第5回「ネット小説大賞」グランプリ受賞者「桜川ヒロ」先生へのインタビューです。(※インタビューは発売前に行いました。)
-改めまして、受賞おめでとうございます。
今のお気持ちなどを伺ってもよろしいでしょうか?
ありがとうございます。
息抜きで書いたはずの短編がこんな形になって、うれしい気持ちでいっぱいです。
-それでは、まずは簡単な自己紹介と作品の紹介をお願い致します。
初めまして、桜川ヒロです
恋愛小説を中心にいろいろと好き勝手に書いています。
この度『妻を殺してもバレない確率』というオムニバス小説を、宝島社様より刊行させていただくことになりました。
-ありがとうございます、受賞の話を聞いた時はどんなお気持ちでしたか?
信じられない気持ちでいっぱいでした。
『妻を殺してもバレない確率』は一万文字にも満たない短編小説で、さらには現実の恋愛。
『小説家になろう』でよく読まれている作品の系統とは全く違うものだったので、正直受賞するとは思っていませんでしたし、グランプリだなんてそんな大それたこと思ったこともありませんでした。
-そうですね、『小説家になろう』ではあまり拝見できない作品だとは私も思いました。
それでもネット小説大賞に応募しようと思ったのは、何か理由があったのでしょうか?
前述しているように受賞するとは露ほどにも思っていなかったので、「キーワードをつけるだけで参加できるなら……」という、とても軽い気持ちでした。
-ご応募いただき本当にありがとうございます!
文字数が少ないからという理由で応募を辞退してしまう方が多く見受けられますので、これを機に軽い気持ちでも良いので色々な方に応募していただきたいです。
さて、発売まであと少しとなりましたがweb版との違いや工夫したことなどはありますか?
『妻を殺してもバレない確率』のweb版との違いは、一言でいえばボリュームでしょうか。
もともと8500文字程度しかなかったものを膨らませ、更に6本の新作短編を書き下ろしていますので、すごく大きな物語になっていると思います。
それと、妻サイドの話である『彼を陥落させるゲーム』の一部を夫目線で書き直しました。Web版を読んだことがある方はちょっとニヤニヤしてしまうかもしれません。
あと、全編の舞台を広島にし、それぞれが少しだけ繋がっているようにしてみましたので、そのあたりも楽しんでいただけるのではないかと思います。
-私も広島出身でして横川駅などご当地ワードが出てきまして、正直びっくりしました。
地図を調べながら楽しむ方法もあるかもしれませんね。
なんにしろ今回はほぼ書下ろしということで、なろうで読んでくれていたファンの方達にはとても嬉しいことだと思います。
また、舞台が広島とのことですが、その場所を選んだ理由などはありますか?
作中に出てくるお気に入りの場所などもありましたら教えていただけますと幸いです。
舞台が広島なのは単純に私の地元が広島だからです。
地元だと何度でも取材に行けますし、少しはリアリティーを出せるかな、と思ったので!
お気に入りの場所というわけではないのですが、『妻を殺してもバレない確率』に出てくる、宮島発着のフェリー内の描写は書くのが楽しかったです。
-すぐに取材に行けるのはとても良いですね!読者の皆さんも『妻を殺してもバレない確率』を読む際には、背景描写にも注目してみると面白いかもしれません。
また、新たに6作品を書下ろしたそうですが、その中で特にお気に入りの話などはありますか?
よろしければ、理由もお聞かせください。
『空から女の子が降ってくる確率』ですかね。
理由としては、単純に書くのが楽しかったからでしょうか。
もともと恋愛小説を書くことが多いので、年頃の男女を主役に置いた作品はとても書きやすかったです。
タイトルのとおりですが、この作品のテーマは ボーイ・ミーツ・ガール です。
『女の子と出会うことにより動き出した非日常』を書いた作品です。
-初めは某作品を思い浮かべてしまいましたが、とても素敵なお話でした。 こちらのお話では、「将来の夢」がキーワードとなっていたかと思いますが 桜川先生は何か目指していることや、今後やり遂げたいことなどはありますか?
目指していることも目標もありますが、人に言っては夢はかなわなくなるといいますので、胸にそっとしまっておくことにします。 今後やり遂げたいことというか……、これからも一生懸命文字を打って誰かの暇をつぶしていけたらな、なんてことは思っております。
-ありがとうございます。以前は女性向け作品をよく書いていたとお見かけいたしましたが
『妻を殺してもバレない確率』という作品を書こうと思ったきっかけなどを教えて頂けますか?
『妻を殺してもバレない確率』は私が『小説家になろう』に投稿し始めて4か月目ぐらいに投稿した作品だと思います。 毎日書いてる連載小説のほうがあまりふるってなく、「短編小説だから好きなことを好きなように書こう!」と思ったのがきっかけでした。 構想は愛娘と近くのコンビニに買い物に来ていた時で、「感情が数字で表せることができたら面白いな」というところから未来予測の確率を使った話を書こうと思いました。
-『感情が数字で表せる』というのも面白いですね。好きな作品を書き、すぐに見てもらえるのがネット小説の良いところだと思います。 また、今のお話にも出てきました本作品のコンセプトである『未来予測』ですが、 もし未来予測ができる機械が存在したら、桜川先生はまず何の確率を調べますか?
そうですね……。すごく悩んだのですが、『家族全員が幸せになれる確率』とかでしょうか。
家庭で何か重大なことを決める際とかに多用できそうですよね。
でも『家族全員の幸せ』と『個人の幸せ』がイコールではないので、それはそれでまた悩みが増えそうですが……
本当はこの本のことを未来予測してみるのも面白いなぁと思ったのですが、リアルに考えると怖くてできませんね。
-とても素敵だと思います。
そうですね、自分に関する未来予測をしてしまうと幸せな結果になるか、不幸な結果になるかをその場で決められてしまいますので、調べるのも勇気がいりますね。
また、以前読みたいタイトルのアンケートを取っていたかと思いますが、そこで選ばれなかった『確率』についてはどこかで発表する予定などはございますか?
『宝くじが当たる確率』などは、とても気になるところではあります(笑)
とりあえず、今のところは発表する予定はありませんね。
書いてほしいという声があれば書いてみようとは思うのですが、『宝くじが当たる確率』はとても書きにくかった思い出があって、書くにしても違うタイトルのお話かな?という感じです。すみません。
-第六回ネット小説大賞に挑まれる方へアドバイスなどございましたらお願いします!
8500文字の短編でも共感してくださる方が大勢居られればこんなに素敵な賞を頂けるので、第六回に挑まれる方は文字数や書き方などにあまり捕らわれすぎず、自由に素敵な文章を綴ってくださいませ。
私が誰かにアドバイスなど大変おこがましいと思いますので、この程度で……
-ありがとうございます。自分が好きだと思う物語を皆様もぜひコンテストへぶつけてみてください。
それでは最後に一言お願いできますでしょうか。
『妻を殺してもバレない確率』は全編通して悪者がいない話になっています。
少なくとも私はどのキャラクターも悪役として書いていません。立場が違うだけで、不器用なだけで、誰も悪くない。
この話を読んで、読む前よりも少しだけ誰かに優しくしたいと思ってくださる方が一人でも居られれば幸いです。
この度は皆さまの応援により、大変嬉しい賞をいただくことができました。 これからも一生懸命頑張って、皆様のお暇つぶしを手伝わせていただけたらと思いますので、どうぞ応援のほどよろしくお願いいたします。
-色々なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。
ありがとうございました。
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