運営スタッフがネット小説大賞応募作品から、気になる作品をピックアップいたします。
原則選考とは無関係ですが、素敵な作品をたくさんの方の目に触れる機会をつくることを目的としています。
ぜひご期待ください。
作品タイトル『至って普通な男子高校生の俺、ブラック缶コーヒーで覚醒する〝孤高の眠り姫〟とふいに仲良くなっちまった件について』
著者名 ちむちー
〝孤高の眠り姫〟 それが彼女に付けられたあだ名だった。
流れるようなポニーテール。 汚れを知らぬ真っ白キメ細やかな肌。
いや、美辞麗句さえも必要ないかもな。 目にした誰もが絶世の美女と認めることだろう。
しかしながら、だ。 そんな彼女には常人とは違う一つの大きな特徴があった。
彼女は〝全ての人を拒絶する〟のである。
見た目が良ければそれだけで彼女の周りには男女共々集まってくるはず。
……まるで角砂糖に群がるアリのごとく。 けれどもそれすらも決して受け付けることはなかった。
眠り姫は今日もまた、己の世界の中でくぅくぅと寝息を立てていらっしゃる。
だが、そこに馬鹿電波ツインテールと変態秀才腐れ縁野郎も加わって……!?
高校の教室で他人を拒絶し続ける『孤高の眠り姫』。そのあだ名の通りに寝ているばかりの美しい彼女ですが、クラスメイトのヨウは偶然にも秘密を知ることとなります。
それは、カフェインを摂取した姫の喋りは饒舌であり、職員専用駐車場の奥『俺たちの集会場』を舞台にして、ヨウは特別な時間を過ごすこと。カフェインONモードとOFFモードで生じる姫のギャップは魅力的で、ヨウは目が離せずに独白を重ねます。そして姫に翻弄されるだけでなく、後輩の美佳も加わって、楽しげなお喋りの応酬が繰り広げられています。
ときには美佳の突飛な言動によって周囲が混乱している様子も、物語として良い盛りあがりとなっていました。ヨウと姫の距離感がどう縮まるのか、物語の展開が楽しみな作品です。