スタッフが毎週ネット小説大賞応募作品から気になる作品をピックアップいたします。
原則選考とは無関係ですが、より多くの優れた作品を多くの方の目に触れていただくことは、
ポイントに関係なく参加できる当コンテストの目的のひとつでもあります。
週1~2回程度の更新をおこなってまいりますので、ぜひご期待ください。
※コンテストではコンテスト参加作品のユーザーピックアップ作品も募集しております。
ピックアップしていただいた作品は可能な限りコンテストで取り上げる他、外部広告でも取り上げる場合がございます。
お勧めの作品がある方は、推薦理由を添えてお問い合わせください。
※推薦理由は作品紹介時に掲載させていただく場合がございます。
お問い合わせ先:novel_narou@crowdgate.co.jp
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また、もしお勧めしたい作品がコンテストに参加されていない場合は、
作者様の迷惑にならない範囲で当コンテストの紹介をしていただけますと幸いです。
運営感想ピックアップ!
虚空の【セカイ】と魔女
- タイトル
- 虚空の【セカイ】と魔女
- 作者
- 白河律
- あらすじ抜粋
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「それでも私達はここにいるーー」
この【セカイ】は幻なのかもしれない。
こことは少し違う【セカイ】。
この世界には魔法がある。
でもそれは、必ずしも人を幸せするとは限らない。
そんな負の魔法を刈る魔女がいる。
それは長い髪と物憂げな目をした少女。
彼女は深い傷を持つ少年と出会い、触れ合い恋をしていく。
これは、そんなふたりの日々とそこに虚ろう怪異の物語。
- スタッフコメント抜粋
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まず世界観の設定で惹き込まれました。
この世界はすでに滅んでて、人の想いによって続いているというのがダークな雰囲気が面白いと思います。
また主人公小夜の危うさもいいですね!魔女でありながら、
ともすれば彼女自身が「怪物」になりそうな雰囲気にキャラクターとしての魅力を感じました。
文章も程よく読みやすかったのも好印象でした。
あまり装飾的な言葉をアレコレ入れると読みづらくなってしまいがちなですが、
この作品はそういう感じがありません。
殻木田との関係性など、今後も読み続ければより惹かれそうな作品だなと思いました。
今後の創作活動を応援しております。
隣の席の佐藤さん
- タイトル
- 隣の席の佐藤さん
- 作者
- 森崎緩
- あらすじ抜粋
-
地味で、とろくて、気が利かなくて。
おまけに大して美人でもないクラスメイトの佐藤さん。
なのに隣の席になった途端、気になり始めたのはなぜだろう。
ひねくれもの男子が、隣の席の地味な女の子に惹かれていく話。
- スタッフコメント抜粋
-
読んでると時間がゆっくり流れるような、心が暖かくなる小説でした。
山口君と垢抜けない佐藤さんの会話が「どこにでもいるような高校生」という感じがして素敵です。
また短編集のような作りになってて、どこから読んでも楽しめるのという点も素晴らしいと思いました。
話が進むごとに席替えが合ったり学年が上がったりと少しずつ変化はありますが、
2人は変わらずそこにいるというのが安心できます。
その変化も同じ出来事で去年と今年、 2人の間で「何が変わったか」「何が変わらなかったか」という点に着目して読むとより楽しめますね。
これからの創作活動楽しみにしております。
嫁がダメなら娘になるわ! 最強親子の物語
- タイトル
- 嫁がダメなら娘になるわ! 最強親子の物語
- 作者
- どんちゃん
- あらすじ抜粋
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冒険者ウリュウは、ある日とても綺麗な女性と出会い恋に落ちる。
数度のデートを重ね、彼女が吸血鬼である事、彼女もウリュウが好きなことを告白されるが、
ウリュウは自らの信念に基づき、彼女の申し出を断ってしまう。
そしてその時、とある事故が発生し、ウリュウは命に関わる怪我を負う。
彼女は必死にウリュウを看病したが、彼が目覚めた時、彼の記憶は消えていた。
彼女は後に決意する。「嫁がダメなら娘になるわ!」
彼女はウリュウの娘になりすます。
これは、最愛の娘の為に頑張る父親と、娘になりすまし、父を愛する娘の物語!
- スタッフコメント抜粋
-
冒険者ウリュウの身の上に降りかかった幸福と不幸、面白かったです。
ルナと知り合ったことで彼の運命の輪が転がりだしていました。
長めの説明もありましたが、基本はキャラクター同士での描写によって表現されていて、
すんなりと理解できます。またローラにリムといった脇役もキャラが立っていて、親しみを感じました。
怪我が大きな転機になっており、ウリュウの状況が大きく変わっています。
すでに真祖の吸血鬼だと明かしていたルナとの関係にも影響して、
物語的にはとても強い引きになっていました。続きが楽しみです。
今後の活動を応援しております。
これが私のお師匠様ですっ!
- タイトル
- これが私のお師匠様ですっ!
- 作者
- 賀茂なすの
- あらすじ抜粋
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「さすがです! お師様!」
私のお師様はローウェン・シルヴィスターと言います。
かつて王国軍において「死神」と恐れられた老エルフ……!
赤子であった私を、とある縁で引き取ったことを境目に、
辺境にあるエルフの里にてまったり隠居生活を送っていました。
お師様は本当にすごいのです。
多くの魔術を無詠唱で使いこなし、魔動機械を操る術に長け、巧みな体術を扱い、
多くの知識と叡智を司り――、加えて完璧な美老年なのですっ!
私はそんなお師様をお慕いしております!
しかし隠居したとは言え、村の人々や軍人さん達が、お師様をほっとくわけがなく事あるごとに頼りに来る始末。
ですが舞い込む様々なトラブルを華麗に解決する様は優雅の一言!
そんなお師様のご生活を、弟子である私が詳らかに語っていく――。
これはそういう物語なのですが、いかがでしょうか?
- スタッフコメント抜粋
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恋するハーフエルフであるシェリーの視点によって、老魔術師ローウェンの活躍が描かれています。
シェリーを通じてのローウェンの人物像は人間味?に溢れていました。
とても親しみやすく感じられて、ほのぼのとした気分にさせてくれます。
印象的だったのは、シェリーがローウェンに散髪してもらうエピソードです。
シェリーの両親のことを語るローウェンの様子、そして彼女の感想がとてもよかったです。
魔術を使うと疲れるといった理由で機掃銃を使うエピソードは面白かったです。続きを楽しみにしています。
今後の活動を応援しております。
ようこそ異世界へ~恐竜グルメの旅~
- タイトル
- ようこそ異世界へ~恐竜グルメの旅~
- 作者
- 怒花亭 進虫
- あらすじ抜粋
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長野県の松代市、皆神山に恐竜時代に繋がる謎の陥没穴が、何の前触れもなく突如として出現した!
世界は震撼しパニック状態に陥ったが、やがて人類は落ち着きを取り戻し、古代への大冒険に打って出始めたのだ。
カレー屋の一人娘・セラミックこと瀬良美久は、
夢の恐竜料理店を開業するために日夜料理の腕を磨いているスーパー女子高校生。
彼女は学校に通いながらも様々な恐竜メニューを考案、料理人の度肝を抜くセンスを発揮する。
更には食材をゲットするために危険極まりない陥没穴にダイブして、
命知らずの恐竜ハンターまでこなす新世代ヒロインなのである!
- スタッフコメント抜粋
-
古代へと繋がる陥没穴が出現。その設定を軸にして、瀬良美久の非日常が始まっていました。
よく練り込まれているおかげで、一定のリアリティが感じられます。
恐竜料理店を開く夢のために探検に同行したりと、調理だけでなく冒険の要素も描かれていました。
その様子も波乱に満ちていて、興味を引く内容になっています。
恐竜肉を使ったカレー、そしてラーメン。
調理過程も含めて丁寧に描写されており、どちらも美味しそうでした。
食に一言意見を言わずにはいられない松上晴人も、個性を発揮しています。
美久との仲がどうなるのか、楽しみです。
今後の活動を応援しております。
正義のおはなし
- タイトル
- 正義のおはなし
- 作者
- 春野一郎太
- あらすじ抜粋
-
海を隔てた先にはまだ見たこともない世界が広がっているのだと聞かされた。
彼が何度もねだったからだ。
大きなオシロも賑やかなオマツリも、彼にとっての夢で憧れで希望だった。
───
少年の住む村は、蒼い海に浮かぶ小さな小さな小さな島にあった。
あまりにも貧しい生活──豊かな自然以外に良いところなんかこれっぽっちもない。
けれど、少年は幸せだった。
父と母と妹、愛しいひとたちに囲まれて暮らした思い出が、彼を幸福たらしめた。
けれど、あるいはきっと、幸せでなければよかったのだ。
そうすれば、不幸にはならなかったのだから。
髪や肌や瞳の色が違っても、
心は通じると信じて疑わなかった。
- スタッフコメント抜粋
-
正義とは、悪とは何か、両対極にあるその概念は、
見方によってはどちらにもなりうるものであるように感じました。
貧しいながらも平和で幸せな日常生活を送っている描写が中心で、
何の変哲も無い、平和な村のように思えていました。
食糧難に陥った時、盗みを働かなければ生きていけない事実があることも理解できますし、
それが悪であることも理解できます。
村人は村人のために必死に働き、本土の人間は悪事をはたらく者を許せなかった。
互いに理由があるとはいえ、鬼退治の裏側にある鬼側の生活と絶望を覗き見た感覚で、
感慨深い作品だと感じました。
今後の創作活動を応援しております。
空は青かった
- タイトル
- 空は青かった
- 作者
- 希野ほたる
- あらすじ抜粋
-
自分は何のために生まれてきたのだろうか。自分は何をするために生きてきたのだろうか。
生まれたことに、生きていることに、無意味なことなんてひとつもない。
人は必ず何か使命を背負っているんだ。 誰かを助けるため、誰かを笑顔にするため。
―――そして誰かに光を与えるため。
とある理由で自ら命を絶った少女が目を覚ますと、そこには見たこともない世界が広がっていた。
揺れる草花、入り混じる人々、そこは彼女が知り得ない彼方の世界ーーレイツ。
突然の状況に戸惑う少女に手を差し伸べたのは、心優しき兄弟だった。
彼等は遠くの地まで旅をしていると告げ、少女は彼等の旅に同行することを決意する。
だが彼女達の旅路は決して楽なものではなかった。
数多の困難に立ち向かう中で生まれる多くの疑問。
答えのない問いかけに彼女達は幾度も挫折や苦しみを味わうこととなる。
希望と絶望が入り混じるこの地で、少年少女は何を見るのか。
最後に手にするものは一体何なのか。
ひとりの少女が紡いでゆく、壮大な物語に少しの切なさを織り交ぜたダークファンタジー……ここに開幕。
- スタッフコメント抜粋
-
心にトラウマを抱えた水無月アイラと、セルス・レイの兄弟の
異世界ガール・ミーツ・ボーイズのストーリーに心が震えました。
出だしは悲壮感漂う雰囲気でしたが、アイラが少年たちと出会って
少しずつ癒やされていく過程が丁寧に描かれていて素晴らしいと思います。
文体も一人称がしっかりと保たれていて、
視点変更の際も間仕切りを挟んでから書いているのでとても読みやすかったです。
光の女神とアイラの関係性や黒鳥などなど後々の伏線も張られていて、
今後の展開にワクワクしながら読むことが出来ました。
これからの創作活動楽しみにしております。
片翼の竜
- タイトル
- 片翼の竜
- 作者
- もやしいため
- あらすじ抜粋
-
むかしむかし辺境にある火の山に竜の縄張りがあった。
人は名誉や金を、竜は縄張りを求めて挑戦を繰り返すが、種族の中でも小さき竜に敗北はない。
時が流れ、神と祀られた竜は、平穏な火の山の上で今日も過ごす。
信心深き人々は神の竜を敬い火の山を登る。
- スタッフコメント抜粋
-
竜と人である勇者の問答の内容が多岐に渡っていて、とても面白かったです。
戦闘を丁寧に描いてからの会話という段取りのおかげで、しっくりときました。
もしも会話だけに終始していたのなら、だれていたことでしょう。
実力に裏打ちされた互いの言葉だからこその説得力で、構成がしっかりしていると感じた次第です。
その後、名前を呼び合う関係になってからも、魅力的に書かれていました。
落ち込んだりもする勇者に、飄々とした竜の関係がとてもいいです。
旅路の先は決まっていますが、どのような結末を迎えるのか楽しみです。
今後の活動を応援しております。
子孫召喚~未来から呼び出された英雄は、俺と彼女の子供達でした。
- タイトル
- 子孫召喚~未来から呼び出された英雄は、俺と彼女の子供達でした。
- 作者
- 円城寺正市
- あらすじ抜粋
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孤児院出身の貧しい少年レノと高飛車なお嬢様リトヴィア。
召喚された英雄は、将来、二人の間に生まれる子供だと名乗った。
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貧しい少年レノは相棒のチェスカと二人、
ダンジョンで他の冒険者が取り残したドロップアイテムを拾って生活していた。
ある日ダンジョンの奥で一つの指輪を見つけた事で、彼の運命は大きく変化する。
指輪を見つけた帰り道、レノ達は高慢な領主の娘が、アンデッドに襲われているところに遭遇する。
自分達を蔑むお嬢様など、助ける必要はないと主張するチェスカ。
だが、レノはそれを制して助けに飛び込んだ。
レノが絶対絶命のピンチに陥ったその時、指輪が光を放ち、突然、甲冑姿の少年が姿を現した。
アンデッドをあっさりと撃退した少年。
彼は将来、レノと高慢なお嬢様、二人の間に生まれる子供なのだと名乗る。
呼び出された子孫たちが語る、未来の彼の状況は、不穏そのものだった。
指輪をめぐって錯綜する陰謀。入り乱れる悪意と純粋な想い。
時に怯え、時に不安に苛まれながらも少年は、幸せな未来を掴み取るべく奔走する。
- スタッフコメント抜粋
-
ピンチの度に未来から主人公レノとヒロインの子孫を召喚するという展開は真新しくて面白いですね。
今後新しいヒロインが登場するたびにリノとそのヒロインとの子孫の姿、
そして夫婦関係を読み手側に想像させるのでとても楽しく読むことができると思います。
話のテンポもよく、文章にグイグイ惹かれて読みふけってしまいました。
世界観も王道の中世ファンタジー的で親しみやすく、
それでいて第一章の最後ではリノの怒りが伝わってきてとてもワクワクしました。
指輪の秘密や予言の内容、謎の襲撃者の正体など物語に張られた伏線からとても好感が持てる作品だと思います。
今後の創作活動を応援しております。
カオスエクスプローラー ~バグに負けないセーブ&ロード~
- タイトル
- カオスエクスプローラー ~バグに負けないセーブ&ロード~
- 作者
- ジャンガリアン
- あらすじ抜粋
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「姉ちゃん、この世界なんか思ってたのと違う」
「贅沢だね鷹君は。魔物も神様もバグもあって何が不満なのさ」
「主に最後の一つかなぁ」
剣と魔法で魔物を打ち破るゲーム世界への召喚。
夢と希望に溢れるその栄光を授かった少年、早坂鷹とその姉、愛紗を待ち受けていたのは、
一歩間違えればフリーズし、間違えなくてもまともにイベントが進行しない
バグだらけのゲーム世界アルディアスだった。
雑な女神に授かった超常の異能、バグりかけた仲間達、回転し削岩する伝説の盾。
それらの力を借りて、今一つ締まらないバグ利用とバグ潰しの冒険が始まる。
- スタッフコメント抜粋
-
バグだらけのゲーム世界に召喚という、異世界モノでも一風変わった設定が面白いですね。
文章のテンポがよくて読みやすく、
女神のポンコツ具合を始めキャラクター達にも魅力があってとても楽しく読むことが出来ました。
またバグの内容もわかりやすい文字化けや画面バグだけでなく、
某世界的RPGのバグを踏襲してたりするので思わずにやりとしてしまいました(笑)
やや私的ではありますが『この世界がゲームだと俺だけが知っている』
という似たジャンルでコミック化もされた小説がありまして、
あちらも愛読してるので親しみやすい作品だなと思いました!
これからの創作活動楽しみにしております。
読者ピックアップ!
帝国の守護者~禁忌の子供と業火の宿命
- タイトル
- 帝国の守護者~禁忌の子供と業火の宿命
- 作者
- 大陸 オオカミ(ピロシ
- あらすじ抜粋
-
第二次世界大戦の終結から約100年が経過。
超科学大国である東亜帝国は、東アジアに存在する先進国となった。
幼少の頃から、児童自立支援施設で育った雄一は、
偶然にも失踪した父親と同じ生物遺伝子学者の道を志している青年である。
日々、研究に励む彼の前に現れたのは政府の役人を名乗る背広の男。
雄一は、男から持ちかけられたある依頼を承諾し、『アスカ』と名乗る護衛を紹介される。
だが、彼女は護衛なのに、見た目がただの女の子ではないか!
そして、突如姿を現わす『帝国の守護者』を名乗る、
人造の超能力者たちが、二人の運命を大きく揺り動かしていく。
数々の災難を克服しながら、葛藤や衝突を繰り返す二人は、
立ちはだかる巨大な陰謀を前に出会った仲間とともに『護るため』の戦いを決意した。
決して交わることのなかった運命の二人。
これは、そんな二人が出会ってからの10日間の軌跡。
戦いの先に彼らが得た未来とは。
- 読者コメント抜粋
-
この作品の最大の見所は、なんといっても濃厚な描写と作り込まれた世界観でしょう。
こう表現するといささか陳腐に感じられるかもしれませんが、
端的に述べるのであればこれで間違いありません。
渦巻く陰謀、命を冒涜する科学の恐ろしさ、戦闘兵器として育てられた子供たち。
ぞわりとするような奥深い設定とストーリーは、読み進めるごとに背徳的な好奇心をくすぐられます。
一見の価値ありです。
月闇の扉
- タイトル
- 月闇の扉
- 作者
- 瑞原チヒロ
- あらすじ抜粋
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四神が守護する大陸に≪月闇の扉≫が開く――。
時を同じくして、とある島国で王が亡くなった。
第一子、王女ラナーニャは王の御霊を送るための儀式へと向かう――。
やがて来る王国の崩壊。島から弾き出された王女は記憶を失ったまま、とある旅人たちと出会う。
その出会いこそが彼女の運命の始まり、そして彼女は立ち上がる。
恋愛ちょこっと剣と魔法の旅モノファンタジー。
- 読者コメント抜粋
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私はこの作品がなろう作品の中で一番大好きです!
独特な世界観を作者様の流麗な文体が鮮やかに描き出し、主人公がすぐそばにいるような――
もはや自分が主人公なのではないかとまで――錯覚させられてしまいます。
作者様の文章は惚れ惚れとしてしまうぐらいとっても美しいのですが、
それが悪目立ちしてしまうわけでもなく物語に、世界観に、そしてキャラクターにとってもあっているのです。
この作品で最も魅力的なのはキャラクターで、
主人公とその仲間の3人は全員が可愛いまたはかっこいいといっても過言ではないでしょう。
そしてまた、そのキャラクターたちの心情描写はなろう随一ではないでしょうか。
ヤドリギ
- タイトル
- ヤドリギ
- 作者
- いといろ
- あらすじ抜粋
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突如として世界各地に人々を襲う謎の生命体を産み落とす"異形の樹木"が現れる。
人類は"それ"をヒトに祟(たた)る木――"タタリギ"と呼んだ。
その脅威に劣勢を強いられつつも、抵抗しうる力を研究し獲得した人類は、戦力として投入するに至る。
力を宿した者――"ヤドリギ"の一人として最前線で戦う青年。
その彼の元へ、人類の切り札とされる"新型ヤドリギ"の少女が最終防衛拠点アガルタより派遣される。
彼の指揮の下、少女はタタリギとの戦いに身を投じていく。
彼と彼女が世界にもたらす結末とは。
人類の命運を決めるタタリギとの決戦がまさに今、静かに幕を開けようとしていた。
- 読者コメント抜粋
-
今まで様々なジャンルを拝読させて頂いてまいりましたが、
この作品には強い何かを感じ、私にとってかけがえの無い作品であります。
昨今の流行りからは離れた作品ではあるかもしれませんが、
この様な重厚で、登場人物に厚みを感じ、読みやすく王道ながら練り上げられた世界観と設定は、
個人的に特筆に値するものではないかと思っております。
使い古された様な設定ながら、その魅せ方が上手く映画を見ているような感覚に襲われます。
近野物語。
- タイトル
- 近野物語。
- 作者
- つぶらやこーら
- あらすじ抜粋
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一風変わったフォークロア、新たな世界へ! いずれも、一話五分ほどの短編たち! どこから読んでも楽しめます!
作者の近所から、あなたのおうちのご近所まで、民間に伝わる様々な怪談、
都市伝説、噂話や不思議体験を収録した現代説話集です!
電車の中、休み時間、ふとんやベッドでのお供に最適! いつでも誰でもウェルカムです!
- 読者コメント抜粋
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作者が耳にした怪談、民話、都市伝説に噂話や不思議体験をもとに構成された現代説話集です。
この作品は、語り手と聞き役の二人の会話形式で進んでいきます。
語り手は毎回変りますが、聞き役はずっと同じ人物で作者自身です。
テーマも毎回変りますが、まずそのアイデアと知識の豊富さは圧巻です。
ジャンルはホラーですが、一辺倒の怖さではなく現実世界のすき間に潜む謎や闇を描きだしており、
リアリティに満ちています。
一方、昔話や歴史にまつわる話では想像やロマンをかき立てられ、読んでいて心踊らされます。
歯切れの良い語り口調は簡潔で読みやすく、語彙力が非常に高く、
感情を的確に言語化されているので胸をつかれます。
時には円熟した噺家のようでもあり、惚れ惚れするような描写力に魅せられます。
1話約5分のお手軽なショートストーリーとは思えないほどの、読み応えがあります。
「小説家になろう」では、ひときわ異才を放っている稀有な作品です。
才能がない僕。
魔女たちの夜宴
- タイトル
- 魔女たちの夜宴
- 作者
- あまやどり
- あらすじ抜粋
-
御祝七瀬(みいわい・ななせ)は偉人の引用がクセの高校一年生。
何事にも手を抜きがちな性格のため、「七割の男」というアダ名をつけられている。
ある日、自宅に紛れ込んだ「魔法売ります!」という黒い手紙にサインしたところ、
フェレスと名乗る、少女の姿をした使い魔が派遣されてくる。
クラスメイトが同じく「魔法売ります!」に手を出し、人殺しを楽しんでいることを突き止めた七瀬は、
学級委員の福主優雅(ふくぬし・ゆうが)共々非日常に、5月1日の「ヴァルプルギスナハト」に巻き込まれていく。
- 読者コメント抜粋
-
高い文章力はもちろんですが、緻密な構成に感心してしまいました。
7割の力で生きている主人公、それをたしなめようとするヒロイン、
謎の多い使い魔の少女など、個性的なキャラクターたちにが登場します。
深い物語にどんどん引き込まれていきます。
なろうでは受けにくい作品かもしれませんが、この読みごたえは一読の価値有り、です。
七つの鍵の物語【悪徳貴族】~ぼっちでもやしな僕の異世界領地改革~
- タイトル
- 七つの鍵の物語【悪徳貴族】~ぼっちでもやしな僕の異世界領地改革~
- 作者
- 上野文
- あらすじ抜粋
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これは絶望を覆すための逆転劇――。
事故から目覚めると、そこには自分と同じ顔の死体と、「悪魔」がいた。
地球と異なる常識が支配する異世界で、
「悪魔」によって惨殺された貴族になり変わることを強いられた少年の孤独な戦いが始まる。
- 読者コメント抜粋
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異世界転移ファンタジーというジャンルにあって、
冒険や戦い、恋愛という冒険ものの要素と、政治・経済という内政ものの要素が高いレベルでまとまり、
作者上野 文様の技量も相まって一人の英雄の成長物語として素晴らしい作品となっています。
悪徳貴族と呼ばれた辺境伯の代わりとして悪魔によって異世界に召喚された主人公が、
悪徳貴族に成り代わり本物が荒廃させた領地と領民を再生させていく、
マイナスからの領地経営、そして様々な人々との絆を深め、冒険を重ねて成長していく前半。
世界を混沌に巻き込もうとするテロリスト国家との壮絶な外交、
戦争を描いた後半と読み応えは十分です。
K.O.ラインズ
- タイトル
- K.O.ラインズ
- 作者
- 真みのる
- あらすじ抜粋
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平凡高校生、仙川泰人が襲われた。
間一髪のところで同級生の国領ひじり(美人)に助けられたものの、彼の生活は一変する。
泰人を襲ったのは人工臓器オルガノを移植された半分人間、半分機械の悲しい怪物だった。
そして泰人はオーガナーを討伐する部隊「K.O.ラインズ」の一員になる。
- 読者コメント抜粋
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人工臓器オルガノを移植されたオーガナーと呼ばれる怪物が主人公を襲うところから始まります。
窮地を救ってくれたヒロインは美人なのに口が悪いのですが、情が厚くて好感が持てました。
家族を殺されて、落ち込み、ぼろぼろになって、それから奮起するまでの主人公の心の変遷がとても好きです。
討伐部隊K.O.ラインズになって、非日常へと足を踏み入れる流れがすごく自然でした。
この人の書く作品はどれも描写が丁寧で設定も奇抜で面白いです!
伯爵令嬢は、契約結婚した俺にいつ恋をする?
- タイトル
- 伯爵令嬢は、契約結婚した俺にいつ恋をする?
- 作者
- カタイチ
- あらすじ抜粋
-
ある日俺は、伯爵令嬢に求婚された。年上で、すごい美人で、王宮騎士。
従順な婿養子が今すぐ必要なんだって。条件は彼女の邪魔をしないことだけ。
それなら俺はうってつけかも。貧乏男爵の目立たない七男坊。
趣味は読書とプチ魔法の、人畜無害な引きこもりだ。
俺は売り飛ばされるみたいにして、王都へ嫁ぐことになりました。
……敵討ちとか陰謀とかに巻き込んだり巻き込まれたりしつつ、
こんな俺たちが本当の夫婦になれるなんて夢にも思わなかった。そんなお話。
- 読者コメント抜粋
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政略結婚した、大人しい少年である主人公と、年上で男装の麗人のヒロイン。
幼さの残る主人公が少しずつ成長を遂げ、ヒロインとの心の距離が近づいて行く過程が、
日常や事件を通して魅力的に描かれています。
ありがちなパターンを一切感じさせないオリジナリティがあり、
外国の物語のような雰囲気を感じさせ、安心して読める良質な作品です。
また、誤字脱字がなく、語彙が豊富で尚且つ読みやすい文章力の高さも、
小説という上で大きなポイントに感じています。
?夏(エンカ)ノ蝉
- タイトル
- ?夏(エンカ)ノ蝉
- 作者
- スラ猫
- あらすじ抜粋
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20××年の夏、人類は新たな局面を迎えようとしていた。
静岡県西部の浜辺市にある蝉町。そこは蝉の研究が盛んな町であった。
ある初夏の朝、葵東夕耶(あとうゆうや)は図書館で寝入ってしまう。
そして目が覚めた時、世界は崩壊を始めていた。蝉という夏の風物詩である昆虫が、突如として人々を襲う。
蝉は人間のように知能を持ち、喋るようになる。食われた人間は1度死に、
再び甦った時には手足が蝉の羽や脚のように変貌していった。
それは〈セラミック感染〉と呼ばれ、次々と人類を滅亡へと追いやっていく。
ーーこれは蝉の暴走からの1ヶ月間を生き抜く、SFパニックホラーである。
- 読者コメント抜粋
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この作品を推薦させてもらいます。
数あるパニック作品の中でも、かなり異色な設定です。なにせ、敵が蝉という、身近な昆虫になっているからです。
高い文章力と、構成力から作られる作品は、主人公たちの人間像らしさを見せてくれています。
頭脳で戦う主人公と、剣道を用いて戦うヒロイン。この二人を中心にした人間ドラマや恋愛。
これらがリアルで、面白い。
ご都合主義がなく、骨太。なろう受けはしないけど、読んでしまいたくなる。
ホラー系が嫌いだからと避けていたら後悔してしまいそうな面白さがあります。