運営スタッフがネット小説大賞応募作品から、気になる作品をピックアップいたします。
原則選考とは無関係ですが、素敵な作品をたくさんの方の目に触れる機会をつくることを目的としています。
ぜひご期待ください。
作品タイトル『童女の嫁入り ~少年と小さな女神が初恋の誓いを果たすまでの物語~ 』
著者名 真髪芹
父の転勤で山奥の村に引っ越した稔流(みのる)は、幼い美少女に出会う。少女は、年を取らず同じ姿で何百年もの時を渡った妖(あやかし)であり、小さな神だった。彼女は言う。
「人間は人間と結ばれる。私は、誰とも結ばれない」
全てを諦め何も望まない少女に、稔流は誓った。
「約束するよ。大人になったら――――」
惹かれ合う少年と少女が、ふたりを隔てる謎を解き、いつか成長し、初恋の誓いを果たすまでの一途な純愛物語。
体が弱い主人公の稔流は、両親の実家である山奥の村に移住することになります。そこには妖怪が住み着いており、稔流の実家の守り神でもある座敷わらしのさくらとの再会をきっかけに、物語は展開されていきます。
田舎の風景や生活様式に対する稔流の驚きや戸惑いがリアルに描かれており、都会育ちの少年がどのように田舎での生活に馴染んでいくのか、興味をひかれました。田舎の描写や妖怪たちの存在は、どこか懐かしい気持ちを呼び起こします。 全体を通して、人間である稔流と神様であるさくらの愛の行方や、忘れ去られていた存在など、今後の展開に期待が高まる内容でした。 家族愛や成長、不思議な世界への誘いをテーマにしており、読者を物語の中に引き込む力を持っている、素敵な作品です。