称え敬った。
今日も平穏な火山と共に慈悲深く人を見守る。
そして竜神を敬う人々は山道を行く。
優しさと強さの象徴である神の竜に、未だ一度すらの敗北は無い。
- スタッフコメント抜粋
-
名を持たない竜の出生からの出来事が淡々と語られていますが、
何を感じどう思ったのか、素直な感情が伝わってきます。
勇者との戦いや、彼と会話し行動を共にするに至った経緯にはゾクゾクさせられました。
彼女(竜神)が持つ人間の社会に対する違和感のようなものまで、その心情に合わせて描写されているので、
世界観にすんなり入り込める作品です。己に素直な竜神に愛おしささえも感じます。
描写の目線が登場人物ごとに切り替わる作風も、そのキャラの立場や台詞、心情が上手く表現されていて、
世界感が深まり、キャラクターの魅力が伝わりますね。
物語の続きを楽しみにすると共に、今後の創作活動を応援しております。
ヴィエド・ゴ二ャの孵(たまご)
- タイトル
- ヴィエド・ゴ二ャの孵(たまご)
- 作者
- あいら
- あらすじ抜粋
-
アンデスの山郷ではこどもが干涸らびる怪異がつづいていた。
ある夜「身体は空いているかね?」と夢で質されたクリスが恐怖で飛び起きると、義姉が死んでいた。
孤児院へもどったクリスの命を救ったのは南からきた神父だった。
「誇り高くありなさい。」
そこからすべてが始まった。
ーーー『ウィェドゴニャ』クリスと、育ての親代わりゴンザロフとの、出会いの昔はなし。
- スタッフコメント抜粋
-
「ヴィ エド ゴ 二ャ」という聞きなれない言葉の響きが美しく、魅了されました。
甘く危険な言葉をささやく灰色の髪の男や、意外と口の悪いグレゴリゥス神父など、
登場人物のキャラクターが明確に立っているため楽しく読めました。
特にヨハネス15世について表向きは美麗字句を並べつつ、内心で悪口雑言の限りをつくすグレゴリゥスには
笑ってしまいました。
まだ6歳という幼さで大変な運命を背負ってしまったクリスがどんな大人になるのか、
グレゴリゥス神父とヨハネス15世の次の対面はどんなものになるのか、続きを読みたくなる物語でした。
今後の創作活動を応援しております。
僕は骨が好きだ。大好きだ。
- タイトル
- 僕は骨が好きだ。大好きだ。
- 作者
- まいまい?
- あらすじ抜粋
-
僕は骨が好きだ。
世界が変わってもそれだけは変わらない。対象が魔物(主にスケルトン)になっただけである。
たとえ何が起ころうとも、僕は骨のことだけを考える。
そう、僕は何よりも骨が好きなのだ。
この世界に来て、僕は一つの魔法を覚えた。それは骨に命を吹き込む魔法。
最初はフライドチキンの骨に、そして、魔物や人間(獣人)の骨に魔法をかけた。
様々な骨に囲まれた骨のハーレムを築きつつあった。
- スタッフコメント抜粋
-
骨に魅力を感じる主人公という設定に興味を掻き立てられ読み始めました。
主人公の独特な価値観を通して見る世界は新鮮で、最後まで目を離せませんでした。
フライドチキンの骨から、ぷるんぷるんなブロブの骨、果てはドラゴンの骨まで、
主人公の関わる骨たちは少し不気味だけれども可愛らしく、不思議な愛着を感じさせてくれます。
世界の新たな均衡を作り出すラストを読み終えた後は、骨好きの人間に作り変えられてしまった気がします。
異界を覗くというファンタジーの醍醐味を味わる、素晴らしい作品でした。
自殺プランナー
- タイトル
- 自殺プランナー
- 作者
- うわの空
- あらすじ
-
他人の自殺を幇助することを生業とする人間、自殺プランナー。
その仕事は主に、「自殺方法の伝授・計画」「自殺に必要なものの準備」
「お客様の死を見届ける」「死後、警察に匿名で連絡をする」の四点である。
無気力感から自殺を考えていた『私』は、自殺サイトのチャットで『イザナミ』と名乗る自殺プランナーと出会う。
「あなたが本当に死にたくて、けれど死に方が分からなくて困ってるのなら私はそれを助けることができる。
――私のお客様になる?」
こうして『私』は自殺のプロ、イザナミとともに、各自殺方法について考察していく――。
- スタッフコメント抜粋
-
あらすじから感じるファンタジーの気配と、それに伴うふわふわとした第一印象を裏切り、
地に足のついた実際的な結末ですっきりした読後感でした。
人生賛歌といえば言いすぎかもしれませんが、嘘にまみれた結末は非常に好感が持てます。
生きていく動機も目的も日々の行動でいつのまにか出来ていく、それが一番大事であり
誰もが忘れやすいことなのだと、流される日々への気づきもありました。
また、よく構成がまとまっておりテーマを良く支えていました。
感性もそうですが技術も一朝一夕に身につくものではありませんので、大切にしてほしいと思います。
今後の創作活動を応援しております。
Monochrome story
- タイトル
- Monochrome story
- 作者
- 吉田語部
- あらすじ
-
二人の子供と一人の画家の織り成す無彩色のお話。
- スタッフコメント抜粋
-
とても静かな、重みのある作品という印象を受けました。
無彩色のお話の中で、白い少女と黒い少年が出会い、彼らの色が混じる。
物語のラストでは、その色が広がっていく未来が待っているように思いました。
色と心を重ね合わせて語ってくれる画家の存在も、印象的です。
自らを無色透明な水に例えるのも頷ける程、彼はまさにその役割を全うしていました。
家族を失うという絶望を同じように経験しているのに、片方は白く、片方は黒い。
それぞれの過去の受け止め方と人との関わり方の違いでこれほど変わるものかと、『心』の表現に感動致しました。
素敵な作品をありがとうございました。今後の創作活動を応援しております。
剣脚商売 ~現代美脚ストッキング剣豪譚~
- タイトル
- 剣脚商売 ~現代美脚ストッキング剣豪譚~
- 作者
- 一石楠耳
- あらすじ
-
この物語は、剣脚(けんきゃく)と呼ばれる美脚たちが、脚打ち鳴らし戦い続ける、群雄割拠冒険脚劇である。
「これより、剣脚商売を始める!!」
戦後!
女性とストッキングは強くなったと言われている!
恐るべきはこの二つが組み合わさったとき、生まれるもの!
そう、それは、果てしなき美脚!
美しい脚は美しいほどに輝きと鋭さを増し、まさに刀剣の如き切れ味と破壊力を伴うことは、周知の事実なのだ!
種種雑多の履物を履いた美脚が対戦し続ける、バトルラノベ此処にあり。刮目して見届けろ。
- スタッフコメント抜粋
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タイトル通り、美脚とその知識が凝縮された作品ですね。
全てが女性の『美脚』に絡み、闘う女性達の表情よりも脚の描写という徹底ぶり。
主人公の礼賛が商売女というところも面白い設定で、果轟丸君が男らしさを学んでいく(?)。
おでんのつゆやしらたきを欲しがるところや、テンポの良い掛け合いも、
思わず笑ってしまう言葉のセンスがありますね。
後半になるにつれて、シリアス(礼賛達は常に真剣ですが)な展開になっていくのですが、
それでもブレない『美脚』描写……読者へ向けてアツく語っている文面も面白くて一気に読み進めてしまいました。
続きが気になる展開です。今後の創作活動を応援しております。
愚裏夢奇譚 -笛吹きたちへ贈る葬送曲-
- タイトル
- 愚裏夢奇譚 -笛吹きたちへ贈る葬送曲-
- 作者
- 田井ノエル
- あらすじ
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これは13世紀ハーメルンの街を舞台に織り成す愛憎と復讐の物語。魔法の笛と、魔性の復讐者が奏でる音色は、
静かに激しく燃える。
――グリム童話とドイツ史をベースに織り成す、ダークファンタジー!
グリム兄弟による童話集の成立は19世紀。各地に点在した民話や民謡、伝承を編纂し、
児童向けとして出版された作品集が、いわゆる現在のグリム童話。
では、基になる伝承を語りはじめたのは、誰なのか。
ここに語られる物語は虚構かもしれないし、真実かもしれない。
- スタッフコメント抜粋
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実際に世に出回っているグリム童話と歴史上の出来事とされる事件、そして作者様の想像力が織り成す物語ですね。
『復讐』が中心にあると思うのですが、それぞれに理由があり、同じ感情ではないことが、
登場人物を介して伝わってきます。
ストーリーを通して、登場人物たちの関わりがとても分かりやすく繋がっているので、誰が何を想い、
どんな気持ちで『復讐』に手を染めて行くのか、その過程から切なくも強い想いを感じられます。
愛故の憎しみを貫いたアッシェ、神への信仰を捨てた神父など、誰もがとても強くて優しい、
何故かそう思える作品です。
今後の創作活動を応援しております。
テンタクル・プリンセス-或いは、特異触手個体のこと
- タイトル
- テンタクル・プリンセス-或いは、特異触手個体のこと
- 作者
- にゃー
- あらすじ
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ひょんなことから自我が芽生えた触手(♀)が、「知りたい」という欲求に従い旅に出る。
彼女はその旅の末に、何を見つけるのか―…ていう建前のもと触手娘が百合百合したり、うねうねしたり、
(常人には不可能なレベルで)くんずほぐれつしたりするなんちゃって百合ファンタジーです。
- スタッフコメント抜粋
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触手と百合という題材で、ここまで爽やかに可愛らしく書けるものなのかと驚かされる作品でした。
正直なところ、最初は触手というものに少し抵抗があったのですが、まず触手にオスとメスがあることが面白く、
更に触手がメスと分かると可愛らしく思えてきました。
家族に疑われるセレナをかばうなど、正直で優しい性格にも好感が持てます。
また、本来の意味を外して散りばめられた「もぅ、せっかちなんだから…」、「くっ……!殺せ!!」といった
セリフにニヤリとさせられました。
読んでいて、これからどんどん面白くなっていく予感がありました。今後の創作活動を応援しております。
殺戮機械の英雄譚
- タイトル
- 殺戮機械の英雄譚
- 作者
- 網田めい
- あらすじ
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太陽系は、他銀河系とVRW【仮想現実戦争】の真っ只中。
死に際の兵士のひとりが、戦友に言った。
「殺戮機械の英雄がいた」と。
此処では無い何処かで、勇者と魔王が争っている。
それは必然か。勇者は魔王に勝利し、英雄と称えられた。
栄光の影に隠れた、真の英雄が殺戮機械だったのだ、と。
猿の系譜でない生命体の兵士は血を吐き叫ぶ。
人間でないからこそ、人間であるのだ。
人間に憧れ続けた者に、どうか賛美を。
兵士は感情を持たぬ機械が真の英雄なのだと、疑いもせず死んだ。
“殺戮機械の英雄譚”の著者が報われるようにと、最後まで想い続けて。
- スタッフコメント抜粋
-
殺戮機械が主人公という設定に興味を持って読みはじめ、プロローグの熱気に物語の中へとひきこまれました。
仲間のために墓を作る優しさを持つ一方で、人間を残虐に殺戮する魔族。家族や愛する人間を守り戦う一方で、
停止した殺戮機械を溶かして剣や鎧に利用する人間。
立場や見方によって変わりうる複雑な存在に対して、主人公がこれからどんな感情を持ち、
どんな選択をしていくのか興味が尽きません。
また、登場人物と英雄の魂との関わりなど、まだ明かされていない設定や展開が楽しみです。
今後の創作活動を応援しております。
ハイパーキューブ
- タイトル
- ハイパーキューブ
- 作者
- 西木野樹生T
- あらすじ
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主人公、人色蔵人は地球外生命体ビグースの襲撃により父親ジンを連れ去られ、自らも左目を失う。
同じ頃、ゲーム機《HYPER CUBE》の発表記者会見が行われる。このゲームは、プレイヤーの外骨格、筋肉、
脳神経、DNA情報などを即座に解析し、その人の人体データと人生をベースにした最も相応しい特殊能力、
攻撃力呈示数値などを導き出すというもの。
ここに言う人生ベースとはゲーム内のみならずゲーム外での経験値をも意味するという画期的なものであった。
しかも特殊能力はプレイヤーの特性に依存することから、その種類は無限の可能性を持つ。飛行能力、姿を消す能力、
瞬間移動能力、雷を操る能力などβテスターにより確認できただけでも500系統を超えるものだった。
《HYPER CUBE》は、発売されると瞬く間に全世界の全世代で空前の大ヒットを記録し、
伝説のゲーム機と呼ばれるようになった。
《HYPER CUBE》の発売から4年後、蔵人は《HYPER CUBE》が単なるゲーム機でないことに気づく。
《HYPER CUBE》の本当の役割、それはビグースを殲滅するスキル保持者を選別し訓練する装置。
《HYPER CUBE》世界大会は、スキル能力者選別の場。
全てを知った蔵人は、それでもなお《HYPER CUBE》東京予選へと向かう。
最愛の妹・七里のため、父親ジン奪還のために。
だが、それは運命に翻弄される蔵人の終わりの始まりにすぎなかった。
- スタッフコメント抜粋
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まず《HYPER CUBE》というVRMMOゲームの細やかな設定に驚くと共に、その複雑な構造を登場人物のセリフの中に
上手く組み込み、読み手をスムーズに物語の世界に引き込む技術は素晴らしいと感じました。
特に主人公の蔵人は隻眼のハンデを持ち合わせていながら、類い稀なる自身の才能で数々の窮地を脱する様は
読んでいて気持ちの良いものでした。
脇を固める他のキャラクターもみなそれぞれ個性が光り、戦いのシーンではついつい感情移入してしまうほどです。
そして、ゲームの中の戦いはやがて現実の戦いへと流れて行く訳ですが、敵とされる人物も意外な人で驚かされ、
ただの敵キャラではないところに好感が持てました。
今後の活動を応援しております。
ナイトメア・マンション
- タイトル
- ナイトメア・マンション
- 作者
- ひょうたんふくろう
- あらすじ
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ある日いつもどおりに眠った私は、悪夢の一等地に佇む、豪華で古びた威厳のある屋敷──
悪夢『ナイトメア・マンション』へと招かれていた。そこには管理人である人形の少女が一人。
彼女いわく、ここには悲劇の悪夢が入居しているらしい。彼女は私にあるゲームを持ちかけた。
その悲劇の悪夢を追体験し、その悲劇の真相を暴くまでここから出ることが、目覚めることが
できないというゲームだ。
これは、実際に私の身に起こった悪夢を纏めた記録である。
- スタッフコメント抜粋
-
一夜ごとに真相に近づいていく、それはすなわち悲劇へと近づいていくということ。
一般的な推理物では謎がとけると一種の清涼感がありますが、この作品にはそれもなくただバッドエンドがあるのみ。
ハッピーエンドに出来るIFにもたどり着けない。おかしな言葉ですが清清しいまでの後味の悪さが、
この作品の一番の売りでしょう。
完成度が高い悪夢であると感じました。
それでは今後の創作活動を応援しております。
女子剣雪月花
- タイトル
- 女子剣雪月花
- 作者
- 西紀貫之
- あらすじ
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剣道部をクビになった少女、戸田勢花。
亡き祖父の剣術を修めたい少女、辻月旦。ふたりの道が交わったとき、新しい研鑽の 日々が幕を上げる。
剣術部を立ち上げたふたりは練習場である 剣道場の使用権をかけて、剣道部から試合を申し込まれることになった。
これから歩む道のりの先に彼女たちは何を見出すのであろうか。
月旦と勢花はさらなる辻流剣術を研鑽修得するべく、対決を前に新潟の月岡へと赴く。
そこで祖父の妹、天羽小雪と出会い、本格の辻流と、お互いの抱える問題に直面し、解決していくこととなる。
すべてを精算し、清廉な気迫で修行をこなし、果ての剣道部との対決。
女子剣士たちの意地と術理の激突。
女子高生青春剣術物語!
- スタッフコメント抜粋
-
主人公の二人の女子高生が、ほんの偶然から惹き合うようにして剣の道を往く。
それぞれ心に持った想いは違えど、剣に対する想いが(道理の暗い私にも)痛い程に伝わってきます。
迷いの中で互いに支え合い刺激し合いながら答えを出して行く、悩みや葛藤は共感する部分も多く、
また、考えさせられる作品ですね。
師範や先生達も、二人を支え見守るという重要な役割があったのだと思います。
……ハメを外したり楽しそうな所もありましたが。
女子高生という精神的にも不安定な二人の剣士……その揺らぐ心情も繊細に描かれていて、 緊迫する試合では息を呑みました。
最終話の執筆、また、今後の創作活動を応援しております。
航海世界に転生したので後悔しないよう頑張ります
- タイトル
- 航海世界に転生したので後悔しないよう頑張ります
- 作者
- 野郎ども
- あらすじ
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「おめでとう。貴様は転生出来る事となったぞ」
突然自称神様は俺にそう言った。
どうやら俺は交通事故で死んだようだ。まあ前世では名字のせいでいじめられ、
引きこもり&不登校となった俺だからな。清々してるぜ。
ってか転生ってあれっすか? 生まれ変われるんですか? どうやらそうみたいだ。
しかも行く先である異世界は何と……大航海時代。
わくわくしながら転生した俺だったが、いろいろな事件に巻き込まれ、船長になってしまう。
そして必死に生きていくうちに「風使いの剣士」と呼ばれるようになった。
- スタッフコメント抜粋
-
プロローグから引き込まれました。
『転生できる』宣言もその方法も個性的で、思わずニヤけてしまう面白さがあります。
主人公の語り口調で物語が進むのも、こちらに語っているようであり、時折自分の妄想への
ツッコミもあり、とても楽しく読み進められました。
笑いばかりではなく、悪魔の海賊のエピソードでは、悲しみが痛い程伝わりますし、
タイトルにあるように、『後悔しないために』努力する、その姿がストイックにも感じられました。
沢山の要素が絡んでいて、大航海時代を生き抜いて行こうとする主人公と、その仲間達の成長が楽しみですね。
これからも創作活動を応援しております。
BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました(連載版)
- タイトル
- BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました(連載版)
- 作者
- 花果 唯
- あらすじ
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僕は思い出した。前世では、腐女子と呼ばれる存在であったこと。
今生きているこの世界が、当時やっていたBLゲームの世界であることを。
それに……兄が主人公じゃないか!!僕得人生過ぎる。
ただ残念なのは、兄は密かに既に幼馴染と結ばれていた後、つまり、『ゲームの本編終了後』の状態だったことだ。
リアルタイムで見れなかった神の悪戯、残酷すぎるこの仕打ち!
でもいいです。事後も美味しく頂けるし、兄と結ばれなかった攻略キャラを観察してご馳走を探します。
……それが間違いの始まりになるとは。
僕は忘れていたのだ。自分は兄に似ているということを。
いいか良く聞け、ホモはなるものじゃない、見るものだ!
BLゲームの世界でも、僕はホモにはならないぞ!
- スタッフコメント抜粋
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率直な感想として非常に面白かったです。
BLゲームの世界に男の子として転生してしまった腐女子という設定から、
兄と恋人をによによと見守るシーンも非常に『わかるわかる』と頷きつつ読んでしまいました。
現世では『男』である自分が『男』に好かれるという状況下に戸惑うのも、
幼馴染みの雛ちゃんという存在との間に揺れるのも、とても丁寧に描かれていると思いました。
個人的には白兎ルートENDが大変ほっこりしました。
今後の活動応援しております。
ダムダラス
- タイトル
- ダムダラス
- 作者
- ちくわぶ
- あらすじ
-
「呪い」呼ばれる異質の力が存在する。
その呪いが覚醒した者は「ダムド」と呼ばれる。
そしてダムドはその異質な力から、社会から迫害されていた。
そんな社会の中で、ある意味ダムドを憎んでいる立花悠斗(たちばなゆうと)は妹を探しながら、
ダムドを捕まえる「捕獲班」という役職についている。
しかし突然悠斗は、ダムドを守り導く「監理班」に異動になった。
そこで出会うダムドの少女達。
悠斗は妹探しを再会するために彼女達と対峙していく……。 - スタッフコメント抜粋
-
肝心な場面での誤字、及び空白を使うことでブラウザによっては起こってしまう文字化けが、
若干ですが気になりました。
ですが作品自体は面白く書けており、スパルタ教育(?)を施しながらも次第に態度が柔和になっていく様。
ダムドと一般人の間のみならず、事ある毎に問題になる「きょういのかくさしゃかい」(あえて変換しません)など。
展開を考えつつも笑わせてくれる要素を上手く折りませられていました。
処女作と言う事ですが、その構成力を含め非常に上手く書かれた作品であると感じました。
それでは今後の創作活動を応援しております。
一目惚れした角っ娘が元最終兵器だったなんて
- タイトル
- 一目惚れした角っ娘が元最終兵器だったなんて
- 作者
- 灰鉄蝸
- あらすじ
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大地を汚し、死者を冒涜し、命あるものすべてを喰らう悪しき神――
おぞましい邪神と、ヒト、エルフ、オークの戦い。神話の時代の出来事である。
しかしシャルクウ少年が一目惚れした少女アルジャッヘはまさしくその戦争の当事者で、
とんでもない大怪獣だったのである!
- スタッフコメント抜粋
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クトゥルフを彷彿とさせる邪神の圧倒的な存在感が素晴らしかったです。
特に戦闘シーンの迫力ある描写が見事でした。オークの精鋭の戦いが人間的で悲壮であるほど、
邪神の強さと無慈悲が際立っていたと思います。
また、邪神の由来などの設定も、物語の中でバランス良く描写されているため、
自然に読み込むことができました。
シャルクウの性格に最初は少し不安を感じましたが、ラストでは、その単純さがアルジャッヘを救い、
ただの可愛い女の子へと変えたのだろうと納得することができました。
読み終わるのがもったいないと思うほど面白い作品でした。今後の創作活動を応援しております。
ゆきふる
- タイトル
- ゆきふる
- 作者
- 烏屋マイニ
- あらすじ
-
他の雪粒たちが恐れを知らず、次々と雪雲を飛び出す中、ユキは降り落ちた先の不安ばかりを考えて、
ぐずぐずと雪雲から離れられずにいた。しかし、春も間近なある日、うっかり雪雲から足を滑らせて
地上へ落っこちた彼女は、大雪に埋もれた山道を独り行く彫刻師の青年レミと出会う。
レミが、病に伏せる妹のソラに薬を届けるため、急ぎの旅路にあることを知ったユキは、
雪だるまになって青年の代わりに薬を届けることを提案する。
ユキの申し出を受けたレミは、彼女のために妹の姿を象った雪像を彫って与える。
こうして雪の女の子になったユキは薬を預かると、吹雪になって瞬く間に山道を駆け下り、
ソラが入院する診療所へ薬を届ける。薬を飲んだソラは元気を取り戻し、未だ雪山にいる
兄へ歌を届けるようユキに願う。ユキはソラの願いを聞き届け、レミの元へ急ぐが、彼は力尽き、
降り積もる雪の中に埋もれてしまっていた。
- スタッフコメント抜粋
-
まず一言、とても感動しました。涙が出そうになるお話には久しく出会っていなかった気がします。
雪が地面に降って来るとき、彼らがどんな気持ちで降りて来るのか、中には勇気が持てずに雲に留まってしまう……
そんなおとぎ話のような素敵な発想に心を奪われてしまいました。
少し臆病だけど、考えることが得意なユキは、あれほど雪雲から降りて来るのを躊躇っていたのに、
最後には自分を引きつけてくれた人間の為に儚く融けてしまう。
春になって妹に言われた言葉、『空に上ってまた雪粒になったら』。この言葉がとても温かくて印象に残っています。
今後の創作活動を応援しております。
魔王であった余が悪役令嬢だと?ハッ笑止。
- タイトル
- 魔王であった余が悪役令嬢だと?ハッ笑止。
- 作者
- 赤城千
- あらすじ
-
余は魔王。……であったのは実に前世。
今はローズウッド・アンジェリークお嬢様として人間の貴族をやっている。
婚約者であるヒースは最近余に無関心だ。どうしてだろうと思っていたところで、
いつも余を前世で助けてくれていた前世の前世の記憶の断片が再び蘇った。
それはこの世界はとある恋愛小説の世界で、余の立ち位置はその悪役令嬢であると。
- スタッフコメント抜粋
-
設定がとても面白く、一気に最後まで読んでしまいました。
魔王の生まれ変わりであるローズが時折見せる、恋する女の子の顔が可愛らしく、
勇者の生まれ変わりの婚約者・ヒースとのやり取りも微笑ましく思えました。
そして、脇を固める他のキャラもユーモラスで個性豊か。独特の世界観を持っている
この物語に相応しいキャラ達だと感じました。
読了後は、ローズとヒースの活躍をもう少し読んでみたいと思わせるような素敵な作品です。
今後の活動を応援しております。
俺は畑で無双する
- タイトル
- 俺は畑で無双する
- 作者
- 昼熊
- あらすじ
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目が覚めるとそこは――畑だった。 困惑する青年、畑 農幸は土に埋められていた。
異世界転生という夢のような展開……の筈が始まりは地中だった。
一人の異世界転生者が何とか頑張って畑を耕す、そんな物語。
- スタッフコメント抜粋
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目が覚めるとそこは――畑だった。
この一文から始まる物語。正直また異世界チートファンタジーかと思い先を読み進めてみれば、
そこにはチート勇者も可愛い女の子もいませんでした。そう、彼が転生した物とは、ただの畑だったからです。
タイトルに惹かれ読んでみた小説の主人公が畑だなんて思いませんよね?
でも彼は畑なのに、それで世界を救ってしまうのです。
物語は三部作ですが、最初の目覚め編で引き込まれ一気に最後まで読み切ってしまいました。
畑を訪れる人々も少し変わったキャラばかり。そのキャラとの交流も楽しく、
最後は少しほろっとしてしまいました。
今後の活動を応援しております。
その夏休みは、危険です。
- タイトル
- その夏休みは、危険です。
- 作者
- 藤谷 要
- あらすじ
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旧題「狭間の少年(2011年作)」の改訂版。 僕は母のように早死にするかもしれない――。
父子家庭の一上康一(いちがみこういち)は、己を蝕む原因不明の体調不良に悩まされている。
そのせいで学校生活に支障をきたし、さらには迷惑を掛ける家族に対して負い目を感じ、
それでも何とか高校受験に向けて頑張ろうとしていた。
ところが、夏休みが始まったばかりの夜、自宅敷地にある古木に雷が落ちてから康一の日常が変化する。
夜ごと自分の夢に出てくる謎の人物、普段の生活に現れ始める怪しい気配。
奇怪なものたちが康一の生活を脅かすようになる一方で、自分以外の家族は全くその変化に気付いていないようだった。
これ以上心配かけたくないと家族に悩みを打ち明けられない康一は、不安と恐怖を抱きながらもその怪異の正体を探ろうとする。
怪しく危険な中学生最後の夏休みが今始まります――。
- スタッフコメント抜粋
-
武家屋敷のような旧家、蜘蛛の巣、夏の日差しとむせ返るような草木の匂い、怪しい影。 じっとりと蒸し暑い中で、ヒヤリとさせてくれるそんな雰囲気を感じました。 ただただ驚かせて怖いという訳では無く、主人公の心情が丁寧に描かれている為、主人公がこのひと夏の経験を通して ぐっと成長していく様も丁寧に描かれています。 長編とのことでじっくり読むつもりが一気に世界に引き込まれ気がついたら全て読み終わっていました。 1頁が長すぎず、大変読みやすかったのも良かったと思います。
それでは今後の創作活動を応援しております。