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第12回コンテスト運営ピックアップ

 

運営スタッフがネット小説大賞応募作品から、気になる作品をピックアップいたします。
原則選考とは無関係ですが、素敵な作品をたくさんの方の目に触れる機会をつくることを目的としています。
ぜひご期待ください。

 

作品情報

作品タイトル『秘められた遺志
著者名 しまおか

あらすじ

富裕層専門の資産運用管理アドバイザーの三郷が、顧客の高岳から依頼されていた遺品整理を進める中、不審物を発見。また書斎を探ると暗号めいたメモ魔で見つかり推理していた所、不審物があると通報を受けた顔見知りであるS県警の松ケ根と吉良が訪れ、連行されてしまう。

三郷は逮捕されてしまうのか?それとも松ケ根達が問題の真相を無事暴くことができるのか!?

 

運営コメント
 

 資産管理アドバイザーである主人公が、クライアントである富豪の遺品整理中、リストには載っていない不審物と暗号のようなメモを見つけてしまったことから、隠された真相を暴いていくというミステリー作品です。

 通帳、ブランド品に留まらず、犬の遺体という強烈なインパクトの不審物が見つかる場面から物語が始まることで好奇心を掻き立てられ、その熱が覚めることなく最後まで読み切れます。 また、法律の知識が多分に描写されますが、簡潔にわかりやすく説明されているおかげで、読みにくさも一切ありません。

 章ごとにひとつひとつの不審物の謎が紐解かれ、また、それらにまつわる人間関係も明らかになっていく過程で、無関係と思われた事象や人物がラストへ向けて繋がっていく展開や、緻密な伏線の数々に驚かされます。 登場人物たちのバックボーンについても、現代社会が抱える問題をうまく落とし込んでおり、架空の人物とはいえ実際に存在しているように思えるほどリアルです。

 この物語自体は完結していますが、過去に凶悪事件を解決している主人公の実績など、まだまだ展開が望める作品であり、お金を払っても後悔のないほど満足感のある作品でした。

 

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