第3回「なろうコン」グランプリ受賞者「泉」先生のインタビューです。
ありがとうございます。
えー、皆様はじめまして。この度第3回なろうコンでグランプリを受賞させていただいた泉です。小説家になりたいという十数年越しの夢が叶い、ライトノベル作家としてデビューすることになりました。
はい、いくらでもどうぞ!
実は俺フラには雛型というか、原案があるんです。大学時代にちょこっとだけ書いていた小説があるんですが、結末の決まった未来をなんとか変えようとする、という題材はそれから引き継いだ部分になります。
その小説は自分の死ではなく、友人の死を回避するために奔走するという話でした。ただしこれは現代を舞台にした話だったので、異世界ファンタジーが主流になっている小説家になろうにはあまり向かないだろうという感じでした。そこでなろう向けの要素を取り入れて書き替えたのがこの『俺の死亡フラグが留まるところを知らない』なんです。
正直に言うとセリフが勝手に変換される設定はちょっと後悔してます。皮肉ったり刺々しいセリフを考えるのが面倒なので。
まあそうなることは目に見えていたので自業自得なんですけどね。でも普通に話せると釈明できてしまうので、それでは作品の醍醐味のひとつである勘違いという要素を活かしきれない。ならいっそ自分の言葉で話せないようにしてしまえ、ということでこの設定を採用しました。
予定外から生まれた、とは少し違いますが、エリカの兄であるイツキは直前まで登場する予定じゃありませんでした。どのくらい直前かというと、イツキの初登場は19話だったと思うんですが、その前の話を書いてる最中に思いついたくらいです。
それも、エリカが嫁いだらスメラギの家督を継ぐ奴いないじゃん、という割りと蛇足な理由でした。生まれたのが予定外、というキャラクターですね。
数々の死亡フラグに立ち向かうハロルドの勇姿をどうか応援してあげてください。
そうなります。当初の設定だとゲームのハロルドはダークヒーローというか、王道な主人公のライナーとは真逆の存在として、W主人公のような立ち位置にしようと考えていました。
でもそれだと二人の主人公の片方にだけスポットを当てることになって、ライナーの影が薄くなってしまう気がしたんです。それを避けてお互いの存在をより際立たせる狙いもあって今の形になりました。
所々ではありますがライナー達、主人公側の視点による原作の進行は描いていく予定です。ハロルドが関わらない場面で彼らが何を考え、どう動いていくのかも大切なので。
そしてそれが間接的にハロルドの死亡フラグに繋がれば最高ですね。
俺フラに伏線と呼べるほどの伏線は張られていないのでサラサラっと読んでいただければ。
気に入っているシーンを上げるのは難しいですけど、強いて挙げるならハロルドの鍛練を盗み見たユノがバレて釘を刺されたと勘違いするところですね。ユノ視点の緊張とハロルド視点の緩和を上手く対比できたんじゃないかと思ってます。
自分が想像していた以上に格好いいな、とはやっぱり思いました。ハロルドは髪は黒、瞳の色は赤、みたいに大雑把なイメージしかしていなくて細かい部分までは考えてませんでした。イラストを担当していただいたAちきさんが私のイメージをバチっと形にしてくれた感じですね。
というか想像以上で、「おお、ハロルドはこんなに格好よかったのか」と感動したくらいです。
これに関しては本当に申し訳ありません。更新の遅さに対する感想がたぶん1番多くいただいていると思います。
私としてもなんとか更新速度を上げたいと思い書いているのですが、それを形として表せないのは私の力不足に他なりません。不甲斐ない話ではありますが、それでもできうる限りの努力をしていきますので、これからも応援していただければ嬉しいです。
RPGで挙げるならテイルズシリーズです。特にデスティニーとヴェスペリアが好きで、小説の中でモチーフにしている部分もあります。
あとはパワプロや零、絶体絶命都市なんかもシリーズを通してよくプレイしてました。
これはあくまで私を例にした話ですが、私はまず“異世界”や“チート”といった、小説家になろうで人気のある要素を盛り込んだ、いわゆるなろうテンプレの小説を投稿しました。
その中で感触の良かった部分や自分が書きやすい要素を見極めて、逆に不評な部分や書きにくい要素を削ぎ落とす作業を行うためです。要するに人気が出そうな話を徹底的に狙って書きました。
書きたいものを書いて評価されるに越したことはないのですが、私にはその力がなく、それでも諦めずに小説家になる方法を模索した結果が今回の受賞に繋がりました。
次回のコンテストにも様々な思いで参加される方がいるかと思いますが、小説家になりたい方はその気持ちだけは失わずに臨んでいただきたいと思います。
ありがとうございました。