○○の推しの一冊

本頁では作品の素晴らしさを人に伝える面白さを、 より多くの人と分かち合いたいもっと広めたいという方々の大好きな一冊をご紹介いたします。 本企画が、面白いと思った一冊を見つける『作品選びの一助』となれば幸いです。   


第1回 木野裕喜先生編

推しタイトル


レビュータイトル

TSには賞味期限があると思います。

身体が突然異性のものへと変わってしまったことへの戸惑い。
その中で否応にも芽生えてしまう、女心との葛藤。
これこそがTS最大の醍醐味ではないでしょうか。
ですが、この味は作中時間が経過するにつれて、新鮮さが薄れていきます。
仮に性別が男性から女性に変わって三年以上経ったとして、それでもまだ女性の裸をまともに見られないとか、自分は男だと主張するとか、そういった展開には無理があるように思います(※個人の感想です)。

初々しさを失い、キャラクターや読者が「慣れた」時点でTSの魅力を引き出すのは難しくなります。
ましてや、赤ん坊から再スタートし、立派なレディーになるまで長期にわたって描くとなれば、女性の成長(性徴)をゼロから余すことなく見ているわけです。
それではTSの魅力なんて活かせるはずがない!

――と、この作品を読むまで本気で考えていました。

本作は、生前会社員だった男性が、四つ子の三女として生まれ変わり、成長していく物語です。
最初に謝罪しなければいけません。読み始める前は、どのタイミングで「TSをわかっていない! これじゃ、性別が変わった意味がない!」なんて感想が出ることになるかと、失礼な見方をしていました。
それが、良い意味で期待を裏切られました。

主人公は早々に転生した自分を受け入れ、男らしさを主張することなく、それでいて絶妙な男の子らしさも残した幼女に成長してくれました。
姉妹たちのために体を張るお兄ちゃんポジションは、読んでいて感情移入しやすく、応援したくなります。
本当のお兄ちゃんも登場しますが、彼よりお兄ちゃんぽいですね。頑張れ奏時(笑)

これらを極めて自然に読ませられるのは、生前が男だったという設定と、赤ん坊から女の子として成長した経験の両方がなければできないことだと思います。
瞬発的なイベントだけがTSじゃない。
長期を見据えることで引き出せる魅力もあるのだと教えられました。

ストーリーが進むにつれて姉妹たちの個性も出てきますし、彼女たちがどんな淑女に成長するのか温かく見守りつつ、先が非常に楽しみな作品です。
もちろん、この作品ならではのTSにも、引き続き期待大です!!

木野裕喜
第5回なろうコンで受賞。

第5回で受賞した作品『サキュバスに転生したのでミルクをしぼります』は、不慮の
事故によ命を落とした主人公が、突然サキュバスに転生させられてしまうという
ストーリーである。
筆者はトランスセクシャル(TS)の物語に強く惹かれ、世にTS作品の面白さを広めたいと思った事が本作執筆の原動力となった。
現在最新3巻まで刊行されておりコミカライズ版も発刊されている人気作品。


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