ox/『冒険者ギルドが十二歳からしか入れなかったので、サバよみました。』
第10回ネット小説大賞において『冒険者ギルドが十二歳からしか入れなかったので、サバよみました。』で
受賞となったKAME先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪
田舎の村から町へと単身で稼ぎに出てきた、9歳の少年キリ。知り合いの商人に働き口を紹介してもらうはずが、奴隷商に売られそうになってしまう。
どうにか逃げ延びたキリがたどり着いたのは港町にある冒険者の店「暴れケルピーの尾びれ亭」。
純粋で素直なキリは荒くれ者たちが集うこの店で、一癖も二癖もある冒険者たちに見守られながら少しずつ成長していく。
――これは一人の子供が、冒険者になる物語。
Amazon『冒険者ギルドが十二歳からしか入れなかったので、サバよみました。』
――――このたびは受賞おめでとうございます! ネット小説大賞にご応募いただいたきっかけと、受賞したときのお気持ちを教えてください。
『小説家になろう』には以前から投稿していて、なろう内のコンテストならタグ付けするだけで応募ができる手軽さもあったので応募しました。
もともと小説家になって書籍化することが夢だったので、受賞と知ったときは嬉しかったです!
――――まだ9歳の少年が知らない街で冒険者になることを選び、ギルドの大人たちとの出会いを通して成長していく物語ですね。着想のきっかけを教えてください!
ファンタジーの世界にしかない冒険者という職業に就く人達は、どんな人だろう?と深く考えたことがきっかけでした。そこでたどり着いた結論が、「冒険者って、ダメな大人が選ぶ仕事なんじゃないか」ってことだったんです。
冒険者ってコツコツやる仕事というより、命の危険があるけど高い報酬でドーンと稼ぐってイメージがあるんですね。「定職なんて面倒なしがらみや、やりたくない仕事があるし、ペコペコ頭を下げなきゃいけないから嫌だ」って人たちなんじゃないかなって。
そんなダメな大人たちのなかに、まともな子供を放り込んだら面白いんじゃないかと思ったんです。
――――ダメな大人と言えば、第1巻のキーパーソンで「腰抜け」と呼ばれているムジナ爺さん。彼のキャラクターとしての独特な魅力に惹かれましたし、作中では大きな衝撃を読者に残してくれましたね。
ありがとうございます。「勇者が子供時代に賢者に育てられる」というエピソードも多いと思うのですが、あえてダメ人間が師となって主人公を成長させていくところが本作の魅力だと思っています。
ムジナ爺さんも当初は、初老で無口で賢者に近いイメージの設定でしたが、「もっとダメな人にしよう」と思って原形が残らなくなるところまで何度もよく練り直して生まれたキャラクターでした。
だからこそ愛着もあるし、私もお気に入りのキャラクターです。
――――先生がキャラクターを書くうえで、意識されていることはありますか?
読者が覚えやすいように、キャラクターはまず一人ずつ出すのが鉄則だと思っています。
それから、つまらない説明でも楽しく進めてくれたり、見せ場じゃないところを盛り上げてくれるウェインのようなキャラクターには助けられています。
――――表紙のウェインを見たとき、格好良くて思わずニヤけてしまいました! 手前にいるキリとチッカも小さくて、すごく可愛らしくて(笑)。
実はもともとキャラクターの外見などに具体的なイメージを持っているほうではなくて、読者の想像にお任せするくらいの気持ちでいました。でもイラストレーターさんに描いていただいているうちに不思議と、「ウェインだ……!」としっくりくるようになっていきましたね。
表紙にある「冒険者の店」も、あまり大きくない港町にある、綺麗すぎず薄暗いお店の雰囲気を細かく再現していただいてます!
――――お店の雰囲気までこだわられてるんですね! 作品の舞台となる港町も、作中ですごく丁寧に描かれていましたね。主人公がいろんな場所に行くたびにドキドキしました。
本作では小さな舞台を隅から隅まで描きたいと思っていました。
主人公・キリの心情や考え方を通して、この街や世界観を等身大で楽しんでもらえるところが本作の読みどころの一つだと思って楽しんでいただけると嬉しいです!
――――いよいよ1月30日に第1巻が発売されますね! 小説版の魅力を教えていただけると嬉しいです!
小説版では、書き下ろしのエピローグがあります!
第1章を書き終えたときから書きたかったお話なのですが、その勢いのまま第2章に入っていったこともあって『小説家になろう』には掲載できなかったので、小説版で楽しんでいただけますと幸いです!
――――書籍化に向けてチャレンジしている方のなかには、『小説家になろう』のランキングに入ることを目指している方と、コツコツ書いていく方 がいると思うのですが、先生の場合はいかがでしょうか?
もともと「ランキングに入ろう!」とは考えてなかったですね。ランキングを本気で目指すとなると、1話から見せ場を作って、話をどんどん大きくして……ってすごく忙しくなると思って。
だから本作ではあえてテンプレは使わずに、じっくりやっていこう、それでいつかバズったらいいなあと思っていました。こういうかたちの作品もあるんだなって知っていただけると嬉しいです!
――――今では作品にたくさんのポイントがついていますよね! バズったのは何がきっかけだったのでしょうか?
「この作品を面白かった!」と宣伝してくれた方が居て、嬉しいことにそこから広がってくれたようです。
『小説家になろう』は読者も多いので、ポイントが伸びてない作品で面白い作品を探してくれている方もいるみたいで。
それで喜んでいたら、一気に爆発してあっという間にハイファンタジーの6位まで伸びていきました。本当に感謝しています……!
――――いろんなきっかけで伸びることがあるんですね! 執筆のモチベーションを保ち続けるために工夫していることはありますか?
執筆中によく音楽を聴いてまして、静かな場面や盛り上がる場面など、シーンに合わせて聴く曲を変えて気持ちをつくって書いていますね。
それから、毎日10時~12時と、決めた時間に書くということも習慣化しています。「書きたいときに書く」だと、書きたくないときは書かなくなっちゃうので……(笑)。
――――そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです!
第10回ネット小説大賞に応募した当初は、作品のポイントも少なかったこともあり、あまり受賞への自信はありませんでした。でも、さっきお伝えしたように思わぬかたちで作品がバズって、それが受賞の後押しになってくれたのだと思っています。
そういったことも起こりうるので、応募に悩んでいる方はぜひチャレンジをしてみてほしいです!
作品がどれだけ読まれているのかと、作品が面白いのかどうかは関係ないと思っています。自分がどんな作品を書きたいのかをよく考えて、それを信じて書き続けてほしいです。
KAME先生、この度はロングインタビューをありがとうございました!
1月30日に発売される『冒険者ギルドが十二歳からしか入れなかったので、サバよみました。』。ぜひチェックしてくださいね!
\GCノベルズから受賞作が同日発売/
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