トピックス記事

【琴乃葉先生】受賞インタビュー『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』|受賞作の見どころと『小説の書き方』について

武田ほたる /『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』

 

第10回ネット小説大賞において『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』で
受賞となった琴乃葉先生に独占インタビューを敢行!

前半では『受賞作の見どころ』、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

    

受賞作品のご紹介

後宮って、謎だらけ!? 読書好きお妃は、ちょっと不思議な医官見習いと英雄系皇子に振り回されて今日も事件を解決する!
何よりも本を愛する少女・明渓は、後宮には珍しい本がた くさんあるからという理由で、後宮入りを決意する。しか し、皇帝と夜を共にすることもないどころか、不思議な事 件にばかり巻き込まれる日々。読書で会得した持ち前の博 識を駆使して、事件を解決していく明渓だが、そんな彼女 の前に現れたのは、医官見習いの不思議な少年と国の英 雄である皇子……。「私、ただ本が読みたいだけなの に!」。後宮を舞台にした、小さなお妃・明渓の謎解きス トーリー、ここに開幕!

Amazon『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜

 

 

 

――――受賞おめでとうございます! 今回は初めての書籍化ということですが、お気持ちを伺えますと嬉しいです!

琴乃葉先生

ありがとうございます! 初めての書籍化で、長編の小説を書いたのもこの作品が初めてだったので嬉しかったです。

子どもに最初に報告したのですが、まだ漢字が多くて読むのはまだ難しいみたいで……(笑)。数年後に読んでくれるのを今から楽しみにしています!

 

――――あれ、本作は『小説家になろう』日間推理ランキングで一位を獲った人気作品だったような……?

琴乃葉先生

そうですね、ほかの作品がランキングに入ったことがきっかけで、ありがたいことに本作もブックマークなどが伸びていきました。

ただ、ネット小説大賞に応募したときにはまだ伸びていなかったので、本作よりたくさん読まれている作品が沢山あるなかで、受賞させていただけたことが有難かったし、嬉しかったです……!

 

――――本好きの主人公・明渓(メイケイ)は、後宮で起こるトラブルを次々と解決していきます。本格派のミステリーだと感じましたが、トリックを文章で表現するのは難しくはなかったですか?

琴乃葉先生

そうですね、トリックや謎解きの部分を、絵などを用いずに文字だけで説明するのが本当に難しかったです! ただ説明するだけじゃなくて情景描写や伏線も入れなければならなかったので、そういった部分の表現も大変で、何回も書き直しました。

 

――――ミステリーとなると、下調べも大変そうです……!

琴乃葉先生

調べてそのまま使える情報もあれば、トリックとして誇張しなければならない情報もあったので、トリック周りの下調べは確かに大変でした!

例えばキノコの毒についてのエピソードが出てくるのですが、本来なら症状が出るのに数日かかるところ、物語の展開上、数時間で発症するなど誇張している部分もあります。嘘や架空の物を使いたくなかったので、何とか誇張の範囲で済むように頑張りました。

 

――――主人公の明渓(メイケイ)を取り巻いている、青周(セイシュウ)などの男性キャラクターも魅力的ですよね! キャラクターの人間性で、先生がこだわられているポイントはありますか? 

琴乃葉先生

キャラクターについては、二面性があるように書きたいと思っています。

主人公の明渓(メイケイ)は、本が好きで自分の世界を持っているけれども、他人を放っとけない人情味がある女の子。青周(セイシュウ)は、文武両道でみんなが憧れる青年だけど、繊細なところがあります。

それから、僑月(キョウゲツ)はちょっと浮世離れしたところのある少年ですが、人の命を助けるお医者さんとしてはちゃんとしているというように決めていましたね。

 

――――ミステリーを書くうえで、大切にされていることってありますか? 

琴乃葉先生

余計な情報が多くなると、ミステリーとしての伏線が分かりづらくなるので、余計な情報は削るようにしていました。例えば後宮には細かい身分のランクとかがあると思うのですが、そういう情報は省いていましたね。

 

――――いよいよ12月5日に発売が予定されている本作。『小説家になろう』と、書籍版の第1巻との違いを教えていただけると嬉しいです。

琴乃葉先生

ある妃賓が落とした簪についての謎解きエピソードを新たに書き下ろしました。

それから、僑月と枇杷の葉を取りに行くエピソードも。こちらはもともと作っていたのですが、ブックマークが伸びないので話の展開を早くした方が良いかもと思い投稿しなかったエピソードで、本になるにあたり加筆修正したものです。今振り返ると、あった方がよいエピソードだったと思います。

他にも、キャラクターの人間性がより伝わるように表現が不充分だったと思う箇所を数千文字単位で書き直しました。

 

 

 

――――最後にファンの皆さんや、本作が気になっている方に向けてのメッセージがあればお願いします。

琴乃葉先生

『小説家になろう』でずっと読んでいただいている読者の方には、本当に感謝しております。本作が気になっている方には、力を入れているのは謎解きの部分ですので、ぜひそこを楽しんでいただけると嬉しいです!

 

琴乃葉先生、受賞コメントをありがとうございました!
このあとの後編では『小説の書き方』を伺っていきます!

 


 

――――書籍化するため、なろうで人気連載にするために意識していることはありますか?

琴乃葉先生

『小説家になろう』の人気の作品は読むようにしています! ほかのジャンルであっても「こういう展開が面白いんだな」というのを参考にしていますね。『小説家になろう』ってやはり独特の流行や世界観があるので勉強しています。

 

――――普段はどれくらいのペースで執筆されていますか?

琴乃葉先生

1日2000~3000字です。仕事や子育てと両立しなければいけないので、電車のなかや家事の隙間時間など、時間を見つけて書いています! 

 

――――プロットなどは、事前に作り込まれていたのでしょうか?

琴乃葉先生

事件のトリック、伏線を事前にいくつか作り、それらを主人公が関わりやすいような話題に膨らませて、物語にあう順番に並べていきました。がっちり固めすぎると修正するのが難しくなるので、可動域のあるプロットにしています。

 

――――たしかに本作では、伏線がきれいに張り巡らされていると感じました……! 工夫されていることはありますか?

琴乃葉先生

伏線と伏線を繋いでいくイメージで小説を書くようにしています! それから、半分くらい物語を書き進めたところで矛盾を洗い直していますね。

 

――――処女作でミステリーを書くというのは難しそうですが、このジャンルを選んだ背景などはありますか?

琴乃葉先生

子供の頃からミステリーばかり読んでいたので、自然とミステリーを書こうと思っていました。子供の頃に集めていた小説も、意識はしていなかったのですがミステリーばかりで……。

 

――――トリックのネタなどは、どのように考えられているのでしょうか?

琴乃葉先生

そうですね、今までの人生で触れたことがあって、頭の中に残っているものを調べなおしたりして作っていきます。「大麻の葉と似たものがあるって聞いたことがあるな」という、テレビなどで耳にした情報を記憶から引っ張り出してネタを作っていく、といったイメージです。

受賞作に出てくるアジサイの花のお話も、小学生のに時みていたテレビ番組で知った情報を何となく覚えていて、そのネタを使いました(笑)。日ごろからテレビを見ながらメモを取っておくこともあります。

 

――――『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます~』というタイトルをつけたときに、意識したことがあれば教えてください。

琴乃葉先生

まず、主人公が読書が好きってことが伝わる言葉を探して『愛読家』という言葉を選びました。

それから中華ものだと分かるように舞台となる「後宮」という言葉は絶対入れたいと思っていました。

あとは、タイトルはニュアンスが反対になる言葉を入れておくといいというノウハウをネットで読んだことがあったで、「慎ましく」『駆け抜ける』という言葉も入れました。

 

――――そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。

琴乃葉先生

本作は『小説家になろう』でなかなか伸びず不安だった時期もあったのですが、こうして受賞することができました。これから挑戦する方にも、ぜひ自分が面白いと思ったものを書いていただけたら嬉しいです!

 

琴乃葉先生、この度はロングインタビューをありがとうございました! 

12月5日に発売される『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』。をぜひチェックしてくださいね!

 

    

ページトップへ