絶賛開催中の『短編企画賞』第一弾であるチャット小説アプリコンテスト!
今回は『名前のない怪物』で第5回ネット小説大賞のメディア賞を受賞し、現在『peep』でも執筆活動を行っている黒木京也先生に、執筆者目線でのチャット小説の魅力を教えていただきました!
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現在『peep』で私の担当をして下さっている編集さんにお声かけして頂き、チャット小説という世界を本格的に知りました。
「色んな物語を書いて欲しい。あと、可能なら黒木先生にはぜひ狂った女の子を書いて欲しい!」と言って貰えたのがきっかけでした。
色々な意味でぶっ飛んだキャラクターを書くのが好きなので、嬉しかったのを覚えています。
私個人としては、物語を書く上で大きな違いは感じておりません。それでもあえて言うならば構成の密度でしょうか。
チャット小説の場合だと、文章は一・二行。どんなに多くても三行で文を切らなければいけません。
なので、より限定された短い文の中に伝えたい要素を盛り込まなければいけない点が、文章にある程度自由がきくWeb小説との違いであり、面白さだと思います。
手軽に読める。という点では書籍やWeb小説と変わらないかもしれませんが、読み終えたらページをめくる。スクロールするという従来の読み方の中に、画面をタップして物語を流していく。
という新しい世界を加えた点が革命的だと思います。
これからチャット小説に触れるという方には、この今までにない新鮮な読書体験をぜひ味わってみて欲しいです。
作者さんによって制作のスタイルは違うのかもしれませんが、私の場合は基本的には作り上げたい物語の設計図――タイトル、ジャンル、キャッチフレーズ(その作品において読者を捕まえる為の煽り文句的な)、登場人物、
大まかな結末までの流れ等を記した企画書のようなもの――を編集さんにいくつかお渡しし、良さげと思って頂けたものをチョイス。一緒に内容を細かく詰めていきます。
その後実際に執筆し、修正等を加えて完成した物語をpeep専用の制作ツール(peepの公式作家さんになった方にもれなく渡されます)に入れて終了。
後は掲載日までドキドキ、ワクワク、ビクビクしながら待ちます。
読みやすく、面白く。は勿論のこと、続きが気になる! 次は? と思って貰えるような物語構成を心掛けています。
また、キャラクターの造形は一人一人背景や裏要素等を含めてしっかりと組み立てております。
このキャラクターの活躍がもっとみたい! 好き! 嫌い! 等、色々な感情を物語に持っていただけたら一作者として幸せです。
作画担当の棚橋なもしろ先生が描いてくださった、最終話のワンシーン。
あの場面にキャラクター達を巻き込みたかったが為に『冤罪紛争』は生まれたといっても過言ではありません。
また、電車に乗った時にでもこの物語を思い出して少しだけゾクリとして貰えたらいいなぁ……辺りも考えていたかもしれません。
●冤罪紛争
『冤罪紛争』 それは学園の水面下で横行する謎の陥れ合い。高校生、桐生頼人もそれに巻き込まれた被害者だ。
痴漢冤罪を被せられ、大切な幼なじみや友人は相次いで傷つけられる。とうとう我慢の限界に達した頼人は、
同じくこの事件に心を痛める女子高生と共同調査に乗り出した。彼女の名は高坂夏穂。頼人を痴漢冤罪から救った恩人であり、
進学クラスに在籍する才女である。二人は手を取り合い、騒動の解決に奔走するのだが……。
チャット小説では現在ホラーと恋愛が特に人気であると聞きます。
実際に『peep』でもそのジャンルの作品数が圧倒的に多いです。が、個人的にはチャット小説はまだまだ開拓の余地が沢山ある世界だと思っております。
そういった意味では誰もが先駆者や開拓者、期待の超新星となるのも夢ではないと感じます。
なので自由にかつ自分が書いていて楽しいと思える作品でまずは飛び込んでみることをオススメします。
―――本日はありがとうございました!
●黒木京也
第5回ネット小説大賞で『名前のない怪物』がメディア賞を受賞。
書籍とコミカライズが発行され、好評を博している。
また、チャット小説アプリ『peep』で連載も行っており、幅広い分野で活躍中。
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