本記事は新紀元社の運営する情報サイト『パンタポルタ』内『本山らのとファンタジー小説を読みませんか?』とネット小説大賞のコラボレーション連載記事です。
『ネット小説大賞』に応募されている作品の中から、本山らのが興味を持った作品を皆さまにご紹介します。
この記事を読んで色々な小説に興味をもったら是非『本山らのとファンタジー小説を読みませんか?』も覗いてみて下さい。
きっとお気に入りのファンタジー小説が見つかるはずです。
新紀元社の運営する情報サイト『パンタポルタ』。
ファンタジーが好きな創作者&読者のための知識や情報を配信しています。
あけましておめでとうございます!
ラノベ好きバーチャルYouTuberの本山らのです。
第八回ネット小説大賞応募作品から、私が気になった作品をピックアップするこのコラム。
2020年も引き続き、注目ネット小説情報をお届けしちゃいます!
今回紹介するのは…
『スローライフに憧れて田舎の古民家を購入したら、JKの地縛霊がセットで憑いてきたもんで困惑している』です。
「地縛霊」といったホラーチックなタイトルとは裏腹に、のんびりとした時間が流れる田舎暮らしの情景を描いたスローライフものをご紹介してまいります!
都会の喧騒に疲れた30歳独身イラストレーターの大八木創太は、格安で田舎に古民家を購入した。
ほのかに憧れていた自然豊かな里山での生活にルンルン気分で引越し作業を進めていると、家の奥で閉ざされた部屋を発見する。
興味本位で開いたそこには、なんと血みどろの少女の地縛霊が立ち尽くしており、しかも創太はとり憑かれてしまった!!
しかし、この地縛霊まったく実害もなければ家事の手伝いまでしてくれる始末。
結局そのまま同居?することになった創太と幽霊の少女だが、田舎の生活に不慣れな彼にとっては平穏な里山スローライフも驚きの連続。
都会育ちの創太が少女とともに囲炉裏で料理を楽しんだり、納屋に眠っていた桶風呂を修復したり、地元の祭りに参加したりと古民家での暮らしを満喫しながら、やがてパートナーとなっていく里山日常コメディ。
この作品を端的に表すとすると、「移住田舎暮らしスローライフwith幽霊」といった感じです!
主人公は、狭苦しい東京での生活に嫌気がさした30歳独身男性イラストレーター。居住地に制約のない自営業ということもあり、一念発起して滋賀県の外れにある古民家を購入し、移住を決めます。
引っ越してみると、図面には記されていない“開かずの間”を発見。
無理やり扉を蹴破ると……そこには頭から血を流した女の子の幽霊が!
幽霊付き物件だったことに驚くも、彼女は人を呪い殺すような悪霊ではなく、むしろ家の掃除なども手伝ってくれるような良い幽霊だということがわかり、なし崩し的に同居生活を送ることに。
幽霊に使い方の手ほどきを受けて囲炉裏や桶風呂といった古民家ならではの設備を使ってみたり、美味しい手料理を振る舞ってもらったりと、幽霊付き物件での暮らしを満喫します。
その地に根付く伝統的なお祭りの準備をしていく中で、なぜ彼女が地縛霊になってしまったのか、彼女の身に何があったのか、ということも解き明かされ……?
イラストレーター志望の女子中学生に弟子入りさせてくれと頼まれる事件や、お見合いの話を持ち掛けられる事件など起こりつつも、心優しい人々に囲まれた平和な日々を送ります。
初めてのご近所付き合いや東西の文化の違いに戸惑いながらも、穏やかでのんびりとした生活を送る主人公と、幽霊でありながらも無邪気で気さくな女の子、二人の田舎暮らしスローライフを描いたのがこの作品です。
この作品にはホラーな要素や恋愛要素はほとんど無く、ただひたすらに平和な田舎での暮らしぶりが描かれます。
都会の利便性も捨てがたいですが、緑豊かで広々とした土地での生活にも憧れますよね……!
そんな田舎での生活を疑似的に体験できるような読み味が、この作品の魅力です。
もちろん、田舎暮らしも楽なことばかりではありません。例えば、屋根裏に住み着いてしまったムササビを追い出そうと格闘したり、とんでもない大雪に埋もれたり……。
それでも、もふもふで可愛いムササビとたわむれたり、一面の銀世界となった景色の素晴らしさに感動したりといった田舎でしか出来ない経験があることも教えてくれます。
舞台となる滋賀県長浜市の文化についての描写も丁寧で、しっかりとした取材に裏打ちされていることが感じられます。
ご当地グルメ「焼きサバそうめん」なんて聞いたこともありませんでした。
でも美味しそう……食べてみたくなりました!
その他にも、東西でのおでんの違いについてなど、興味深い描写が色々ありました。
作品のキーともなるローカルなお祭りについても、細かく説明が加えられていましたよ。
こういった丁寧な描写も、作品のリアリティ向上の一助となっていて良いですね。
また、幽霊ちゃんのキャラクターも可愛かったです。
初めて見るインターネットにハマってしまったり、田舎でずっと暮らしているはずなのにムカデは苦手だったりと、幽霊らしからぬ人間らしさがチャーミングでした。
完結済ですが、日々の暮らしが丁寧に描かれている物語なので、一気読みするというよりはちょっとした息抜きとしてのんびり読んでほしいような作品です。
せわしない都会での暮らしに疲れた人にも、田舎暮らしあるあるを共有したい人にも、楽しんでもらえる作品だと思いますよ。
というわけで、幽霊と一緒に田舎暮らしを満喫する物語、『スローライフに憧れて田舎の古民家を購入したら、JKの地縛霊がセットで憑いてきたもんで困惑している』をご紹介しました!
のんびりとした田舎の空気を吸いたくなってしまうような作品で、さすがに移住とまではいきませんが、ついつい滋賀を訪ねてみたくなっちゃいました。
今回は、今まで3回のコラム内容を動画でお伝えするスペシャルムービーも特別に撮影しましたので、ぜひぜひ見てくださいね!
今回もお読みいただきありがとうございました。
さよならのー!
【勝手にレーダーグラフ項目説明】
スローライフ度:
ゆったりとした空気が流れている度合い
レトロ度
昔の道具などの描写度合い
ホラー度:
物語の恐ろしさ、怪談っぽさ
地域密着度:
西日本・滋賀県の文化が描かれている度合い
グルメもの度:
美味しそうな料理が登場する度合い
コメディー度:
コメディージャンルに準じている度合い