グランプリ
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宝島社
帝都メルヒェン探偵録
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出版社講評
大正後期から昭和前期の帝都が舞台。知識人の集まる神保町のカフェーから、芸術家の卵が集まるサロンまで、この時代の雰囲気が好きな読者にはたまらない作品です。さらにグリム童話のモチーフをピタリとはめたことで、この作品独自の世界観を構築していると感じました。当時としては珍しい、ドイツ人の母と日本人の華族の父を持つ主人公の青年や、カフェーの雇われ店長兼探偵の顔を持つ不思議な子どもなど、キャラクターたちも魅力的。現在は80,000字の中編ですが、続きが楽しみな作品です。
受賞
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宝島社
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出版社講評
なんと言っても、この作品の魅力は、様々な場面で活躍するおっさんたちです。転生してすごい力を手に入れたわけはなく、勇者のような特別な称号を授かったわけでもない。そんなおっさんたちの物語。魔王との戦いがある中、主人公が商人として人脈、資金、などを用いて勇者をバックアップするというところも新鮮です。信念を持ったおっさんたちの生き様に魅せられてしまいました。
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宝島社
捨て子になりましたが、
魔法のおかげで大丈夫そうです-
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出版社講評
通り森に捨てられ、独り強く育ちながらも生まれ育った森を追われてスラム街へ……と、ガワだけなぞれば強烈に悲劇的なストーリーながら、読んでいて辛くないのは主人公の(魔法と)心の強さと、主人公の人生をサポートする魅力的な他キャラクターのおかげ。主人公が魔法に頼り切ることなく意思と決断で生きる道を切り開いていく姿は、一人の人間として非常に好感が持てます。
受賞
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宝島社
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出版社講評
救世主として召喚された主人公。しかしそれは、人間側ではなく、魔族側の救世主だった。と、主人公が多くの物語で“悪”として描かれ、討伐される側である魔族側に召喚された部分が新鮮です。人間側の救世主として召喚された勇者パーティーに幼馴染の少女や見知った人達がいて葛藤する中、それでも魔王や魔族達のために立ち上がる。すれ違い、もつれ合う人間関係からも目が離せません
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宝島社
いいご身分だな。俺にくれよ。
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出版社講評
ゲーム世界の貴族の次男に転生した主人公。正妻の子だが、母親の実家の力は強くなく、後継者争いで劣勢な彼が、国を奪う野望を胸に現代知識などを活用し、成り上がっていく物語。知識や立場を活用しても簡単には成功できないところが面白いです。自分が幼いことや愛憎、欲などを活用し、刺激して外堀を少しずつ埋めていき、一歩ずつ成り上がっていく、ハラハラドキドキさせてくれる作品です。
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一二三書房
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出版社講評
ただただ無難に生きたいと願う主人公が、『理解』を武器に迷い込んだ異世界を生き抜いていく物語。チートもなければ剣術も魔法も使えないという、ファンタジー世界における圧倒的弱者であるはずの主人公に、得も言われぬ「怖さ」を備えさせたキャラクター作りは見事。頼りない若者に見えたかと思えば、時にはペテン師顔負けの交渉術を見せる主人公。何者でもないがゆえに何者にも変容していくその姿は新たなヒーローの誕生を感じさせてくれます。コメディとシリアスの絶妙なバランスで紡がれる芯のあるストーリーは、誰もが引き込まれること間違い無しの作品。
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ツギクル
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出版社講評
伝説の塔を制覇するという王道設定ですが、著者の文章力によって主人公の成長ぶりやヒロインとの絡みをテンポの良く読み進めることができます。また、戦闘描写も多岐にわたって細かく、読者を飽きさせない工夫が見られます。主人公は果たして塔の頂へたどり着けるのか、今後の展開に目が離せない作品です。
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宝島社
縁側でひとやすみ
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出版社講評
恋も仕事も失ってしまった主人公。そんな彼が故郷に戻り、幼馴染達には叱咤激励され、そして何十年も生きる不思議な猫・大ちゃんには見守られ、癒やされていく。読んだ人も癒やされ、ほっこりする作品です。主人公を見守り、陰に日向に活躍する大ちゃんが本当に素晴らしい。ただのんびり癒やされるのではなく、恋愛要素、不思議要素、お仕事要素もあり、いろいろな部分で楽しめるのもこの作品の魅力です。
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双葉社
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出版社講評
日本最古の温泉・道後温泉。
そんなところに可愛い女子高生ともふもふ尻尾をもつ稲荷神が営む温泉宿があったら……? しかも最高のおもてなしと舌鼓を打つ美食の数々! 訪れる神々の面子も豊かで、泊まりたいと思わざるをえない素敵な宿を見事に描き出しているところにひかれました!
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宝島社
俺、猫だけど
夏目さんを探しています。-
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出版社講評
タイトル通り、野良猫が主人公。この野良猫に「メシ係」認定されている女性、「夏目さん」がぱったりと姿を見せなくなり、勝手にメシ係を放棄するなどけしからん、と夏目さんを探しに野良猫は町を巡る……。というストーリー。この猫が、とても猫らしい。エサをくれる人間の顔しか覚えていなかったり、猫集会では「かわいい女の子(猫)」の話題でもちきりだったり。猫好きにはたまりません。現在は小~中編ですが、加筆によってこの猫の生活をもっと見ることができると思うと、とても楽しみです。
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一二三書房
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出版社講評
集団召喚された異世界で、不遇職故に魔境に放り出され凶悪な魔物に襲われてしまった主人公ですが、期待を裏切らない絶望からの復活は、王道展開とはいえしっかりと物語に引き込んでくれます。ハズレ職とされた調理師という設定がところどころで上手く活かされており、次はどうくるのかとワクワクできるのも魅力。またタイトルにもあるように『復讐』が目的の作品はどうしても重い内容になりがちですが、本作は軽妙な語り口とコミカルなキャラクター達の掛け合いがそれを感じさせない作りとなっており、読ませる巧さを感じました。
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宝島社
ゲームキャラで異世界転生
~トップランナーは
よろず屋さん~-
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出版社講評
幼女と少女の異世界転生スローライフ。ふたりがキャッキャッウフフしながら、生活必需品にはじまり、街まで作っていく物作りが見どころ。アイデアが豊富で楽しく、異世界でのサバイバルという風ではなく、姉妹がキャンプを楽しんでいるようなほっこりした気持ちにさせてくれる。キャラクターも魅力的に描かれていて、とくに幼女(アリューシャ)邪気のなさに、疲れた大人の心が癒されるのは請け合いだ。スローライフが中心ながらも、物語にはしっかり起承転結があり飽きさせない
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宝島社
斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!
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出版社講評
あまりの激務に過労死した医者が転生したのは、戦国時代の美濃の国の武将、“マムシ”の斎藤道三の息子だった! 戦国ものといえば強いのはやはり信長だが、その信長の序盤の敵役・斎藤義龍を主人公とした着眼点がまず秀逸。豊富な歴史知識、医学知識をベースにしながら、さらりと流されがちな時期の物語をしっかり面白く仕上げている手腕には感心するほかない。
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ツギクル
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出版社講評
「小説家になろう」では珍しいスポーツ小説ですが、なろう読者に違和感なく読ませるために、異世界ファンタジーのテンプレートをうまく組み込んだ作品です。ターゲットは異世界ファンタジーの読者なので、サッカーに関する細かい描写はなく、サッカーのルールが分からない人でも楽しめます。個性的なキャラクターのやり取りと、超スピード展開によってグイグイと作品世界に引き込まれるはずです。
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一二三書房
千のスキルを持つ男
異世界で召喚獣はじめました!-
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出版社講評
異世界に誤って召喚獣として召喚されてしまった主人公(人間)が、日本と異世界を行き来しながら満喫する異世界ライフはとても魅力的。主従関係であるからこその主人公とヒロインの距離感に、時にヤキモキ、時にほっこりとさせられる温かみのある物語です。主人公と異世界の女騎士であるヒロインとの絆はもちろんのこと、日本から共にやってきた後輩との絆も描くことでバディものとしても楽しませてくれます。現代日本での『リアリティー』と異世界ライフにおける『ファンタジー』を絡めた巧みな構成に著者の力量を感じました。
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ツギクル
その冒険者、取り扱い注意。
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出版社講評
まずはインパクトのあるタイトルに注目。読み進めていくと、タイトルの意味に気付く作品です。練り込まれた設定と主人公のキャラクターによって、引き締まる部分と緩む部分のバランスが絶妙で、いつの間にか物語に引き込まれていきます。シュドナイをはじめ、魅力的な登場人物が多いのも特徴です。
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ツギクル
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出版社講評
普通の異世界転生ものかと思いきや、転生先での生活はかなりシリアスな状況で、一部残酷なシーンなどもあり、読者を選ぶかもしれません。ただ、それらのマイナス要素を覆すほどの勢いが感じられる部分に注目しました。異世界に転生した中年主人公がリアルに足掻いている様子を感じみてほしいと思います。
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宝島社
転生少年の成長記 ~努力すればするほど強くなれる!?~
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出版社講評
“異世界転生チートもの”という現在の主流といえる設定を生かしながらも、チート要素に一工夫加えることで努力と友情と成長の心地良いくらいまでの王道ストーリーに仕上げているのが魅力。主人公をはじめとした活き活きとしたキャラクターたち、手に汗握る熱いバトル要素、徐々に盛り上がるドラマ展開を過不足なく盛り込む著者の技量にはしっかりとしたものがある。王道ながらも飽きのこない多くの読者が安心して読める痛快な作品に仕上がっている。
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宝島社
隣のお姉さんは大学生
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出版社講評
親の都合で高三から一人暮らしを始めることになった主人公。新居のマンションの両隣に、美人の女子大生が住んでいて……というなんとも羨ましいシチュエーションから始まる恋物語。年上のお姉さんとのドキドキなイベントはもちろんですが、主人公・黒塚を取り巻く友人関係も魅力のひとつ。お姉さんと知り合ったことで変化していく黒塚の日常を、彼の友人たちがもり立ててくれています。さらに、単に主人公が羨ましいだけでなく、彼の成長も描かれているのもストーリーの軸となっています。青春あり、恋愛あり、ずっとドキドキさせてくれる作品です。
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一二三書房
隣の席の佐藤さん
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出版社講評
席替えで隣の席になったのは、地味で、とろくて、気が利かない、決して美人とはいえない佐藤さん。そんな佐藤さんと、素直になれないひねくれものな山口くんが織りなす物語です。子供から大人に変わっていく途中の高校生二人の恋愛模様は甘酸っぱく、もどかしく、そして心が暖かくなりました。山口くん目線で進む文章は描写が丁寧で、気付けば山口くんと共に地味ヒロイン・佐藤さんの魅力に惹き込まれています。作者の人柄も感じられる、ゆったりとした時間の流れる作品です。
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双葉社
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出版社講評
この作品を最初に読んだときにまず思ったのは、「うまいつまみをあてにして、酒が飲みたい!」でした。読み終わったあとに、読者が何かをしたくなるというのは、それだけ力のある作品である証拠です。また、登場するキャラクターがどれも魅力的で、こんなメンバーと宴会できたら楽しそうだな、こんなキャラがもしご近所さんだったら……と想像してしまいます。「グルメもの小説」に比べて、なろう発の「お酒もの小説」は少ないだけに、この作品は秀作で目立ちました。
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新紀元社
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出版社講評
課金がとまらない! ドラゴン大好きなおっさんがVRMMO「Real Different World(RDW)」で無双するお話です。ゲームに好きなだけ課金してみたい――スマホゲームやオンラインゲームで遊んだ ことのある人なら、一度はそう思ったことがあるはず。お金だけは有り余るほど持っているおっさんが、課金で力と名声を手に入れる爽 快ストーリー。まるで実況プレイを見ているかのようなライブ感で、主人公と一緒にゲームの世 界を楽しむことができます。鳴き声だけで感情を表現するドラゴンの可愛いさに 魅了されました。しかしこのゲーム、課金額が高すぎる!
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宝島社
菜の花ルリユール
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出版社講評
これは18歳の女の子が“古書修復家”を目指して、職人の工房に弟子入りする物語です。本が好きでもなかなか窺い知ることができない“製本”という部分に目を向けた設定が、まずは興味をそそります。ボロボロになった古い和装本を修復し、本として蘇らせる……そういった仕事に目を向けるきっかけになる物語だと思います。決して派手ではないけれど、確かにあるのは主人公・三峰菜月の情熱。まっすぐな菜月と職人気質な豊崎先生の師弟関係もしっかりと描かれており、その関係性の変化にも著者の力量を感じさせられます。紙の書籍で読みたくなる、そんな作品です。
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宝島社
ニャーロック・ニャームズの
ニャー冒険。-
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出版社講評
この物語の主人公は猫です。語り部のニャトソンと、猫界のニャー探偵・ニャームズ。二匹が出会う数々の難事件を、ウィットに富んだ表現とキレのある推理で魅せてくれます。探偵と助手の二匹はフジンと呼ばれる飼い主のもとを抜け出しては、動物界の事件に介入していきます。時折トンデモな内容はあるものの、猫という主役を活かしたストーリー作りやセリフ回しにはセンスを感じました。改稿でより良い作品になることを予感させます。
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TOブックス
拝啓、天国の姉さん…勇者になった姪が強すぎて──叔父さん…保護者とかそろそろ無理です。
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出版社講評
勇者パーティーから追い出され、泣く泣く地元へ戻った主人公・中年猟師バズゥの物語。本作の魅力は彼の魅力なしでは語れません。普段の情けない姿と対比した頼りがい。ヒロイン2人がどんどん依存してく程の優しさ。機転や知略を活かした戦働き──おっさん主人公ならでの魅力が散りばめられています。また、勇者パーティーが破綻していくざまあ展開や喜怒哀楽豊かな脇役たちとの掛け合いなど、主人公を魅せるための構成が他と一線を画していました。タイトルのイメージからさぞ湿っぽいお話かと勘ぐると、予想を裏切られる熱を持つ作品です。
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双葉社
ハズレ判定から始まった
チート魔術士生活-
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出版社講評
タイトルやあらすじは、よくある異世界転移小説に見えるかもしれません。実際、ストーリーとしてはどこかで読んだことのある気がする部分もあるんですが、この作品は、それでも読者に続きを読みたくさせる魅力がありました。その力の原動力は、おそらく中学2年生の主人公・ケントの魅力です。ラッキースケベ的な場面で喜ぶような中学生っぽさもある一方で、殺されてしまった同級生のことを思うシリアスな場面など、等身大の中学2年生の心の中が丁寧に描かれています。読み進めるにつれ、異世界という非日常で成長していくケントを応援したい気持ちにさせられました。また、このケントの成長を手伝うスケルトンのキャラ造形もうまいと思います。
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新紀元社
ファンタジーをほとんど知らない女子高生による
異世界転移生活-
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出版社講評
異世界転移の常識を打ち破る? 愛読書はSF小説!理論派女子高生の美咲は、ある日突然剣と魔法の王道ファンタジー世界に転移し てしまいます。普通の女子高生なら大はしゃぎしそうな展開なのに、美咲の目標は「現地に溶け 込んで地味に生活すること」。ところが、ファンタジーをほとんど知らない彼女 はする事なす事が裏目にでてしまい、気がつくと平穏な日々は遠のいていて……。主人公の美咲をはじめ、登場人物が皆しっかりとした軸を持っています。よくある世界観を舞台にしたことで、キャラクターの個性が際立っているのがポイント。そんな彼らのコミカルなやり取りや、我知らず面倒くさい事件に巻き込まれてい く美咲の奮闘から目が離せません!
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宝島社
復讐は天罰を呼び魔術士は
ぽやぽやを楽しむ-
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出版社講評
タイトルがいいですね。スローライフでものんびりでもまったりでもなく、「ぽやぽや」。新しい不思議な魅力があります。私もぽやぽやしたい。ストーリーは、研究熱心な魔術師の日常を覗き見ているようで、傍目には論文執筆に狩りに、と結構忙しい毎日をおくっていますが(笑)、主人公がその生活を楽しんでいる様子がよく描かれています。
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双葉社
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出版社講評
「存在感空気を脱却し、目立ちたい」という不純な動機で冒険家になった主人公。こんな彼ですが、ダンジョンに潜るときに見せる狂気ともとれる熱さに当てられて、気付いたらページをめくっていました。そして脇を固めるヒロイン、憧れの冒険家たちがキャラが立っているのはもちろんしっかり物語を動かしてくれます。熱くて笑える本作の世界観に引き込まれること間違いなしです! ぜひご一読ください!
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双葉社
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出版社講評
記憶が一日しかもたないとしたら、普通の人は絶望の淵に叩き落とされるでしょう。その状態で長編小説を書くなんて正気の沙汰じゃないと思うことでしょう。しかし、主人公のアキラがもがきながらも物語を紡ぎ出す姿を応援せずにはいられませんでした! 光が見える爽やかな終わり方も素敵です。
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宝島社
ランチからディナーまで六年
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出版社講評
実家が小料理屋で料理が得意な男子・幡上が、会社の同期であり料理好きな女性・清水と、ふとしたきっかけから「メシ友」として毎日お弁当を一緒に食べるようになるお話。なんとなく始まった一日一時間のランチタイムが、積み重なるうちに二人にとって大切な時間となり、やがてはお互いがかけがえのない存在になっていく。心の交流と美味しそうな料理が優しい筆致で丁寧に描かれています。いきなり恋愛モードから入るのではなく、友情から発展した関係性なのがとても良いです。応援したくなる二人です。
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ツギクル
わたしはたまごで
異世界無双する!-
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出版社講評
1話目の「わたしはたまごになりました。」の乗り込み型という点にやられる人は多いはずです。オリジナリティのある設定と軽快な文章によって、ご都合主義の部分も心地よく感じられるほどの魅力があります。ポカーンとなってしまうギャグ要素を存分に楽しんでください。