インタビュー

第3回「なろうコン」グランプリ受賞者「江本マシメサ」先生のインタビューです。

-金賞受賞おめでとうございます!

 ありがとうございます!

-まずは江本マシメサ先生ご自身について、読者の皆様に簡単な自己紹介をお願いいたします。

 恋愛コメディを中心にほぼ毎日コツコツと小説を書いております。
 8月6日に宝島社さまから『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』を出版していただきました。

-では、受賞作『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』についてお伺いします!

 『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』は北極圏に住む、サーミ族の生活を参考に書かせていただきました。
 サーミ族と言えば、なんといっても色鮮やかな民族衣装が特徴です。
赤や緑などのフエルト生地に、緻密な刺繍がなされたチロリアンテープが袖や襟、裾などに幾重にも縫い付けられており、上着の留め口には銀細工が輝いているという、可愛らしくも美しい衣装です。
イラストレーターのあかねこさんに描いていただいた表紙イラストでは、このサーミ族の服装をベースにした美麗な民族衣装も見どころの一つとなっております。
細かなチロリアンテープの描き込みは「お見事!」の一言でした。

-初めて読んだ時の印象は、幸せとお腹がいっぱいでした。飯テロ小説という感想も散見されますが、狙い通りですか?

 作中の料理描写について、読者様などから「美味しそう!」という感想を頂いたことについては想定外でした。
 「ほのぼの雪国暮らし」がテーマだったので、衣食住の全てを書かなければと思い、食事のシーンを入れただけでした。
 作中に出していた料理のほとんどは北欧のもので、実際に食べたことがなく、資料を元にこんな味かなと想像を膨らませながら書いています。
 なので、雰囲気とかが上手く伝わっていたようで、良かったなあと思いました。

-江本マシメサ先生の描く情景は、派手さはなくとも緻密で美しく、どこか胸に沁みる情緒が散りばめられていて、読んでいると同じ風景を見ているような錯覚を感じますね。
このような風景描写を書くコツとか、工夫している事があれば是非教えて下さい!

 風景描写は資料本の写真を見たり、フィンランドの画像検索をしたりして、自分なりに感じたことを書きました。
 雪国の描写については、経験を元に書いた部分もあります。
私自身雪とは縁がない場所で育ったのですが、関東に住んでいる時に一度だけ膝位の高さまで雪が積もったことがありまして、足元が不安定な中で歩いて会社に行かなければならないという絶望経験が雪国描写に役立ったような気がします。

-作品の内容に加えて毎日更新されているので、読み手としても『今日のリツとジーク』という日記をなぞっているような気持ちになりました。
1話あたり、どのくらいの時間で書き上げてるんでしょうか?

 北欧貴族は仕事から帰宅をして三時間位で書いて、更新していました。
 残業のある日は「書けないじゃないか!」と荒ぶっていました。

-本作は完結している作品ですが、受賞後も精力的に番外編を出されているのが印象的でした。本編では語りきれなかったエピソードはまだまだありますか?

 正直に言えば、あまりないんです……。
 読者様などからリクエストを募集して、書いているのが現状です。
 連載を続けることによって、少しでも作品を知っていただく機会が増えればいいな、という願いを込めて書いております。

-江本マシメサ先生は恋愛モノを特に好んで執筆されていますが、なにかこだわりがあるんでしょうか?

 相手に好意を抱くエピソードを丁寧に書くというところです。
 一度、感想で描写が薄いというご意見を頂いたので、気を付けるようになりました。

-ただ甘いだけではなく、男性でも読みやすく楽しめる恋愛ノベルというのが嬉しいですね。

 ありがとうございます。嬉しいです。

-本作は北欧が舞台モデルになっていますが、江本マシメサ先生は他にもいろんな現実ベースの舞台を描いているかと思います。
というわけで、一番好きな地域や、もしくはこれから舞台にしたい地域があれば教えてください!

 やっぱりヨーロッパの文化や歴史、街並みに食生活などには果てなき憧れがあります。
 一番好きなのは英国の黄金時代、ヴィクトリア女王が治世をしていた辺りです。
 女王夫妻の仲睦まじいエピソードにひたすら萌えていました。
当時、ヨーロッパ王室に広がった血友病の話も興味深かったですね。
 この先挑戦してみたい地域というか、設定は砂漠の都を舞台にした物語です。
 他にも水の都だったり、チョコレートやワッフルが有名な国だったり、古代都市だったりと、妄想は尽きません。

-最後に、なろうコンに挑戦する書き手さんや読者さんへ一言お願いします。

 『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』は毎日書くのが楽しくて堪らないという作品でした。
 物語が頭の中を占拠して、夢中になって作り出せる作品が生まれたら、私に起こったような奇跡に出会えるかもしれません。
 ……こんな感じで大丈夫でしょうか?

-ありがとうございました。

 ありがとうございました!!



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