ネット小説大賞

【青空あかな先生】受賞インタビュー|受賞作の見どころと『小説の書き方』について

追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました/イラスト 祀花よう子

 

第10回ネット小説大賞において『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました』で
受賞となった青空あかな先生に独占インタビューを敢行!

前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

    

受賞作品のご紹介

理不尽に捨てられた公爵令嬢の愛され生活!

公爵令嬢のウェーザは、未来の天気を100%言い当てることが出来る特殊スキルを持っており、長らく『王宮天気予報士』として仕えていた。
しかしある日、婚約者の第一王子から突然の婚約破棄、国外追放宣言をされ、辺境の地へ追いやられてしまう。頼る人もおらず路頭に迷っていたところ、黒髪の青年ラフに拾われる。
「…お前、明日の天気がわかるのか?」――優しい農業ギルドの天気予報士として、ウェーザは幸せな人生を歩み出す!

Amazon『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました

 

 

 

――――この度は第10回ネット小説大賞での受賞、おめでとうございます! 受賞を知った時のお気持ちを教えてください。

青空あかな先生

ネット小説大賞さんは二年ほど前、執筆をしたときから知っていました。

憧れていたコンテストだったこともあり、いつか挑戦したいなと思っていたので、受賞を知った時には驚きましたがとても嬉しい気持ちでした。

 

――――受賞作『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました』は、『天気』と『農業』をテーマにした作品ですね。これらをテーマにしようと思ったきっかけを教えてください。

青空あかな先生

ニュースの天気予報を見ているときに、『天気』をテーマにすると面白いかもと思ったことがきっかけです。『天気』と深くかかわりがあることは何だろうと思ったときに、『農業』が良いなと思い、この2つがテーマになりました。

 

 ――――不愛想だったヒーローが、次第にデレを見せてくれる様子に思わずニヤリとしていまいます…! 主役の二人は先生にとって、どんなキャラクターでしょうか?

青空あかな先生

お似合いなのはもちろん、お互いをよく理解しあっている二人だと思っています。
ヒロインは真面目で頑張り屋さんで、ヒーローは無骨で近寄りがたい雰囲気がありますが、心がすごく優しいキャラクターです。

 

 ――――農業ギルドのメンバー達をはじめ、キャラクターが本当に個性豊かで賑やかに物語が進みますね! キャラクターの個性などはどのように決められていったのでしょうか?

青空あかな先生

キャラクターの個性は執筆前の段階から決めていました。まずヒロインとヒーローの二人から決めていき、他のキャラクターは二人にはない個性になるようにしました。

 

 ――――全体のバランスを見て、キャラクターの個性を決めているのですね!

青空あかな先生

そうですね。例えば、第一王子が、ヒロインを追放する自分勝手なキャラクターなので、第二王子は彼と対比になるように真面目で国のことを大事に思っているキャラクターにしました。

 

 ――――第1巻では、そんな魅力的なキャラクター達が生き生きと描かれていますね。ぜひ第1巻の見どころを教えてください!

青空あかな先生

『小説家になろう』版から大幅に加筆させていただきました。

番外編として、紙と電子書籍の両方にSSをご用意しており、人気がありそうなあのキャラたちが主人公なので、本編と一緒に楽しんでいただけたら幸いです。

また、祀花よう子先生の大変素晴らしいイラストをぜひ見ていただきたいです。

 

 

 ――――最後に、ファンの皆様や作品が気になっている方々に一言いただけると嬉しいです!

青空あかな先生

Mノベルスfさまから11月10日に発売します! 不愛想なヒーローがヒロインにやさしくなっていく過程はもちろんのこと、農業ギルドのメンバーとの楽しいやり取りをお楽しみいただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします!

 

 


 

――――小説はどんなツールで書かれていますか?また、小説を書くときに便利なもの、集中するための環境づくりなどで、オススメがあれば教えてください。

青空あかな先生

執筆パソコンで行っていて、WordとNolaというアプリを使っています。
Nolaはプロットを作るときに使っています。プロットを作っていくとき、エピソードの順番を入れ替えることが簡単にできるので本当に便利です。

また、Nolaは執筆の文字数を自動的にカウントしてくれるので、今どれくらい書いたかも分かり易くて助かっています。ちなみに長編を書くときは、いつも10万文字を目標にして書いています。

 

――――私もNolaのアプリを覗いたことがあるのですが、UIが凄く分かりやすくて使いやすそうですよね! 執筆環境はどのような感じでしょうか?

青空あかな先生

普段は自室で作業しています。なかなか集中できない時には、イヤフォンして小さめのボリュームで、雨が降る音や環境音とかをBGMにして書くと集中できます。

 

――――書籍化するため、なろうで人気連載にするために意識していることはありますか?

青空あかな先生

毎日更新できるように、書き溜めてから連載を始めるようにしています。更新の感覚が空いてしまうと、その分だけ読者さんが離れて行ってしまうので……。

私自身も、『小説家になろう』に投稿を始めたとき、色んな作家さんのアドバイスなどを見ていました。そのとき、毎日更新をすることや、書き溜めておくことの重要性を知って、私も実践するようにしました。

 

――――事前に勉強されたことを、着実に実行されてきたんですね。実際にやってみて、効果はあったと感じましたか?

青空あかな先生

実際に執筆活動を続けていく中で、具体的なアドバイスを心に留めておくことは大事だったな、というのは実感しています。そうすることで、作家になるまでの道すじがより具体的になるような気がしたんです。
創作の分野にぼんやりとした憧れがあったんですけど、最初は何をすればよいのか分からなくて。だけど1冊の書籍を出すのにまずは10万字を書くとか、『小説家になろう』でよく読まれているファンタジーから書いてみましょうとか、そういうアドバイスが自分の道しるべになってくれたと思います。

 

――――なるほど、そうしたアドバイスが小説家になるまでの道しるべになる、という考えはすごく納得です……! 先生の場合は、2年間それを続けてきてデビューに繋がったんですね。

青空あかな先生

そうですね。「自分の作品を本にしたい」という気持ちで執筆を始めて、1年間は結果を気にせずにまずは頑張ってみようと思っていました。

1年頑張ってみて、結果が芳しくないとなったらやり方を見直そうと思っていたら、執筆していくうちに小説を書くのが楽しくなっていきました。

 

――――執筆に詰まることはありますか?

青空あかな先生

詰まることは多々あるんですけど、歩むのが遅くなっても歩むことをやめないことが大事だと思います。

10万字と言っても1文字の積み重ねなので、10文字20文字でも先に進めていくことを意識していました。

 

――――執筆前に、プロットを作成されていますか?

青空あかな先生

1話につき1プロットを作っています。本作だと『小説家になろう』に約40話掲載しているので、40個くらいプロットを書いていますね。
このプロットを組む工程に一番時間が掛かってしまいます。ただ、詳しく書きすぎるとなかなか本文を書くところまで進めなくなってしまうので、箇条書きで3つ~4つほど書いておいて、それ以上は書かないようにしています。
具体的には、1つの箇条書きにつき「ある日突然、婚約破棄される」くらいの内容になります。

 

――――40話分のプロットを、最初に1話分ずつ分けて作るって、かなり丁寧に作成されていますね!そうなると、予定通りにいかないこともあったりしますか?

青空あかな先生

そうですね、予定通りに進まずに展開がズレていくケースはあります。出そうと思っていたキャラクターを出さなかったりとか……(笑)。

そういったときには、プロットに無理やり合わせるのではなく、本文の流れに合わせてプロットを見直して、調整しています。

 

――――キャラクター設定は、事前にどれくらい決めているのでしょうか?

青空あかな先生

キャラクター設定では、名前・性格・外見・スキルを最初に考えています。でも、事前に決めるのは箇条書きで3~5行くらいと決めていますね。

というのも、本文を書いているときにキャラクターの性格だとか特徴が決まっていくことが多いので、最初は簡単に決めちゃって細かいところは書きながら詰めていくことが多いんです。

 

――――青空先生の作品って、読んでいても誰が話しているかがすぐに分かって読みやすいですよね。特に本作に登場する、活発な女性キャラクターのアグリカルは凄く覚えやすかったです!

青空あかな先生

ありがとうございます。キャラクターの口調が決まっていると、登場人物が何人いても区別が付けやすいですね。あとは一人称も、女性だと「私」と「アタシ」、男性だと「僕」と「俺」などで区別しています。
例えばアグリガルは男っぽい口調なので、話すときには一人称を付けて女性だと分かるように工夫していました。

 

――――なるほど……! 読者にとっては無意識に読み進めている部分でも、先生の工夫や配慮によって読みやすくしていただけていたんですね。文章を書かれるときに、ほかに意識していることはありますか?

青空あかな先生

文章は、基本的に「一文一義」になるようにしています。これは「1つの文章に1つの意味しか持たせない」という意味の言葉ですね。読者さんがすぐに理解できる言葉を選ぶようにしていたり、長い文章は2つの文章に分けたりすることを大切にしています。
連載していくなかで、内容が難しくなると読まれなくなってしまうと思うので、読みやすさはかなり意識していますね。

 

―――――タイトルをつけるときに、意識していることがあれば教えてください。

青空あかな先生

主人公に何があって、最終的にどうなるのかが分かるようにしています。『小説家になろう』だと100文字までタイトルを書けるので、めいいっぱい使っている作品もありますね。

たくさんの小説があるなか、どれだけタイトルで読者さんの興味を引けるかはやっぱり大事だと思います。

 

――――わあ! 過去作を見ると、本当に100文字ぴったりがありますね……! そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。

青空あかな先生

私などがアドバイスをするのは恐縮でございますが、特に魅力的なキャラクターを書くことが大切なのかなと思います。キャラの魅力はそのまま作品の魅力になるので、ぜひ読んでいて楽しくなるようなキャラたちを考えてみていただけたらと思います。

 

青空あかな先生、この度はロングインタビューをありがとうございました! 

11月10日に刊行される『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました』。発売を心より楽しみにしております!