著者 | 八木美帆子 |
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イラスト | ふすい |
とある地域交流センターに、水曜日の夜にだけピアノを弾きにくる女性がいた。
彼女はいつしか『水曜日の君』と呼ばれるようになっていて、
毎回受付をする“彼”も彼女--鎧塚ケイのことを気にかけるようになっていた。
しかし二人は、利用者と職員という立場。想いが募る前に、“彼”は異動を受け入れてしまい……。
『水曜日の君』と週に一度だけ会う関係が、すこしずつ変わっていく。
ピアノの奏でる旋律のように、歩くような速さで。不器用な二人の、すれ違う恋の練習曲(エチュード)。
好きになった人の名前を呼んで、気持ちを伝える……簡単に思えるけれど難しい、大人の恋の物語。