第4回「ネット小説大賞」金賞受賞者「時野洋輔」先生へのインタビューです。
ありがとうございます! 次はグランプリ目指してがんばります。
はじめまして。時野洋輔です。小説家になろう様の中で連載している「異世界でアイテムコレクター」「成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです(以下、成長無職)」が、第四回ネット小説大賞にてW受賞し両作品ともに新紀元社様より書籍化させていただきました。よろしくお願いします。
ライトノベルにはまったきっかけとなったのは、神坂一先生の『スレイヤーズ』ですね。子供の頃に同作のアニメで見ていたのですが、大学時代になってライトノベル版をまとめ買いしました。小説といえば難しい言葉が並べられている堅苦しい物というイメージがあったのですが、『スレイヤーズ』が私の先入観を全てを潰してくれました。あの本がなかったら、きっと自ら筆を取ろうとなんて思わなかったですね。その神坂一先生の『日帰りクエスト』は異世界転移作品の先駆けであり、そういう作品を書いている人にはぜひ読んで貰いたいです。
あれを読まなかったら、きっと私は異世界小説を書いていなかったと思います。
執筆速度はそれほど速いという自覚はないのですが。でも執筆を続けるコツは、読者様に「毎日更新する」と宣言することですね。嘘つき呼ばわりされたくなかったら毎日書くしかなくなります。(ただし、締め切り前でも更新しないといけなくなります。編集さんを困らせることになりますため、注意してください)
先程の答えと被るのですが、成長無職などでアイデアが行き詰まると、活動報告で「明日更新します」と書きます。そうすると、書かざるを得ませんから。常に背水の陣です。(編集さんに〇〇日締め切りでお願いしますと言われても、その一週間前まで何もできません。背中に水が来るまで動けません)
これは、私がオンラインゲームをするときに課金して経験値二倍などで遊んでいたから、ということもありますが、一番の理由は時間ですね。
この作品を作る時、本当に時間がなかったからですね。書き始めたのは12月、ネット小説大賞の締め切りは2月初め。どこまで書けるかわからないのに、ちまちま主人公のレベル上げをしている余裕がなかったというのが大きいです。レベル上げ作業する余裕がなかった。
同じく、複数の職業を一度に設定できるようにしたのも、いちいち職業を変更して育てる時間がなかったからです。
そんな設定にしたせいで、ステータス管理が面倒になったわけですが。
とりあえず、主人公や読者にツッコミを入れさせたいと思っていますし、弱点は必ず用意したいと思っています。
例えば、ヒロインのハルはクールビューティーの完璧ヒロインですが、主人公の一之丞が貶されると逆上しそうになったり、ポーカーフェイスは完璧なのに尻尾で感情がバレバレだったり、とてもお酒に弱かったりします。弱点は、それを克服することで強みになり、成長物にとっては絶対に必要ですから。
まぁ、ジョフレとエリーズの「バカ」という弱点は決してなくならないのですが、でもその「バカ」を短所から長所に変えることはできると思います。
それでも、キャラクターを上手に思いつかないときは、とりあえず属性を書きだしますね。
「ヤンデレ」「ツンデレ」「ドロデレ」「クール」「眼鏡っ子」「ボクっ子」「暴力」「露出多い」「大食い」「音痴」「料理下手」「料理上手」「商売上手」「中二病」「騙されやすい」etc.
それだけ書きだして、ランダムで数字を選び出すソフトを使い、複数の属性を選んでキャラを作ったりします。
たまにこんな感じでキャラを作り、そのキャラを作ってからストーリーを考える、というキャラクターありきの作品は、きっとキャラクターの魅力を引き出すストーリーになります。
実は成長無職の一巻と、今度発売の二巻もヒロインありきで作成したストーリーです。
コメディの部分では、間の取り方を意識することはありますね。大阪人はボケとツッコミの間を子供のころから学ぶことができる環境にありますから。
間の取り方って、実生活だと時間で、文章でも「……」で書くことができますが、基本は文字の量がそのまま間になります。
ボケとツッコミの間に長い地の文を入れたりしたら、通常の場合間を潰すことになりますが、逆に高度すぎて普通にツッコミを入れるのに時間をかけて吟味する必要があるとすれば、その時は会話と会話の間にゆっくりとした動作を入れて間を演出したりはしますね。
見本刷りの本が届いたときも感動しましたが、本屋に並んでいる時の感動はやはり違いますね。私が大好きな先生たちの本と、私が書いた本が同じ本棚に並んでいるというその光景は心のメモリに永久保存です。
長編作品を書かれている方は、書籍化を目標としているコンテストですから、とりあえず10万文字から15万文字を一冊の本として出せるような構成を考えるのは必要だと思っていました。が、一冊該当部分が7万文字や6万文字でも十分です。受賞後、鬼のように加筆したらいいだけの話ですから(遠い目)。
でも、一冊の構成を考えることは忘れないでほしいです。「起承転結」という言葉はここに応募されている人は知っているともいますが、「起」だけで一冊になってしまわないようにはしていただきたいです。
あと、先ほども申しましたが、成長無職を書き始めたのは12月です。これを皆さんがいつ読んでいるかわかりませんが、もしも12月や1月に読んでいて、「いまからじゃ間に合わないから、来年頑張るか」とか思っている人がいたら、それは違います。まだまだ間に合いますから、まずは書いて下さい。
『異世界でアイテムコレクター』は毎日更新します。
ありがとうございました。いつの日か、グランプリのインタビューを受けられることを願ってます。