「ちぎれた手足も治せないヒーラーとか、要らないんだよねぇ!」主人公エイダ・エーデルワイスは、ある日パーティーリーダーであるドベルクに呼び出され、戦力外通告を受ける。貧民同然として生きてきたエイダは、自分を拾ってくれたパーティーメンバーに恩義を果たすため、甲斐甲斐しく尽くしてきた。回復術士も聖女も貴重で、後方待機が当たり前の世界で、常に最前線に同行し、彼女は独自の治療を続けてきた。おかげで仲間たちはいかなる死地からでも生還する英雄として、ついに勇者の地位を得るにいたった。しかしこの不死身の武勲を、ドベルクたちは自分たちが強くなったからだと錯覚。応急手当しかできないエイダにまで美味い汁を吸わせたくないと考え、突然の解雇を言い渡したのだ。そうしてパーティーを追放されたエイダだったが、それでも誰かを助けたいという思いから従軍を決意。配属された先は亜人たちの混成部隊で、常に死者が増産される戦場、地獄の最前線。致命を救える聖女はいない。回復術士のいる後方の野戦病院までは遙かに遠い。怪我をした仲間が病院に辿り着くまで保たず死んでいく!この世の地獄を目にした彼女は、そこで初めて気がつくのだった。「ひょっとして、応急手当を施せばもっとたくさんの命が救えるのでは?」かくして、のちに〝戦場の天使〟と呼ばれることになる少女の奮闘が幕を開ける……!
異世界に転移したり転生したりして、手洗いうがいや殺菌、上下水道の整備など公衆衛生的な知識チートで主人公を活躍させる作品はたまに見かけますが、戦場で、主人公が特に戦う力やチートな能力を持たずに、現代的な衛生の概念で読者を魅了していくすごい作品です。作中で、チートな力を持つ聖女が救えない命がある中で、回復術の力が弱い主人公がこの異世界で最初の衛生兵として、多くの仲間の命を救っていく展開には、胸が熱くなりました。
ある日突然婚約者を従姉に奪われ、婚約破棄されたリデル・ドリモアは、悲しみが癒える間もなく実家の借金のカタにフリードリヒ・ウェラー侯爵に嫁ぐことになった。 彼は軍人で王家の覚えもよく誉れ高い人物であるが、その一方で戦争にしか興味がない戦闘狂と噂れる。冷たい眼差しに顔に刀傷をもつ氷の侯爵フリードリヒのもとに戦々恐々として嫁ぐが、夫の愛は期待できないものの予想以上の快適な暮らしが待っていて!?
両親を失い、浪費家の叔父家族との暮らしの中で肩身の狭い思いをしてきた主人公リデル。幼馴染のような婚約者といっしょになり叔父家族から離れることができるのももう少し…!というところで、婚約者と従姉がデキ婚、さらには一族の借金の形に戦闘狂として畏れられる氷の侯爵と強制結婚…! けれど、まるで雇用面接のような不愛想な侯爵からのプロポーズのあとに待っていたのは、温泉のある快適な北方領地暮らし――? これまで周りから認められてこなかったリデルが、自分のしたいことで少しずつ成果を上げていく姿を見守るのが微笑ましかったです。さらに、結婚早々戦場に向かって領地に居なかった侯爵が、戦場で記憶喪失になって戻ってきた時に、愛妻家になってリデルの目の前に現れて…! そのあとの展開もドキドキしました。あっという間に読んでしまう楽しい作品です。
いくら努力しても報われない浪人生はコンビニ強盗に遭遇して捕縛しようとした瞬間に亜神によって異世界転生してしまった。とんだとばっちりを受けた浪人生だが亜神になんでもいいから才能を与えると言われたので「努力をしたらしただけ恵まれる才能が欲しいです」と答える。亜神から【天賦】と【天眼】をもらった浪人生は異世界行っても努力します。
前世でいくら努力をしても報われなかった青年が、「努力したらしただけ恵まれる才能」をもらって転生先で努力を重ねてとてつもない力を手に入れて活躍していく物語。 単純に主人公が転生して活躍するだけではなく、努力して成長していく形にしており、主人公の転生にも謎や秘密、仕掛けを入れておくことで、物語に深みをもたらしています。普通の転生ものを長年読んできた人から、これから転生ものを読んでみる人まで、多くの人が楽しめる作品です。
主人公の快活さがまず目に留まります。老若男女問わず好感が持てるキャラクター造形です。この主人公がぐいぐい引っ張っていく展開も無理がなく、すっくり読めました。中華風の舞台設定となってますが、読み進めるごとに風景が目に浮かんでくるような語り口で、全体的に小説としての強度を感じる作品でした。どうかこのまま書き続けてください。
なろう小説といえば、タイトルであらかた内容が理解できる作品が多いですが、これは一味違いました。そして「あなたの未来を許さない」というシンプルなタイトルが物語中で回収された時、この作品の虜になっていました。 自分を無価値の人間だと思っている。未来に希望すら持っていない。そんな卑屈で根暗な主人公の唯一の心の拠り所は幼馴染の女の子。 最も大切なものを守るためなら、どんな悪行にでも手を染める主人公の覚悟と決意には心が震えました。
ペイシェンスに転生した主人公が、「貴族らしく!」を第一に掲げOLの意識を持ってツッコミ(コメディ)をしたり、教師受けの良さを生かした学園での有能ぶりが痛快で楽しかったです。 そして何より、家に残してきた弟2名が可愛いです…! ペイシェンスのブラコンなところも大変素晴らしく、小さい男の子のために頑張るお姉さんは尊かったですね。 コンセプトは明確で「弟と家を立派にするために生活魔法と学力を生かして何とかしよう!」 というのは、多くの読者から好まれるのではないかと思いました。
異世界×グルメの中でもラーメンに特化しているのが際立っていました。居酒屋でもカレー屋でもイタリアンでもない。昔懐かしいラーメン屋台から物語は広がっていきます。 ラーメンには数多くの種類がありますが、それゆえ無限の可能性があると熱く訴えるシーンは印象的でした。 そしてスープ、麺、トッピングの描写が秀逸です。目の前にまるでドンブリあるかのような錯覚に陥ります。とにかく読んだらラーメンが食べたくなる、そんな作品でした。
異世界に迷い込んでしまい、聖女としての役割を与えられた祐奈。 けれど、すでにその世界には美しい聖女アリスがいたうえ、様々な勘違いから、祐奈は『ヴェールをつけないといけないほどの不細工』と誤解されたまま聖女の使命を果たす旅に出ることに…!? まっすぐで素敵な護衛騎士との恋愛模様はもちろん、「聖女が二人いる意味」、「二人の旅のルートの違い」、「もう一人の聖女の不思議な行動」などが絡み合うことで、どんどん読む手が止まらなくなる一作に仕上がっています。様々な伏線が回収されるラストまで一気読み必至の良作です!
大聖女として自分を犠牲にして民を守った前世。生まれ変わった現世では、普通の暮らしがしたいのに、元王子の挑発や負けず嫌いの性格からドツボに嵌っていくところが見どころです。聖女候補となってしまう主人公のドタバタ具合を存分に楽しんでください。
胡散臭い「怪異の掃除人」曽根崎と、彼の身の回りの世話をしている景清くんが、警察の手に負えないオカルト事件を解決していくホラーサスペンス。 とにかく主役ふたりの掛け合いコミカルで面白い! ふたりを取り巻くキャラクターも個性が爆発しており、彼らの会話が小気味よく痛快なのが本作の持ち味。対する怪異は名状しがたいグロテスクさがあり、クリーチャーそのものの怖さに加え、人間の恐ろしさもうまく表現されています。このコミカル&グロテスクのバランスに惹き込まれました。 ホラーとしても、探偵ものとしても楽しめる作品です。
昨今の流行りであるチート系の異世界転生とは違い、かなりハードな世界観が特徴的な作品でした。主人公も最初から活躍していくのではなく、最初はゴブリンを倒すのにも苦労しますし、二戦目ではこのままでは死んでしまうほどの重傷を負ってしまいます。ですが、彼は周りの人に助けられ、教えられながら精一杯戦って生きていきます。その一生懸命さに胸を打たれました。しっかりと努力する主人公の等身大の魅力が伝わってきます。
ポンコツだけど、いつも一生懸命な主人公によって周りがほっこりしてしまう。そんなハートウォーミングな要素が魅力の本作は、日々の生活に疲れたときに癒してくれるはず。安心してハッピーエンドな展開を楽しんでみてください。
とにかく主人公のスキルの活かし方がうまい。 主人公が持つスキルは「未来の天気を100%言い当てることができる」というものなのですが、一見素朴にも思えるこのスキルが『農業』と組み合わさることでとてつもないスキルに昇華しています。 序盤は婚約者を妹に奪われたり、国外追放されたりと不幸続きの主人公ですが、だからこそ農業ギルドに加入してからの活躍ぶりは圧巻です。 笑いあり感動ありキュンありと、最後まで魅力たっぷりの作品ですので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
とても優しい作品だと感じました。巻き込まれ異世界召喚系の王道なストーリーで、主人公や彼女を取り巻くキャラクターたちも魅力的で、追放された後も謎スキル「ポイント交換」の使い方を試行錯誤する様子で「次はどんなことを試すのだろう?」とワクワクしながら読ませていただきました。もふもふの動物たちもいて、彼女を助けようとする騎士や王子もカッコよく、どんな展開をしていくのか楽しみな一作です。
本作の何が素晴らしいって、まずはそのタイトル! 「世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。」――もう、これを読むだけでどんなお話なのか想像がどんどん膨らんで、即クリックです……やられました。でも声を大にして言いたい。本作は、そんな読者の想像をずっと上回る素敵な恋物語なんです、と! 従姉妹の仕事を手伝うため女装してファッションモデルとなる光輝と、家族のことを優先して自分のことを蔑ろにしてきた雨宮さん……優しい二人が出会ったからこそ始まる恋の物語に、ワクワクして最新部分まで一気読みしました。一度読んだらもう二人から目が離せなくなること請け合いですよ!!
主人公のマリアヴェーラの高貴さと、本当はかわいいもの好きというギャップが素晴らしい作品でした。また、甘えベタという性格もとても良かったです。 服や化粧を考える時、似合わないかもという不安を抱えながらも自分の「好き!」を押し通そうとする、その強くて瑞々しい思いにも惹かれました。 悪辣王子と噂されているレイノルドがマリアヴェーラに惹かれていく過程も甘さがあって、読んでいる間ずっとにやにやしていました。 レイノルドの「俺は二番目でかまわない。玉座も名誉も何もかも兄貴に譲ってやる。だが、マリアヴェーラだけは渡せない。彼女だけは、俺が、この手で幸せにしてみせるって決めたんだ!」という決意も読者をすごくキュンとさせてくれそうな強さを感じました。 話の構成としても後半、しっかり因果応報の展開がされていて読み心地がすかっとしたなと感じています。 これからの二人の生き方もぜひ書籍として読んでみたいと思いました。
舞台設定からよくある不運な令嬢が主役のファンタジーかと思いきや、意外過ぎるストーリー展開に引き込まれました。 13,753文字という短さながら、主人公ティーナのキャラクターと物語のキーとなる設定がよく描けていると思います。 ハッピーエンドの読み口もとても良かったです。 この世界のお話をもっと読んでみたい!と思わせるような作品です。
落ちこぼれ扱いを受けるアルトが、ひょんなことから周囲にどんどん頼られて成り上がっていく様は王道ながら読んでてスカッとしました。 ただ非道な人間が出るだけでなく、ドワイトのようにアルトの実力を察知している人物も登場し、それが伏線となっているのもとてもワクワクするポイントで良かったです。 主人公の他にもステラ、レックス、ルーンなど良いキャラクターがどんどん登場するので、そういったキャラクターとアルトの交流を増やすと更に読者も喜んでくれそうです 召喚獣とのコミュニケーションなど読者が期待できるポイントが多く、大変伸びしろを感じる作品でした。
「誰が誰に恋心を抱いているか」を巡る駆け引きが本当に面白い作品でした。 主人公のエルダが、男に興味がないとしつつもダリウスを気にしだし、自らの恋心に気が付く流れがとても良かったです。 また、ダリウスの一途さもすごくいいなと思いました。 特にクマのぬいぐるみでキスの練習をするのがとてもかわいいです。 脇を固めるエイジャクスやカーク、アランもそれぞれの思惑で突っ走っていて、何度も「そうじゃない!」と笑いました。 やりとりにもコメディなところと真面目な部分でメリハリ良く書かれており、ついつい読ませてしまう作品だなと思いました。 ダリウスのエルダに対する、騎士服でもドレス姿でも変わらずに好きだという描写は真に相手を想っているということが伝わってきてこの作品の真骨頂を感じました。
『どクズな家族と別れる方法』というタイトルがとてつもないインパクトを持ち、目を引く作品ですが、虐げられていた主人公のノエルが努力や様々な人との出会いによって幸せを掴んでいくという内容も読む手が止まらなくなる良作です。 主人公のノエルの家族のどクズっぷりにドン引きしつつ、そんな家族から逃れるべく小さい頃から努力をしてきたノエルを自然と応援したくなってきます。 タイトルの良さと内容の良さ、両方に惹きつけられた作品です。
田舎から単身で出てきたら奴隷商人に売られそうになった子供が、そこから逃げ出し、冒険者になって成長していく物語。主人公のキリ君が、純粋で純朴な性格のため、物語を読んでいてとにかく応援したくなります。そんな少年が不器用でダメ人間な周りの冒険者達と関わりながら、時には軽口をたたきあい、時には助けられながら生活している様子は、面白いの一言。キリ君が今後どのように成長していくのか、目の離せない作品です!
秘められた才能を開花させた主人公が、今までの逆境を乗り越えて人生をやりなおす。本作は、婚約破棄からの新たな舞台での活躍といった、読者の求めている展開が詰まったエンターテインメント性を味わってください。
なんでそうなる!? とツッコミのとまらない抱腹絶倒ラブコメ、爆誕です! 「イケメン至上主義社会で幸せを掴むため、男装して攻略対象になる」という、 斜め上をいく主人公(女)の決心がすでに面白い! かろやかに保身に走りつつ、生きとし生ける者すべてを口説いてしまう彼女に、 貴方もオトされること間違いなし。 お姫様抱っこをされ頬を赤らめたり、女装姿でエスコートをせがんだりと、 乙女化していく攻略対象(男)たちも魅力的。 ときめきと笑いに満ちた男装令嬢の学園生活を、ぜひお楽しみください!
「全員闇落ちする悪党一家」に笑顔を取り戻す! という本作のテーマにまず痺れました。 本来であればギロチン直行の悪役モブが、家族のために奮闘するのです。面白くないはずがありません。 病の母のため特効薬を作り、グレそうな妹に絵本の読み聞かせ、家庭放棄の父には甘え倒す── そのなかで、全属性魔法という主人公・リッド自身の真の能力まで、次第に開花していきます。 「断罪回避」のために始めたはずの「ハートフルファミリー計画」。 なのに気づけば、涙がこぼれていました。読めば必ず、貴方も応援したくなる! 型破りな腹黒神童の家族再建ファンタジーの書籍化を、お楽しみにお待ちください。
リーゼとアレクシスのやりとりや絶妙な距離感に、終始にやにやしながら楽しく読ませていただきました。 冒頭プロローグは暗いスタートをしており読んでいて悲惨だと感じましたが、そんな中で健気なリーゼの姿に心動かされました。 そしてリーゼのアレクシスに対して一生懸命で一途な姿は、男女の読者ともに好感度の高いヒロインではないかと感じました。 アレクシスの恥じらい方やモジモジ感もとても可愛らしく、このカップルはたくさんの人に応援されて好きになってもらえるのではないでしょうか。 本作は絶望からのいちゃラブの落差がとても効いており、ハッピーエンドに向けてカタルシスは多く、物語としてかなり美しくまとまっておりました。 文体にも大きな崩れはなくて読みやすく、全体的にハイレベルにまとまっている作品だったと思います。 加筆するのであれば恋愛に関しての心理描写などもっと増やしてもいいかもしれません。
タイトルのトマト畑の文字に惹かれ読ませて頂きましたが、トマト畑に魔物を放ち国防の拠点にしたり、採れたトマトを外交の為に振舞ったりと、この物語にしかない要素をうまく生かし、小説のアイデンティティを確立しています。さらに登場してくる主人公セロの配下も面白い。妃の座を奪い合う女性キャラに、ドМの人狼執事とダークエルフ。温泉狂いの伯爵等クセの強い新しいキャラクターの登場にワクワクします。スローライフ的な国造りの中に前述したキャラクター達との笑えるやり取りが矢継ぎ早に来るので読んでいて飽きません。一癖も二癖もある彼らがどんな国を作って行くのかとても楽しみです!
経営不振の領地を立て直すため、有能な婿を探して奮闘するヒロインのディアンドラ。 真面目でピュアなのに、外見が色っぽ美女なせいで「誘ってる」「エロい女」とまともに話を聞いてもらえない、男性と接する際の「五箇条」など、現代にも通じるしんどさに共感し、戦う姿を思わず応援していました。 ヒーローのロバートの「聖人君子ではないけど、好きな相手のために紳士であろうとする」必死さ、誠実さがとても好ましく、ラブシーンには笑って泣かされました。 じれじれハラハラの展開とキャラの魅力と躍動感が溢れる描写は、ぜひ書籍で一気読みを楽しんでほしい!! 前代未聞の3作同時受賞となった、著者・玉川玉子さんの筆力と可能性に脱帽です。
タイトル通りのスタートから一緒に転移した従兄弟の女子高生と異世界からの帰還を目指す物語。チートを持たない主人公たちがなぜかつながるインターネットを駆使し、ネット掲示板の住民たちと協力プレイで攻略していく展開はアツく、またそのやりとりも軽妙。徐々に異世界での能力を獲得していく成長過程も楽しめる。 また、倒れているところを救出した異世界幼女との交流は心温まり、強固になっていく彼らの絆にも注目したい。テンポや世界観、キャラクター性などぜひコミカライズでも読んでみたい作品。
主人公は単にゲームをプレイしているだけと思っていますが、近い将来に崩壊する世界の未来改変という盛大な勘違い設定。未来は一気に変わっていくのではなく、ゲームのバージョンアップに合わせて少しずつ変化し、主人公の無自覚な行動でバタフライ・エフェクトのように変化していく描写方法が使われています。主人公のおかげで被害を受ける巨大企業や諜報機関、閑話の報告書、掲示板のやり取りなどで、主人公の特異性や未来の状況をモザイク状に浮かび上がらせる描き方と、細部まで練られた文章で読み手の興味をグイグイと引き込む高い構成力が本当に秀逸な作品だと感じました。 もちろんロボットと機械獣の戦闘も魅力的で、無自覚ながら英雄的な活躍を見せる主人公のバトルをぜひ絵にして見てみたいと強く思いました。
パーティ追放の元凶となった相手でさえも受け入れてしまう、超が付くほどお人好しな主人公と、そんな彼に救われるヒロインたちとの関係性が魅力的で心地よい読み味の作品です。 たくさんの仲間と営む賑やかな農業スローライフの側面だけでなく、過去の過ちとどう向き合うかを描いたヒューマンドラマの側面もあり、読み応えのあるストーリーから今後も目が放せません。
乙女ゲームで婚約破棄される悪役令嬢に転生したことに気づいた主人公のライラックが、自分の人生を自らの手で切り拓くために習い始めたダンス。そのダンスを通して様々なキャラクターと関係を築いて成長していく姿に魅力を感じました。とくに第二王子のセドとのダンスシーンはとてもロマンティックでときめきが止まりませんでした。
その名の通り、獣人ヒーローと主人公のコミカルで愛のあるやりとりが微笑ましく思わず読みながらニヤニヤしてしまいました。逞しい軍人で男前でありながら、獣人である事で引け目を覚えているヒーローをそんなのおかまいなしに可愛がるどこか超然としたヒロインの組み合わせが好感度高く、またヒロインにも変身要素があるのが楽しいです。サブキャラも皆個性的で、とてもビジュアル映えする作品だと考えております
娼婦と貴族の間に生まれたヒロイン・エリーゼの悲惨な生い立ちがまず心に刺さりました。 ヒーローであるヴォルフリートと、少しずつ心を通わせていく過程も丁寧に描かれており、 また、まさかの人物がクライマックスで登場したりと、最後まで安定して楽しめる作品でした。
主人公をはじめ、無能と言われ追放されたヒロインたちのバックボーンも掘り下げられているので、読み応えがあり、一作品で二度も三度もおいしいストーリーが魅力です。 シリアスでかつ感動的な内容だけでなく、ヒロインとの仲睦まじいラブコメ展開なども描かれていて、見所満載な作品となっています。
貸し与えた自分の魔力を“リボ払い”の徴収方法で回収し、元パーティメンバーへの復讐を果たしていくという、数ある異世界ファンタジー作品の中でも特異なスキルが魅力的な物語です。 ストーリーも出落ちではなく、読み進めるほどに面白さが増していく展開は見事で、作品の世界観に一気に入り込むことが出来ました。
太陽の光を浴びると肌が焼け爛れる呪いを受けたヒロインのシェリル。 過酷な状況にいても、亡国の王女として国や民を想う健気な彼女はまさに読者が応援したくなるヒロイン像です。そんな彼女を包み込むような強さを持つヒーローの美貌の将軍リアムも魅力的。 タイトルにもある通り、キスシーンが多く、きゅんきゅんできる要素もたっぷりありますが、ヒロインとヒーローの距離が近づくたびに秘密を抱えた彼女の葛藤もあり…。ヒロインがただ愛されるだけではないドラマティックな構成は読みごたえがあります。
後衛職追放ブームの中、新進気鋭のパーティーの支援術師である主人公が、優秀なパーティーメンバーに負い目を感じ必死に努力するも、そのプレッシャーから自ら追放を望むお話。しかし、パーティーメンバーであるヒロイン達が誰よりもそんな彼のことが大好きであるのを彼は知らない…という勘違い系で、ほっこりかつきゅんきゅんが随所にちりばめられています。特にヒロイン達だけの女子会パートは悶えること必至! また、バトルにおいても長所をうまく生かした連携で強敵を倒していく様は実に爽快で、冒険要素とラブコメ要素のバランスが良く、コミカライズが楽しみなタイトルです!
婚約破棄をされ両親から謹慎を言い渡された令嬢が、美麗に育った幼なじみと再会することから始まる本作。幼なじみと過ごす時間が主人公の世界を広げ、王族からの無理難題に対しても、主人公が前向きに強い気持ちで努力する姿は応援したくなります。 テンポの良いストーリー展開も魅力で、目まぐるしく変わる主人公の環境から目が放せず、一気に読み進めてしまいました。
高校生2人が異世界に召喚され、世界を救うためにダンジョンを踏破してほしいと言われる本作。 可愛い女の子がたっっくさん出てくるのですが、その結末はタイトルの通りです。それでもめげずに、相手の幸せを想う主人公・ヤマダが”良い奴”すぎて、彼の幸せを願わずにはいられません。 異世界物をたくさん読んでいる読者にも、今まであまり読んできていない読者にも、ヤマダと世界の行く末をぜひ見守ってもらいたいと思い、今回受賞を打診いたしました。
10年間誰も攻略できなかった難攻不落のダンジョンを、昨日まで一般人だった主人公が1週間余りで攻略していく様はとても熱かったです。 緻密に練られた設定もさることながら、科学を用いた類を見ないボス攻略には驚かされました。ダンジョン、モンスター、武器、と、それぞれ存在理由や構造、原理が描かれており、物語への説得力が圧倒的です。 そして、メインウェポンが解体用のハンマーという、ファンタジーらしからぬ絵面が最高でした! ぜひ漫画としても読者へお届けしたく、今回選出させていただきました。
冒頭、特別な存在であるはずの「瑞花の乙女」に選ばれた少女は、優しい男の子だった幼なじみの豹変に直面し、さらには完全無欠に見えるもう一人の「乙女」の登場に打ちひしがれ、絶望に近い状況に追い込まれます。 絶望から始まる作品は名作が多いと言いますが、この作品も当てはまります。そして絶望を前にしても、簡単には諦めず前向きに歩もうとする主人公は、読者の共感を得るはずです。 次第に明かされる幼なじみの態度が変わった理由、乙女の謎――その中で主人公と幼なじみだけではなく、未熟で屈折していた王子が成長する様も丁寧に描かれています。先が気になる展開がテンポよく続く、読後感も良い作品に仕上がっています。
この作品の最大のポイントは、何といっても主人公の生き様にあります。 まだ大人に守られてしかるべき少女が、生き残るため「女」になることを選択する。 現代において批判されることも多いテーマだと思いますが、主人公マリアの誇りと覚悟を持った生き方は、格好いいだけでなく、切なさすら覚えます。本作読めば、あなたもきっとマリアの虜となるはず…!マリアを取り巻く、不甲斐ないしどうしようもないけど、格好いい男たちも魅力的です。
タイトルはとてもキャッチーですが、困っている人を助け、理不尽に立ち向かう主人公の行動はとても王道で、だからこそ読んでいて胸が熱くなりました! お話自体も展開が早く、どんでん返しなバトル描写もあり、続きが気になる作品だと感じております。 ヒロインである”ワケありボッチ闇美少女”3人も、それぞれに個性豊かで魅力的。作品全体を通して、応援したくなるキャラクターが多く、コミカライズと相性のよい作品だと考えております。
よくある追放モノかと思いきや、実はパーティメンバーのヒロイン達がおっさん冒険者を陰で見守りつつも空回りしてしまう…というテンプレ展開を逆手に取った冒険活劇。 そんな本作の見どころは何といっても魅力的なキャラクター! 自虐的なロートル冒険者の主人公に猪突猛進ボクっ娘暴走勇者、超人見知りな毒舌賢者等々、一癖も二癖もあるキャラクターが織りなす微笑ましいやり取りは、ぜひコミックで読んでみたいと思いました。
主人公・杜居伊織(もりい いおり)は、五年前のある日から高校一年の今に至るまで月に一度幼馴染の高天原ハルの下を訪れるのが決まり事だった。月に二度でも三度でも無く、必ず月に一度決まった日に訪れるのだ。 そして、高校一年のある日ハルの下を訪れた彼に声を掛けたもう一人の幼馴染・天戸うずめ。5年前のある日から疎遠になり、ただの一度も話をすることの無かった彼女はいくらかの世間話の後で言った。 『私は、あなたに謝らなければいけなかったの』と――。 そして、その夜に杜居伊織は知る事になる。眠りに落ちる度に異世界に赴き、世界を救ってまた戻る。143回の転移をして、142回世界を救った彼女の終わることの無い『つよくてニューゲーム』を。 「おはよう」 ――目が覚めると、目の前に立っていた制服姿にマフラーをした天戸うずめは言った。 「信じて貰うのに時間が掛かると思う。これは夢じゃないの」 5年前に止まった3人の幼馴染達の時計の針が動き出し、異界の勇者・天戸うずめと異界の従者・杜居伊織が数々の異世界と現代を往復するラブコメファンタジーが幕を開ける。
タイトルから想像していた期待を別の角度から大きく上回ってきた作品です。 確かに『つよくてニューゲーム』を繰り返したヒロインうずめは最強で、その戦闘も爽快ですが、凝り固まったうずめの思考をほぐしながら問題を解決していく主人公伊織の行動と成長に強く惹かれる作品です。 異世界の危機や自分たちの問題を乗り越えながら2人が信頼関係を築いていき、現実世界が変化していく様子も魅力的で、特にアフターストーリーがあることを知ったときは、これまでの冒険で培った関係の続きが見られることにとても心が躍りました。 更にストーリー構成も巧みで、これまでの関係性とすべてが繋がる本編のラストシーンでは、頭の中で映像の再生が止まらず、一気に読み切ってしまいました。 二人の関係性とストーリー展開に心を動かされた、素敵な作品をありがとうございました。
騎士団を追われた黒騎士は、復讐のために少女と旅に出る 蒸気機関や化石燃料を用いた機械文明が発達してもなお、この世界では魔術は衰退することなく、教会もまた絶対的な権威を失うことがなかった。 ある日、若き騎士シオンは、騎士団分裂戦争の戦犯として異端審問にかけられ、大罪を犯した騎士――黒騎士に認定される。 その判決から二年後、シオンの死刑執行日が訪れるも、彼を乗せた輸送列車が処刑場に向かう途中で濁流にのみ込まれてしまった。 辛うじて一命を取り留めたシオンは、流れ着いた先で一人の少女と出会う。 少女は、大国であるログレス王国の王女――ステラだと名乗り、隣国ガリア公国からの侵略攻撃を受けたため、逃亡生活を余儀なくされているという。 その矢先、ガリア公国の小隊が二人に迫るが、シオンが圧倒的な戦闘力を以てして、単身で小隊を壊滅させてしまう。 ステラは、シオンの人智を超えた強さを目の当たりにし、自身が王国の女王に即位するため、彼に王都帰還までの守護を求める。 そして、シオンもまた、自身の復讐のために、王女ステラを利用することにした。
目的の為に突き進む、主人公シオンのストーリーが展開していく中で、各キャラクターの過去や真相が明かされていく展開に引き込まれます。 世界観設定はゴシック・ファンタジーが強く押し出されており、機械や魔術などの融合によって独特の広がりを感じました。 キャラクターも個性的、かつエッジが効いたキャラが多く魅力的に描かれていて、バトルシーンの描写力も含め、ビジュアルが思い浮かび動き出すような作品であり、視覚化して見てみたいとの意欲をくすぐられます。 全編シリアスでヘビーな物語が続く印象ですが、各キャラクターの個性が程よい緩衝材になっていて、思わず読み進めてしまいました。作者の構成力、筆力を感じる作品です。
真夜中のみ事故物件を扱う華沢不動産。 この不動産で扱う事故物件に住んだ人、関わった人の一話完結オムニバス形式のエピソード。
華沢不動産の華沢空が管理する事故物件を中心にした短編作品集。 あえて空を主人公にせず、その事故物件に住む住人を主人公にそこで起きる様々な心霊現象が各話でまとまっているため、軽快に読見進められます。 また、お話の核心がさり気なく違和感を与える程度に混ぜられており、後からジワジワと「そういう事か」と感じさせる構成の上手さが魅力に感じました。 今後どのような事故物件のストーリーが増えていくのか楽しみな作品です。
この度は、クラウドゲート株式会社が運営する『第10回ネット小説大賞』にご応募・ご参加いただき誠にありがとうございました。
今年は13,116作品ものご応募をいただきまして、その中から48作品が受賞となる運びとなりました。
受賞作品が40作品を超えることは第4回以来と……
第10回ネット小説大賞
応募数 13116作品
受賞数 48作品
ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。
※コミックシナリオ賞を受賞した「病的な恋のロンド」については、出版社と作者の合意により、受賞取り消しとなりました。