人がみな魔物と契約して生きている世界。森に住む老人の相棒は、スライムだった。スライムとの絆が深まり喜ぶ老人だったがすでに高齢だった老人は眠るように亡くなってしまう。 目を覚ますとそこは慣れ親しんだ古い家。死んだはずの親友の若い姿。自分も若返っていた。何が起きたのかは分からない。何の因果か過去に戻ることからはじまる冒険譚。
大切なものを大事にできなかった後悔はありますか? 魔獣契約が人生を決定づける世界で、無情にも最弱のスライムと契約することになった貧民の主人公。 最悪……と思いながら迎えた人生最期の時、実はスライムには知能があり、彼を想ってくれていたとわかった瞬間の描写に涙が溢れました。 そこから始まるやり直し物語で描かれる2人の切実な絆に共感すること必至です。 今度こそ相棒を思う存分愛でるべく、過去を共にしたからこそ知っているスライムの“何でも溶かしてしまう力”等を開花させ、貧民清掃員から成り上がる2人を応援したくなること間違いなし! 1つの後悔から始まる逆行貧民最弱コンビの英雄譚、堂々の金賞です!
貧乏貴族である私には我が家を支援してくれる契約の婚約者がいるのです。例え支援してくださっても、我が家の領地経営はとある理由で火の車。ですから、私は平民の姿で冒険者という職業について、王都で共に住む弟と妹を養っているのです。 ですが、ここに来て貴族生命の危機に瀕しています。 貴族の娘が冒険者の格好をし、平民のような砕けた話し方をして、婚約者と向き合った場合の正しい対処法を、誰かこっそり私に教えて貰えないでしょうか?
タイトルで王道恋愛ものかと思いきや、男性も女性も楽しめる上質な冒険ファンタジーです。先を読ませる物語の引きの強さ、主人公の魅力あふれる二面性にぐいぐい引き込まれました。
前世の記憶を持って転生したのは、イケメン大好きお婆ちゃん、享年82才。しかも魔法がある世界に転生したのに、なぜかの一般的にハズレと言われている【無】属性だった。 でも、そんな事でお婆ちゃんは挫けない!家族も、イケメン騎士様も、お婆ちゃんはみんなの胃を掴んでいく。前世の知識とスキルで、無双状態!
主人公の可愛らしさと前世知識やスキルを活かして料理、家事などで活躍していく姿がすごくキラキラしていて一気に惹きつけられました。 また、心を締め付けるような家族のとやりとりは読者の心を動かす力があり、涙が溢れました。 前世の知識を活かしたスイーツ、料理作りはとても可愛らしくも、食べてみたくなります……! たくさんの可愛らしさとわくわくが詰まった楽しい作品でした。
次期宰相の腹黒傲慢男×ふんわりニコニコ令嬢の頭脳戦ラブファンタジー作品。これまで出会ったことがないタイプの女性と交わることで、自分の利益が最優先だった男はどう変わり成長していくのかーー。さあここからが本番!!といういいところで連載が終わってしまい、「まだ書かれていないふたりの行く末が絶対に見たい!」と気持ちが昂るほど、作品に惹き込まれました。
チート無双とハーレム展開に疲れた方におすすめの作品です。ほんのりと前世の記憶を持った転生者が、チート無双やハーレム展開なしで、生真面目な元衛兵やポンコツの元薬屋といった個性豊かな男達とのんびり旅をしていきます。もちろん魔法や料理などで主人公が持っている現代知識が活かされたりはしますが、あくまでほんのり知識なので定番とは違った面白さがあります。一風変わったのんびり冒険ファンタジーを、ぜひゆったりお楽しみください。
勇者として召喚された異世界で殺伐とした日々を過ごし、やっとの思いで元の世界に帰還した夏樹。快適な日常生活を満喫しようとしたのも束の間、女たらしの幼馴染・優斗によるトラブルや次々と現れる魔族や神々との戦いに巻き込まれていく──。 目の前に立ち塞がるトラブルの数々を主人公は元勇者の経験を活かして次々と解決していきます。その中で繰り広げられる爽快なバトルはもちろん、個性豊かで魅力あふれる仲間たちとのやり取りにも注目の作品です!
丁寧に書かれている小説です。どのエピソードにも登場人物と展開に奥行きがあり、物語としてのクオリティが非常に高いです。 特に、お料理の表現が童話のように幻想的で美しく、子供の頃に児童小説に出てくる不思議な食べ物や素敵な家に胸をときめかせたあの時の感覚がよみがえりました。
まずはとにかく題名のインパクトに惹かれました!「は?」という文字から滲み出る主人公の怒りに読み始めるまえからワクワクが止まりません。 読み進めてみると、題名に違わず中身も読みごたえバッチリの作品でした。婚約相手からの 婚約解消 宣言に焦りをみせることなく冷静に対処する自立したヒロインにとても信頼がおけますし、何といっても義妹ヘレンのキャラクターが強烈です。描写もとてもお上手で、様々なキャラクターの視点に立ちながら、物語の世界を楽しむことができました。
結婚を半年後に控えた頃、婚約者を妹に奪われ、婚約解消されてしまったヴィオラ。けれど、趣味を謳歌したいヴィオラにとって、それは思わぬ朗報だった。一方、真実の愛を手に入れたはずの妹マリエッタは、嫁ぎ先の北国で凍えた日々を送っていて──。 悪友であり、国の第二王子でもあるアレクシスとの電撃婚約や、趣味の調香が評判を呼ぶなど逞しいヴィオラとは対照に、様子のおかしい嫁ぎ先で、リシャール伯爵との真実の愛に誓って健気に努力するマリエッタ。それぞれの生き方で成長していく姉妹に目が離せない一作です。
一見すると冴えない主人公佐藤の、飄々としていながらも決めるところはしっかり決めるかっこよさが魅力的でした。 単純にバトルで強いだけではなく、女性に優しくかつ適度に下世話な一面があるのも、等身大の男性の良さを感じ親近感が湧きました。 裏社会との抗争もとても読みごたえがあり、これからの佐藤やヒロインの活躍にわくわくです。
序章から物語のスピード感に徐々に惹かれていき、いきなり大爆笑する展開になって完全に物語に惹かれました。 マコトが常にメンタルが強く、どんな状況でも心折れず、自分の感情の赴くままに動くため、気が重くなることなくスカッと読むことができました。 また、マコトとカロルの百合はもちろん、他の令嬢や攻略対象の男子との掛け合いもとても楽しかったです! メインのキャラクター以外にも魅力的なキャラが多く、新キャラが出てくるたびに「この子もかわいいな…」と心移りしました!
「貞操逆転」ながら、本作の本質は戦記物でした。 主人公は転生前の世界ではミリタリーオタクかつ軍人として活動しており、異世界ではその知識を発揮して軍隊の将としての活躍および時代を先取りした兵器を作成して活躍をしており、そこに他とは異なる魅力を感じました。 さらに「貞操逆転」のエッセンスをうまく当てはめており、ハーレム物でもあるためヒロインは数多く登場しますが、それぞれが自身の立場、主人公との出会い、また関係性の違いにで人物をうまく深掘りしており、とても個性的でした。
派遣社員を装って会社に潜入する設定が面白くていいですね! 主人公がコンプレックスに思っていた「地味で印象に残らない見た目と人に舐められやすい性格」が調査員の才能として開花する展開も、成長物語として楽しく読めました。潜入する会社や部署次第でいろんなお話を作ることができる、可能性あふれる作品だと思います。
実の両親から冷たくされた主人公が、あることをきっかけに王都ではなく領地で心穏やかに暮らすことで、自分の目指す道を決めて突き進んでいく成長物語。「疑わしいのは誰か」といった謎解き要素があるのも特徴の一つです。
メインタイトルに含まれる”姫プレイ”と”聖女”と相反する設定と、どちらのワードからも想像できない(本人が望んでいない)男の娘になる展開は非常にコミカルで、独自の世界観に引き込まれていく作品でした。 また、徐々に聖女として成功してしまう流れと、それを一部受け入れながら周りの人々に助けられていくストーリーのバランスが絶妙で、今後どのような方向に主人公が成長していくのか非常に楽しみにしています。
周りに目を向けられきれなかった青年が、10年前に逆行して全員が最高に幸せな未来を掴み取る物語。過去に戻り人生をやり直す作品の中で、悪役を矯正して自分の生存ルートを確保するものは多くありますが、その中でも人々の心の機微、人間関係の複雑さ、純粋で真っ直ぐでひたむきな感情などの描写が美しかったです。なによりも幼いセラフィナとアーヴェルのやりとりがとっても可愛い……! ただじっくりとやり直しをするわけではなく、驚くような展開も見どころだと思います。
まず、あらすじに惹かれました。 物語の構成は、タクシー運転手のヨシダさんと“僕”が体験した怖い話の短篇集……と見せかけて、後半の疾走感がとても巧みだと思いました。 恐怖の描き方も様々なバリエーションに富んでいます。そしてヨシダさんのキャラクターがそれらをひとつの物語として上手くまとめていると感じました。 貴方の近くにもあるかもしれない“怖さ”を、ヨシダさんの隣でお楽しみください。
身体に人魚の鱗を持つことで虐げられてきた令嬢・シンシアと、戦争による顔の負傷を隠すため、仮面を被り続ける第一王子・チェスター。メンタル最強の令嬢やキラキラな王子様などではない、どこか人間らしい弱みを持つシンシアとチェスターが、少しずつ、しかし確実に自分らしく生きて惹かれ合っていく姿には、等身大の共感ができたと感じております。 心に沁み渡るような優しいハッピーエンドを、ぜひお楽しみください。
明治時代に独自の設定を付け足し、魅力的な世界観を生み出しています。 透明感のある美しい情景や、登場人物の心の動きをとても繊細に描いている優しい物語だと感じました。また文章が綺麗で、とても読みやすいのも高く評価しました。 「巫女と神、この2人の恋物語をもっと読みたい!」と思わせる作品です。
見た目は絶世の佳人だけどオネエな毒舌師匠と、その師匠に拾われた弟子のアリア。憎まれ口をたたき合いながらそれでも一緒にいる唯一無二の関係にほかにはない魅力を感じました。ものぐさで人間嫌いの師匠が傍に置いているのは弟子の少女だけ。弟子は弟子で、物心ついたときから唯一の大人だった師匠を憎からず思っていて……と、お互い想いあっているくせに素直になれない二人に、「もうずっと仲良く喧嘩しててくれ!」と心の中で叫びまくり。あなたもこの不器用な師弟のファンになること間違いなしです。
「お金が稼ぎたい、贅沢したい、不潔は嫌!」。そんな、人間的に当たり前な感情で走っていく主人公の姿が痛快! 自分の独立計画のために大人を顎で使い、大鉈を振るって領地を立て直していく姿は、さながら仕事のできるキャリアウーマンのようです。大鉈の振るい方も堂に入っていて、帳簿を改良したり労働システムそのものを改善したりと主人公の有能さに妙に納得&共感。お金を稼ぎたいという気持ちに突き動かされ、人を動かそうと奮闘する欲望丸出しの姿は、必ず読んだ人の心をワクワクさせるはずです!
主人公ネオンの周囲を先導して医療体制を整えていく姿が素晴らしい作品でした。また、行動は冷静ですが頭の中ではコミカルに思考が進んでいくギャップもとてもよかったです。 前世では決して仕事熱心な看護師ではなかったのにも関わらず、杜撰な医療体制を見て 心動かされ、本能的に開拓していく主人公の姿はどこかカッコよさを感じました。 辺境伯であるラスボラの境遇に無視できないエピソードがあることも、完全には憎めない キャラクターになっていて心揺さぶられるなと感じます。ネオンの行動によって変化する医療と周りの人達に魅かれる作品です。
主人公の透徹したまなざしとその中にある優しさに惚れこみました。 ディートハルト以外のキャラクターも、肌が鱗状になっている蜥蜴娘や猫耳の少女、ドワーフの子どもなど容姿も性格も個性的で惹きつけられます。 なろう小説の異世界物と言えば綺麗で緑に溢れたヨーロッパみたいな世界観が多くありますが、この作品では同じヨーロッパでも裏町みたいな荒廃した景色が印象的で、そういう他の異世界作品ではあまりない見受けない要素も素敵でした。 強さと厳しさと優しさと知識で、ディートハルトがどこまで成り上がっていくのかすごく楽しみになる作品です。
お局とあだ名される涼子が転職先に選んだのは「株式会社異世界商事」。性格はいいが常識に疎い若社長・栗川に絆されて入社を決めたはいいものの、SNS禁止、残業禁止、社員数1人、正体不明の取引先、大量の金銀財宝、と怪しさ満点……。そんな愉快な職場と2人の凸凹感ある会話に、ばっちりハートを掴まれました! お仕事奮闘記としてだけではなく、人間不信気味なお局様と純真な社長とのじれじれラブストーリーとしても楽しい作品です。 二人と異世界商事の行く末はまさに想定外。ぜひ書籍でも楽しんでください!
仙山には仙皇帝がおり、八色の特徴を持った国がある世界で、黒い国「呂国」の姫である鈴華は、仙皇帝の妃選びとなる後宮へと参じることに。妃争いに興味はなく、本を読むことにのみ奮闘する鈴華に、周囲は振り回されながらも彼女の人柄に惹かれていき!? 鈴華の本に対する執念もさることながら、マオとレンジュとの三角関係(?)や、筆頭侍女の苗子たちや楓、ほかの国の姫も巻き込んで繰り広げられる物語にグッと惹き込まれてしまう作品です。
安倍晴明に対し、悪役として扱われる芦屋道満を復讐者の主人公ポジションに組み込んだ構成がまず斬新で引き込まれました。 最初は家柄が原因で蔑まれていた道弥が夜月との出会い、試験での活躍、理伝村での仕事を経て陰陽師として認められていく姿はとてもかっこよかったです。 特に理伝村の戦いでは佐渡さんの因縁をベースに彼の戦いをしっかり描きつつ、その締めとして現れた鞍馬天狗・黒曜との戦闘で道弥の活躍がしっかり見れて興奮しました。 一人の読者として、この作品の続きをもっと読みたいと思いました。
読んだ瞬間、「史上最も勘違いにまみれた三国志が誕生した!」と電流が走りました。 ”諸葛孔明と同じ字【あざな】の無名の別人に転生”という出オチかと思いきや、 息をするように主人公の発言を周囲が深読みしていく様はまさに秀逸というほかありません。 本人はただ戦乱を避けて安穏に過ごしたいだけなのに、曹操から熱烈に勧誘されたり、司馬懿が押し掛け弟子にやってきたりと願いとは裏腹に名声はストップ高! 無位無官のモブキャラの一挙手一投足が錚々たる英傑たちを振り回していきます。 言葉一つで気づかぬうちに天下を動かす隠居賢者の三国志を、ぜひお楽しみください!
タイトルの通り、下の階に住むツキノワグマさんと、人間のゆり子さんが、二人……一人と一匹でお散歩したり、お食事したり、ほのぼのと和やかな時をともに過ごすことで、お互いの心の距離が縮まったり、それぞれの心の中にある過去へのわだかまりが少しずつほどけていったりする物語なのですが……。もう、こんなにも優しくてもふもふで、心も体もほかほかと満たされる小説があるなんて!!! 読後はきっと、今よりも世界がよりよいものに見えるようになります。優しい世界はちゃんとある。そう信じられるようになること請け合いの、癒し満載の作品です。
重厚な世界観と、読み応えのあるストーリーに引き込まれました。また世界観のキーワードも、読書家の心をくすぐるセンスが光ります。 メインとなる登場人物たちも非常にキャラクターが立っており、バックボーンがしっかり出来ていると感じました。それぞれの個性を活かして物語の中で立ち回っているのが印象的です。選考時は連載途中で完結前でしたが、光るものを感じて受賞となりました。
定番の悪役令嬢ものでありながら、主人公は悪役令嬢ではなく、その姉という設定が特徴の本作。「ラノベ」や「推し」など現代のワードに戸惑う主人公の様子を存分に楽しんでください。
タイトルが内容全てを表している作品で、それでいてしっかりと読者を掴んで離さないような展開がテンポ良くづつきます。勇者を目指す主人公(ショタ)が気高く恐れられている女将軍を無意識に堕とす様は、きっとニヤニヤが止まらないはず。著者の好きが詰まっていて、気づいたら一気に読んでいた良作でした。
激務により仕事を辞めた主人公が、旅行中の叔母に代わって家の管理を任されるところから始まり、なぜか裏庭のドアが異世界とつながっていたり、そのドアを通して異世界の人々に食を提供したりと、主人公の普通の日常が少しずつファンタジーに染まっていく様子が、登場人物の様々な視点を交え丁寧に書かれています。食を通して人々が繋がる温かな物語です。異世界×食べ物が好きな方にはぜひオススメします!
ハイエルフが管理する大森林に突然現れた小さな男の子・ハルが、保護者のエルフ達やモフモフな聖獣とともに冒険するお話です。とにかく主人公のハルちゃんが可愛いです…!ぷよぷよとした幼い容姿はもちろん、舌っ足らずな話し方や「うまうまッ!」と言いながら美味しそうにご飯を食べる姿がとても可愛くて母性がくすぐられました。「ちゅどーん!」と一瞬で敵を倒してしまう最強っぷりもギャップがあって良いです。ハル達の今後の活躍が気になりますね。
この物語の中の水曜日にどんな素敵なことが起きているのだろう、「君」とはどんな魅力的な人なのだろうと、まずは「水曜日の君」というタイトルに惹かれました。スタッフと利用者として、とある地域交流センターの水曜日の夜、受付越しに交流を重ねていく佐藤くんと鎧塚さん。相手のことをほとんど知らないのに気持ちは強くなっていくその過程は、どこにでもありそうでない、特別なふたりの物語でした。
アルタートン伯爵家の次男セオドールは、長男ロードリックが手掛けるべき書類作業を全て押しつけられたり、セオドール自身の能力を周囲から理解してもらえず不当に扱われたりしながらも、幼少期に出会った少女との約束を心の支えにしてきた。 そんなセオドールの下に舞い込んできたハーヴェイ辺境伯家への婿入りの縁談。 父であるアルタートン伯爵の思惑もあり、すぐさま家を出されて辺境伯家へと向かったセオドールを待ち受けていたのは、あのときの少女。 つらい環境にあっても折れずに努力し続けてきたセオドールが、正当な評価を得られる環境でめきめきと頭角を現していくシンデレラストーリーと、セオドールを虐げてきた人々たちに降りかかる因果応報と言わざるを得ないざまぁ展開との明暗がくっきり分かれていくさまが秀逸で、丁寧な筆致と相まって先を読み進めていくのが楽しみな作品でした。
異世界転生したら魔力が少なかった主人公。前世の記憶を使って魔力を研究し、独自の理論を見つけるチート幼児の活躍に、周りで見守る周りの大人たちと同じ目線で優しい気持ちになる作品です。ストレスフリーなので、安心して楽しんでみてください。
戦隊ヒーローというテーマがまずおもしろいのはもちろん、本当の正義とはという問いや、怪物側の葛藤などが描かれることにより、皆が知っている戦隊ヒーローという入りやすいテーマから深い感情移入までを実現している作品に感じました。また、実在する東京の地名が舞台となっていて、現実に近い描写も多く挟み込まれているため、高い没入感があります。小説の書き方も、独自の「拍子」のようなものがあり、ギャグのテンポ感や展開のリズム感が非常に気持ちよく、手が止まらずに読み進めてしまいました。そして何よりも、他作と比較してもものすごいキャラクターの数にもよらず、各キャラクターのキャラ立ちがしっかりとできていて、このキャラが次はどんな展開を起こすんだろう、というワクワク感が常に持てる作品だと感じました。
人形や絵画などのサブカルチャーが大好きな“趣味人”の中年男(魔族界最強の男)がひょんなことから魔王に就任してしまって……という物語。人類の支配や領土の奪還など、いわゆる“魔王らしい欲望”に興味がなく、全力で自分の趣味に走る魔王の描写が楽しい作品です。「ぱそこん」を使って女勇者とチャットやお茶会(という名のオフ会)をしてしまったり、魔族の姫君らと遊んだりとコメディ的な描写がありながらも、「決して終わらない人間との戦争」とはなんなのか? というテーマを描いた“戦記モノ”としての一面もあり、メリハリの効いた非常に読みごたえがある作品に仕上がっています。全体的に小説としての強度が高く、そのオリジナリティ溢れる世界観に浸りながら、ラストまで読む手が止まらない一作です!
吉原を舞台に、主人公の花魁【咲耶大夫】が人脈と鋭い洞察力で怪事件やトラブルを解決していく長編作品です。各章コンパクトにまとめられていて大変読みやすいだけでなく、遊女の失踪事件や亡霊の噂などなど、事件に秘められた真実、その渦中で懸命に生きたキャラクターたちの、切なくも心温まる人情物語が大変魅力的でした。 まっすぐな文章で淡々と語られるからこそ、人と人とのつながりやキャラクターの描写に色がつき、主人公だけでなく全ての登場人物に魅力を感じます。
凄まじくかっこいいバトルシーン、超級に強い魔法、それを淡々と放つTS美少女主人公のアストちゃん、そして読者の胸に沁みわたる可愛い女の子たちのじゃれあい…! TS転生&俺TUEEE&可愛い女の子同士のお戯れ…という、美味しい要素てんこ盛りの作品です。 また、冒険譚でもあることから、1章、2章…と、この章を終えたら、次はどんなところへ読者を連れて行ってくれるのだろう? と期待が高まります。 作者様の情景描写が大変優れており、描かれた風景は目の前に浮かぶほど。作者さんの持ち味でもある無駄のない文章と優れた描写力で、とても読みやすく続きを読む手が止まりませんでした! コミカライズでは可愛いアストちゃんをぜひお見せしますので、ご期待ください!
異世界の魔物と孤独に戦い続ける主人公の成長と徐々に理解者が増えていく展開に胸が熱くなる重厚なダークファンタジー作品です。 仲間から受ける迫害や骨身を削った命懸けのバトルなど、凄惨なシーンの描写が抜群に良かったです。 主人公はとにかく悲惨な状況に置かれますが、精神的に肉体的に傷だらけになってまで一人孤独に戦い続ける理由を知った瞬間、主人公のその想いにハッとさせられ目が離せなくなりました。 劣悪な環境を乗り越える主人公の姿をぜひ見てもらいたいです。
ギャルゲーのヒロインとして転生してしまった雪月真白。ゲームの主人公・進藤湊に恋をする幼馴染、雨月涼奈として生きていくことになるが、彼女は恋愛なんて興味なし!?モブとして目立たずに過ごしたいと願う涼奈だが、街中で男に絡まれていたメインヒロイン・日奈星凛莉を湊の代わりに助けてしまったことでうっかり惚れさせてしまい……ヒロインたちの恋情を湊に向けるため奮闘するが、その頑張りが空回りし、自分自身が恋愛対象になっていく展開が面白いです!さらに大本命ヒロイン・凛莉の涼奈への思いに、徐々に心を開いていく恋模様や、本当の自分を思うように伝えることができない涼奈のジレンマなど、キャラクターの心理描写の表現がとても上手く、ガールズラブの美しさを再確認することができた作品です!
まず主人公の侯爵令嬢・ウィロウが、愛しの王太子に近づく「純潔の乙女・イルゼ」を殺害しようとした瞬間に、王太子から密かにかけられていた、強制的に術師に好意を抱かせる「魅了の魔法」が解け、「自分自身が転生者であることを知る魂」がよみがえる、という斬新な冒頭に惹き込まれました。その後ウィロウの中の転生者の魂は、眠ってしまったウィロウの魂の安全のために世間から身を隠し、王太子へ復讐を誓うのですが、「絶対にウィロウを幸せにする!」という固い決意とそのひたむきな愛情は、読んでいて心にグッとくるものがあります。この芯の強い主人公は、きっと多くの読者から愛されることでしょう。まったく新しい“令嬢モノ”を楽しみたい方にオススメの作品です!
タイトルでわかる通り、用済みだと処刑された主人公が、敵国のエルフ姫によって英雄召喚される所から始まる物語。主人公を葬った祖国が崩壊の一途を辿っていく、王道のざまぁ展開をはじめ、敵対していた人物との共闘というシチュエーションや、俺TUEEEE系でおなじみの圧倒的な実力を持つ主人公が軍用魔術を駆使して戦うバトルシーンなど読み応え十分な作品となっています。 また、元敵同士の二人が、いがみ合いながらも、時に和気藹々とした掛け合いをする等、国家再建の道すがら信頼を深めていくキャラクター描写も魅力的です。
娼館支配人である主人公の視点から描かれる本作は、娼婦と客人との間で起こる、時に切なく、時に心温まる人間ドラマの数々が魅力の群像劇。 客人は初心な少年から熟練の冒険者までと幅広く、彼らが性欲だけでなく、どんな想いを抱いて娼館を訪れているのかというバックグラウンドが深堀されているところも見所です。読み進めるごとに深みを増していくストーリーには伏線も数多く散りばめられていて、最後まで目が離せない作品となっています。
織田信長を主人公にして本能寺の変を回避しようとするのは、既存の作品においても扱われることの多い題材です。 妻の濃姫もその一人としたところが、本作の独自性であると思います。 さらに、濃姫を10代の可憐なビジュアルで薙刀を振るって部隊を統率する「戦闘美少女」としたところは、本作を親しみやすくするための重要なキャラクター造形として高く評価します。 見た目は少年少女、中身は百戦錬磨の信長と濃姫が戦国時代に新風を巻き起こす姿は、成長譚として爽快感バツグンでした。 斎藤道三や今川義元など史実でも因縁のある戦国大名たちを相手取り、史実とは異なる謀略や合戦を繰り広げるストーリーも、意外性と読み応えがありました。 時代劇を好む読者にとどまらず、幅広い読者が楽しめる作品になっていると思います。
ただ状態異常にかからない「全状態異常無効化」という、直接的な強さとは関係ない微妙な能力を与えられ、転生してしまった主人公・エデル。しかしこの世界には「七つの厄災」と呼ばれる、周囲に致死級の状態異常をばら撒く危険な存在たちがいて……!? 決してチート能力の持ち主ではないにしろ、苦しんでいる者の側に寄り添うことを信条とするエデルに、「腐敗の女神・イリエステル」をはじめ、次第に多くの魅力的な仲間たちが集まっていく展開には非常に胸が熱くなりました。そしてなにより無表情キャラであるイリエステルの、エデルへのデレデレっぷりが可愛くて尊い! キャラ同士のやり取りもコミカルで楽しく、思わず一気読みしてしまう良作です。
病死した女子高生、小夜子は死に際のノリで、ゲームバランスが崩壊した最悪クソゲー世界へ「性悪最凶悪役令嬢」として転生した。そこは、どんなルートを選んでも世界が滅亡してしまっていたトンデモ世界。その上、王妃主催のお茶会で大失敗して、王子に避けられ少年騎士に嫌われ、宰相の息子に叱られ、兄には「死ねばいい」と言われる始末。ダイナマイトマシュマロボディな両親は溺愛してくれてるけど、のほほんとしてるだけで何もフォローしてくれない!あれ?これってかなりやばくない?生き残るため、今度こそ幸せに人生を全うするため、「悪役令嬢」が爆走する!
クソゲーである乙女ゲームの世界に悪役令嬢リリアーナとして転生した主人公が、滅亡しないよう奮闘するお話です。悪役令嬢に転生して何とかする……といった作品はすでに1つのジャンルとして確立されており、中でもこちらの作品はチートといった類を持たずに逆境に抗う点が魅力的な作品だと感じました。また、お話が進むごとに進展していくリリアーナと攻略キャラである登場人物達との関係性は読んでいて微笑ましくも、もどかしい一面もあり、登場人物それぞれを応援したくなる作品となってます!!
遠未来、滅亡の淵に立たされた人類は、唯一安全なドーム都市に暮らしていた。その数、一千万人。増える事も減る事も絶対にない。人類管理機構が人口の増減も含め、全てを制御している。人類管理機構により、負とされる感情、そして生殖能力をも奪われながら、人類は、平和で安全なシステムに感謝しつつ、日々を過ごしている。
環境破壊や核戦争によって死の世界となった地球で唯一安全を保障されたドームと人類番号を与えられた人間を常に一千万人を維持・管理するシステム『人類管理機構』。 50歳までに必ずセンターに呼ばれ、記憶が消える代わりに老化した肉体を洗浄し、新たな肉体と人類番号を与えられ永久に生き続けられる。 古典SFにあるユートピアであり、プログラムやAIが人を管理するようになったらもしかしたら人類の行きつく未来の姿かもしれないリアルさに魅力を感じました。 限られた空間と人類管理機構から教えられたことが全てだった人々が、浄化の際に人類番号を抹消された時にこのドームが実際にはおぞましいディストピアだった事が分かった瞬間から話は急展開を迎えます。 しかし、読み進めていく内に、与えられたプログラムを黙々と実行する管理機構に悪意があるわけではなく、このシステムを作り出したドームの元の統治者がいずれ起きるであろう食糧問題や人口問題を解決するためにどれだけ苦渋の決断を行ったかがだんだんと分かってきます。 このドームでの『浄化』が何を意味するのか、ドームの真実を知ってしまった主人公のリナ達がこのディストピアからどう抗っていくのか、皆さんにも一緒に楽しんで頂きたいです。
この度は『第11回ネット小説大賞』にご応募いただき誠にありがとうございました。 今回は応募総数・協賛企業数ともに過去最高を記録し、盛況のなか最終結果発表を迎えることができました。応募者の皆様、協賛企業の皆様、『小説家になろう』を運営するヒナプロジェクト様、そしてコンテストに関わって頂いたすべての皆様に心より感謝申し上げま……
第11回ネット小説大賞
応募数 15387作品
受賞数 49作品
ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。