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今回は第二回なろうコン(現:ネット小説大賞)で『神様は異世界にお引越ししました』(
1~6 宝島社)が受賞、『地方騎士ハンスの受難』がアルファポリスから書籍化&コミカライズ、その後『猫と竜』が宝島社より発売され、
コミカライズも開始している『アマラ』先生にお越しいただきました。
担当K(以下:K)お疲れ様です。ご無沙汰しています。お忙しいところお時間をとっていただきありがとうございます。
『アマラ』先生(以下:アマラ)お疲れ様です。よろしくお願いします。
Kまずはアマラ先生がこの業界に入ったきっかけを?お教えいただいてよろしいでしょうか。
アマラ第二回のなろうコンですね。それと同時に、アルファポリスで書籍化したこと、でしょうか。この二つはホントに同時で、本も同時に出たレベルです。どっちが先できっかけだったか、というようなものではなく、どっちも同時だった、という感じです。今までさんざん苦労してデビューできなかったのに、突然、降って湧いたように奇跡が起こったわけですね。きっと日ごろの行いが良かったからだと思います。
Kなるほど。確かに同時デビュー的な扱いでしたね。当時はまだ『小説家になろう』からの書籍化も珍しい時代だったと思います。そんな中、コンテストに応募したきっかけと、応募してみてわかったことは何かありますでしょうか?
アマラ応募したきっかけは、なろうのホームページで見たことでした。第一回の大会から存在は知っていたのですが、参加は第二回からです。それまで賞と言えば一冊分まとめて作るものが多く、当時の私にとってキーワードをつけるだけ、という参加方法は新鮮でした。まあ、その前からそういう形式のやつは有ったのかもしれませんが、少なくとも私が知ったのはなろうコンが初めてだったわけです。その初めての大会で受賞できたわけで、よほどアマラさんの日ごろの行いは神懸かっていたと言わざるを得ません。
K実際日頃の行いというのは、日ごろからの積み重ねということでしょうか?
アマラもちろん、そういう意味も含みます。結局のところ、小説は自分で考えた物語を、文字として起こす作業ですから。言葉の積み重ね、というんでしょうか。そういうのが無いと難しい作業だと思っています。ただ、今の時代、情報の蓄積、というのも大切だと思っています。どんな話が流行っているかとか、どんなことが起こっているか、あるいは、どんな賞があるか、等々。兎に角、様々なものの蓄積があったほうが、物事は美味く生きやすいんじゃないかな、と思っています。あ、当然、善行的な意味の「日頃の行い」も大切ですよ!
Kさて、今回はワンポイントアドバイスということで、執筆上の質問に入っていきたいのですが、アマラ先生が物語を書き始める時にまず着手されることは何がありますでしょうか?
アマラ私は小説を書くとき、「こんなキャラクターが居たら面白いんじゃねぇーか」というのを最初に考えます。そのキャラクターが居る世界観を、後から作る訳です。ですので、キャラクターに合わせで物語を作る、というのが実際の所でしょうか。
K実際にライトノベルを語るうえでキャラクターの魅力は切っても切り離せないですからね。ではキャラクターを作成する時にはどういった切り口で作成されているのでしょう?
アマラ先ほども言いましたように、「こんなキャラクターが居たら面白いんじゃねぇーか」という妄想から始まります。そういうのを思うきっかけって、結構そこら中に転がっていると思うんですよ。例えば本屋さんで、「私立探偵の痛快推理!」みたいなポップを見たとして、自分ならどんな私立探偵を作るか、とかですね。そう考えると、ほかの作家さんの作品や、マンガ、日常で出会った人など、考えるきっかけはそこら中にあると思います。あとは、どのぐらいそれを拾えるか。自分のアンテナが広がっているか、でしょうか。まあ、私もかなり取りこぼしてると思うので、もっと精進していきたいと思います。
Kありがとうございます。新規に作品をかきおろして応募される方へのアドバイスをいただきましたが、コンテストには、現状の物語に手を加えて応募される方もいらっしゃいます。ある程度物語が書きあがった状態で改稿(面白く)するにはどうすればいいと思われますか?
アマラ出来上がってるのに個人レベルで改稿するってことは、そもそも面白くないんだと思いますので、書き直した方がいいと思います。リメイクっていうか、全部書き直しですね。小説を書く人っていうのは物語を書くのが上手い人が多く、いわゆる改稿のプロじゃない人が多いと思います。畑違いの仕事になると思うので。
そういう意味じゃないのかな?
K改稿というよりも全面書き直しをすべきというご意見ですね。ちなみにアマラ先生は全面書き直しをされた経験はあるのですか?
アマラなろうで書く前は、何度か。日の目は一切見ませんでしたがw なろうで、ということでしたら、幸いなことにそれをする前に「神様は異世界にお引越ししました」が書籍化する運びとなり、後々になっています。なろうで初めて描いた長編作品があるのですが、それをずっと書き直したいと思っています。書いた当時の技量ではあまり評価を得られませんでしたが、今同じ題材で、同じキャラクターで書けば、もっと面白くできるな、と思っています。まあ、それで高い評価を得られるかはわかりませんが。
Kちなみに、これもコンテストを運営していてよくいただく質問なんですが、アマラ先生はスランプになった時にどうしていますか?
アマラスランプっていうのは、普段調子のいい人がなるものだと思っています。ものすごくおもしろいものを、すごい勢いでどんどんかけて、みんなに「すごい! 面白い!」って言ってもらえる人です。正直私はその領域にまだ達しているとは思っていません。いや、将来的にはもちろんそこまで行きたいと思いますが。まあ、とにかく。現在私自身、そこまでの領域にたどり着いていないので、そもそも「スランプ」なんて言葉を使うのがおこがましいと思っています。スランプなんて言えるほどのものを普段作っているのか、と自問自答すると、大体「そんな大したタマじゃねぇだろうがボケが。四の五の言わずにさっさと書け」という結論になるので、粛々とキーボードを肉球で叩き続けるのみです。
Kさすが原稿を落とさないことで有名なだけあり、多くの創作者の方にとってはグサリとくる言葉ですね。ではせめて、集中する時に聞いている音楽やリフレッシュ方法などあれば教えていただくことはできないでしょうか?
アマラやっぱり猫状生物だからか、音があると集中が乱されてしまうタイプでして。よほどの理に乗ってるとき以外は、音楽って聞かないんですよね。リフレッシュという意味では、外へ出歩いたり、ストレッチしたり、という感じでしょうか。特別にこれ、という意味では、ゲームですかね。据え置き、携帯機など、いくつかの種類を持っていて、常時気晴らしで出来るようにしています。いわゆる、スマホゲームはしません。っていうか、猫状生物なのでスマホが反応しないんですよね。未だにガラケーです。
K並びにこちらはコンテストというよりも、Web小説を連載されている方、多くの悩みだと思うのですが、掲載した作品の人気がまったくでないときにはどうすればいいか、何かアドバイスのようなものはありますか?
アマラこっちが聞きたいわぁ!!! そんな方法があるならこっちが聞きたいわぁ!!! 必死になって小説書いて何とか人気だそうと気張っとるんじゃい!! そんな意図してどうにかできるなら苦労しねぇーっつーの!!! 書くしかないんだよ小説書きなんだから! 面白い話を!!! 書いて書いて書きまくってその中にきらりと光る宝石を自分で見つけて磨いていくしかないんだよ!!
Kお、Oh・・・。まあ宝石探しという言葉は多くの先生が使われている言葉ですが、ただがむしゃらに書き続けてもむしろ時流から離れていってしまうという方がいらっしゃることも事実だと思います。資料集め、読者の求めているものに近づくためにすべき行動といったものは何かありますでしょうか?
アマラまあ、そうですね。流行りを悪いものだと断じないこと、でしょうか。よく、いわゆるテンプレ展開などを悪と決めつけている方が居ますが、これは間違いだと思っています。おおよそ物語というのは、やはり「王道」のようなものが決まっていて、それはどの世代になってもやはり面白いんですよね。某漫画雑誌でいうところの、「努力・友情・勝利」のようなもの、とでもいえばいいんでしょうか。読者が求めているもの、っていうか、物語として面白い展開っていうのは、やっぱり法則性がどうしてもあるものだと思うんですよ。それを否定して、何か新しいものを作ろう、っていうのは。まあ、不可能ではないにしても、歴史を動かすレベルの天才じゃないと無理だと、私は思ってます。なら、もう、面白いものは面白いと認めて、そこから学ぶしかないんじゃないでしょうか。っていうか、それが本筋だと思います。いろいろなものを見て、純粋に面白いと感じて、そこから「自分もこんな話が書きたい」って思えること。これが一番大事なんじゃないでしょうか。まあ、一言で言うと、「童心に返る」っていうか。「うわぁ、すごく面白い! 自分もこんなお話を書いてみたい!」みたいな。そういうシンプルなところに立ち返って、何が書きたいのか考えることなんじゃないですかね。
まあ、とはいえ。結局自分が書きたいものしか書けないのが、人間だとも思うんですが。ちなみに、猫状生物である私も、そんな感じです。
Kありがとうございます。それでは最後にこれからコンテストに応募される方へ一言いただいてよろしいでしょうか??
アマラネット小説大賞は、容易に応募が出来る大会です。今までほかのところで躊躇していた人にも、思い切りをつけやすいでしょう。自分の作品を表に出す、絶好のチャンスです。たとえ短編だろうと賞を取れることは、前回で証明もされていますしね。難しく考えず、飛び込んでみるのもいい機会ですよ!
Kありがとうございました。
ライトノベル執筆者の方は『キャラクター描写が得意な方』と『ストーリー制作が得意な方』がいらっしゃると思います。
『キャラクター小説』と表現されることもあるライトノベルですが、昨今『キャラクター描写』への読者ニーズはより高まっているように感じられます。
それだけに今回のインタビューにありました『魅力的なキャラクターから考える』という手法は非常に有効であると思います。ぜひお試しくださいませ。
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