第10回ネット小説大賞において『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』で
期間中受賞となった森月真冬先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪
愛しの「ラメン」よ、もう二度と、あの味に出会えないのだろうか……?
私はエルフのリンスィール、エルフ1の食通だ!
城下町ファーレンハイトに、不思議な車を引いて世にも奇妙な料理をふるまう男が現れた。料理の名前は「ラメン」……それは一口食えば、天にも昇る味である!
私はあっという間に「ラメン」の虜となり、毎晩、街角でその男を待ちわびていた。
しかし、ある夜を境に、男は消えてしまった……『友』と呼べるほど仲良くなった男は、私の前から姿を消してしまったのだ。それから二十年、私はもう一度だけでも「ラメン」を味わいたくて、同じ街角に立ち尽くしている。
ああ……愛しの「ラメン」よ、もう二度と、あの味に出会えないのだろうか……?
そんな風に絶望していた、その時だ。
チャラリ~チャラ~♪ チャラリチャララ~♪
……なんとっ!? 聞こえてきたではないか、あの独特の笛の音がっ!
私は涙さえ流して、男の帰還を喜んだ。
しかし、そこに現れたのは、あの男の『息子』を名乗る、レンという料理人だった。
「あんた……昔、親父が世話になった人だろ? よっしゃ! 俺が、美味いラーメンを食わせてやるよ!」
しかし、目の前に出されたのは……あの男の食べさせてくれた「ラメン」とは似ても似つかぬ、奇妙な物体だった!
「ち、ちっがーうっ! こんなのはラメンじゃなーい!」。
――――この度は受賞、おめでとうございます! 今回は期間中受賞でしたが、入賞のお話を聞いた時はどのようなお気持ちでしたか?
また、第10回ネット小説大賞にご応募されたきっかけを教えてください。
受賞を知ったときは嬉しかったですね。まずは友達に報告して、大好物のクリームあんみつをご褒美に食べました(笑)。
ネット小説大賞は『小説家になろう』に投稿し始めた頃から知っていたこともあって、タグを付けるだけで気軽に応募できるので参加しました。今回で応募は2回目か3回目くらいになります。
本作は前回、最終選考まで残りましたね。それで今回、初めて協賛企業として参加された主婦と生活社様にご選出いただきました。
――――異世界に突如ラーメン屋台が表れ、その美味さでエルフ達を虜にしてしまう本作。これから読んでみようと思っている方々に向けて、著者である先生から作品の魅力となるポイントを教えてください。
エルフとドワーフが、ラーメンを美味しそうに食べているところを楽しんでもらえると嬉しいです!
自分が好きなものを、他人にも好きになってもらえると嬉しくなりますよね。特に、その相手が外国の方だったり人種を超えた方だったりと、自分から離れているほど、「好き」を共有できる嬉しさは大きくなるのではないかと考えています。例えば、日本のラーメンを外国の方に嬉しそうに食べてもらえると、嬉しくなるみたいな感覚ですね。
そういう醍醐味を、この小説で味わっていただけると嬉しいです。異世界のエルフ達が、日本のラーメンを美味しそうに食べる姿をぜひ楽しんでください!
――――導入のラーメン屋台の描写が、読んでいてとても味わい深いです。ラーメン屋台にまつわる思い出などはありますか?
子どもの頃、年末の寒い時期だったと思うのですが……近所にラーメン屋台が来たことがあって、家族みんなで食べに行きました。
そのとき、カウンターに置いてある小さなテレビから、ラピュタが流れていた光景がすごく印象に残っていますね。
――――本作の題材をラーメンに選んだきっかけはなんだったのでしょうか?
夜中にお酒を飲みながら口笛でチャルメラを吹いていたら、エルフが赤提灯の下でラーメン食べている絵が浮かんだんです。そこから着想を得て、本作を書き始めました。先ほどお伝えしたように、子どもの頃にラーメンを屋台で食べた思い出があったからかもしれませんね。
あとはグルメ系の仕事をしていたこともあって、もともと食べるのが好きだったことも理由の一つです。
――――美味しそうなラーメンの描写が魅力的ですが、どのように書かれているんですか?
本作には色んな種類のラーメンが出てくるので、まずは自分で食べに行って、感想などを文章に落とし込んでいきます。だから、グルメ漫画もよく読むのですが明確にあの作品を参考にした……といったことはないですね。
――――普段からラーメンをよく食べられるんですか?
もともと麵類が好きなこともあって、ラーメンは普段からよく食べています。新しい店ができたら入ってみたり、SNSでチェックしたり、人から教えてもらったり……いろんな方法で情報を集めています。
――――先生のTwitterにもラーメンの写真がたくさん掲載されていて、ラーメン愛が伝わってきます! 最後にファンの皆さんや、本作が気になっている方に向けてのメッセージがあればお願いします。
ラーメンが嫌いな日本人なんていません(笑)!
エルフやドワーフと一緒に、ラーメンを食べている気持ちで作品を読んでいただけると嬉しいです。
森月真冬先生、受賞コメントをありがとうございました!
このあとの後編では、森月真冬先生に、『小説の書き方』をテーマにインタビューしてみましたのでぜひご覧ください!
作家デビューの支援を続けてきたネット小説大賞も、ついに第10回を迎えました!
そこで今回の受賞者インタビューでは、受賞作家様に、ぜひ後進の皆さまに向けて『小説の書き方』アドバイスをいただければと思います。
――――執筆前に、プロットを作成されていますが?作成されているとしたら、執筆前にどのような項目を決めていますか?
プロットは作りませんね。プロットがないので詰まることも多いのですが、細かいところを想像しながら確かめるように書き進めていくやり方が、自分には合っているようです。
登場人物のビジュアルもあやふやで、ぼんやりと頭にタオル巻いているイメージがあったくらいの状態から書き始めました(笑)。
―――執筆ペースを教えてください。
仕事と両立しながら、週3~4回のペースで書いています。いつも夕食後、1時間~2時間くらい時間をかけていますね。
―――どのように文章を書き進めていますか?
まずは5000字~7000字くらいザっと書いて、その内容を整理しながら3000字~4000字に削っていきます。
詰まったときには一度、お酒を飲んだりマンガを読んだりして、意識的に忘れるようにします。そうしていたら、翌日になってふっと解決策が浮かんできたりすることが多いですね。
――――文章を書かれるときに、意識していること、注意していることはありますか?
1つのシーンに登場人物が5人以上いると、読者が状況を把握することが難しくなると思うので、その点は気を付けています。それから改行が少ないと読みづらいので、一応、3行くらいを改行の目安にしていますね。
他にも、伏線は特に意識してないですが、謎のまま残ってしまった部分はできるだけ回収するようにしてます。
――――最後に、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。
好きなことを仕事にしちゃいけないってよく言いますが、好きなことを仕事にできたら幸せだと思います。
だからこそ書くことが嫌いにならないように、続けていっていただけたらと思います。
森月真冬先生、ロングインタビューをありがとうございました! 『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』の発売を心より楽しみにしております!